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resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
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笹川 陽平
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「イスラエル・パレスチナ問題」その4―番外編・女性の水タバコ― [2014年06月25日(Wed)]
「イスラエル・パレスチナ問題」その4
―番外編・女性の水タバコ―


6月10日、11日のヨルダン・イスラエル訪問は、雲一つない晴天で、日中の日差しはことのほか強く、サングラスは必携である。草木は勿論のこと、一滴の水もない荒野が続く景色を漠然と車窓から眺めていると、山川草木豊かな日本は何と恵まれた国だろうかと実感する。

日没と共に昼間の熱暑は何処へやら、涼しいというより寒さを感じる。夜、夕食のためホテルのレストランに入ると、室内ではサービスできないとのことで屋外に案内されたが、寒いのである。女性たちはレストランから毛布のような布を借りて肩から背中に掛けている。それでも屋外の食事の方が楽しいのであろうか。テーブルはほぼ満席。女性だけ5人〜10人がテーブルを囲んで大声で談笑している席もある。

ヨルダンのイスラムは開明的であることは知っていたが、このレストランでは多くの女性たちが水タバコを吸っており、まるで小型蒸気機関車のように鼻から口から、大きな煙を吐いているのには少々驚かされた。男性が吸うのは何度も目にしているが、10人ほどの女性だけのグループが各々水タバコを楽しみ、男性に負けじとばかり思いっきり煙を吐き出す様子はけだし壮観である。この国には受動喫煙という言葉はないものかも知れない。

水タバコ 女性.jpg
水タバコの煙を鼻から口から・・・


レストランは水タバコを提供するため、室内ではなく、屋外でサービスしているのだろう。これだけの人が室内で煙を吐いたら、あわて者は消火器を噴射するに違いない。大量に流れてくる煙に悩まされながら、早々に夕食を終えた。

「水タバコ」は専用の香りが付けられたタバコの葉に炭を載せて熟し、出た煙をガラス瓶の中の水を通し吸うもので、高さは60〜80cmほど。1回の燃焼時間は1時間ほどで、レストランに注文すると用意してくれる。

専門家によると、紙タバコより害が強いそうだが、そんなことはどこ吹く風とばかりに、レストランの屋外はまさに喫煙者の楽園であった。

ヨルダンの現状は、日々シリア難民が押し寄せており、既にイラク、パレスチナの難民も多く生活している。日々厳しさが増す環境の中、何を話題に楽しんでいるのかわからないが、つかの間のうさ晴らしをしているのかも知れない。
6月24日(火) [2014年06月24日(Tue)]
6月24日(火)

7:35 財団着

9:00 ミャンマー出張打合せ

10:00 寺島紘士 海洋政策研究財団常務理事

10:55 秋山昌廣 東京財団理事長

13:30 羽生次郎 笹川平和財団会長

15:00 小坂憲次 参議院議員
6月23日(月) [2014年06月23日(Mon)]
6月23日(月)

7:25 財団着

8:00 「ググローバル・ヘルスと人間の安全保障」会議

10:00 日本財団アドバイザリー会議

14:00 城内 実 衆議院議員

14:30 菅 義偉 官房長官

15:10 茂木敏充 経済産業大臣

16:00 駒崎弘樹 NPOフローレンス代表

18:00 神保国男 戸田市長
「イスラエル・パレスチナ問題」その3―ハッサン王子の発言― [2014年06月23日(Mon)]
「イスラエル・パレスチナ問題」その3
―ハッサン王子の発言―


ハッサン王子と会談.JPG


ハッサン王子は故フセイン国王の弟で、国王がアメリカでの長期病気療養で不在の際には、実質的に国王を務められた。かつてはローマクラブの会長を務め、現在は世界宗教者平和会議の議長を務めている。

その発言は示唆に富んだものだが、極めて難解で、来日の折の講演会で、日本の第一級の通訳者が王子の講演終了後、戸惑いの表情で通訳ブースから出てきたこともあった。

今回の私との会談は、国際グループの小林立明がメモしたもので、ハッサン王子の発言をまとめてみた。

1. 水の問題について
イ) 水については、資源保護という観点だけでなく、社会的正義の実現という観点が必要。すべての社会階層が良質の飲料水と衛生用の水にアクセスすることができる権利を保障するという観点から議論すべき。水が脅威なのではなく、民主主義が脅威なのである。

ロ) イランにおいても水の問題は重要な問題となりつつある。

ハ) イスラエル政府は、パレスチナの権利を認めていないが、飲料水の半分以上は占領地域から来ているという現実がある点も忘れてはならない。

2. 西アジア・北アフリカ地域の課題について
イ) 中東和平に、アラブの国々を改めて関与させる必要がある。水の問題のみならず、難民の問題も大きく、track 2の対話メカニズムが必要だ。この地域はますます断片化しつつある。断片化すればするほど、流血の事態が発生する可能性が高まる。この地域の豊かな多様性を再認識し、地域の課題を解決していくための新たな対話の場が必要である。対話の場において、地域の「創造的な共有財(creative commons)」は何かを考えてみたい。

ロ) 西アジア・北アフリカの対話メカニズムとして、ヘルシンキ・プロセスがモデルとなりうる(注:2002年にフィンランド政府とタンザニア政府がスタートさせたグローバル・ガバナンスに関するイニシアチブ。2005年までの第一フェーズにおいてマルチ・ステークホルダー協力に向けた概念を発展させ、2007年までの第二フェーズにおいてこの実現のための行動計画やフレームワークを構築した。)

ハ) 21世紀はアジアの世紀である。東アジアのインフラ整備の成功は大変参考になる。東アジアの成功例を取り入れるため、東アジアと西アジアのwisdom(英知・知恵)を交換できるような対話の機会が必要。シンガポール大学の中東研究センターのように、東アジアの視点で中東を見ている研究所と共同して対話プログラムを作れないか。

ニ) 今まで、経済発展や開発が議論の中心となってきた。しかし、現在は、こうした問題を超えて、「人間の尊厳」について考える時期にきている。たとえば、ケリー国務長官は、この地域の発展のために40億ドルの投資を行うと言明した。しかし、今必要とされるのは、贅沢なホテルを建設するために巨額の投資を行うことではなく、地域の安定と人権のためにより多くの時間と資金を投入すること。このため、アジア開発銀行やアフリカ開発銀行と同様の機能を持った「アラブ地域開発銀行」の創設なども検討されるべき。

ホ) 中東アラブ地域が自立するための新たな経済政策が必要。日本のアベノミクスのような強力なイニシアチブが求められる。しかし、アラブ地域では、既存勢力が影響力を失うことを恐れて、このような新たなイニシアチブに反対している。イスラエルが西アジア・北アフリカ地域の平和と安定に果たすことのできる潜在的な役割は極めて大きい。

ヘ) 人権の問題以上に、人道の問題に焦点を当てるべき。人道の問題の方がより包括的である。西アジア・北アフリカ地域の安定化のためのフレームワークを構築する必要がある。そのためには、どのような未来を構築するかというビジョンが不可欠。

3. イスラエル・パレスチナ問題について
イ) エルサレム聖地のマネジメントを考える必要がある。これは政治から切り離して行われなければならない。

ロ) アラブ文化の観点からユダヤ人を捉えなおす必要がある。

ハ) ナショナリズムに基づく紛争が、宗教紛争になってしまうという問題がある。

ニ) 「地域市民のための投資(Regional Citizenship Investment)」という考え方は、すべての人々に訴えかける力がある。我々は、「共生(Convivial)」を目指さなければならない。

**********************

第6回WANA(西アジア・北アフリカ)フォーラム
―スピーチ要旨―


日本財団会長 笹川陽平
2014年6月11日
於:ヨルダン・アンマン


私はハッサン王子と長年にわたり親交を深める中で、WANA地域の平和で安定的な発展に対する殿下の熱い想いを幾度となく伺い、その確かなビジョン、情熱、揺らぐことのない志に大変感銘を受けてきました。

WANA地域に目を向けてみますと、ここが社会的、経済的、政治的、そして自然環境の側面から見ても世界でも極めて重要な地域の一つであるということを痛感します。
しかし、長年の紛争やそれに続く暴動は、人間の安全保障を脅かし、政情不安を煽り、WANA地域に困難な課題をもたらしています。

このフォーラムが、WANA地域の成長を妨げ、人々の生活を困難にしている様々な問題にWANA地域の関係者が取り組むための対話の場を築いてきた経緯は評価すべきことであり、まさに、ハッサン殿下の先見性によるものであると思います。

今年のフォーラムのテーマは、「リーガル・エンパワメント」です。世界中の何十億人もの人々が法の保護の外に追いやられていると言われており、WANA地域も例外ではありません。法の支配からの排除は、経済発展や人材育成に弊害をもたらし、さらには、インクルーシブな社会の構築への道を閉ざしてしまうでしょう。

私がこれまで行ってきた人道支援活動においても、このような暗い現実に何度も直面してまいりました。社会や法の保護から置き去りにされた人々。貧困にあえぎ、基本的な権利があることを意識していない人々。そのような人々の中でもハンセン病患者・回復者についてお話したいと思います。

ハンセン病は人類の歴史の中で、誤解され、偏見の対象となってきた病気です。治療をしないと、顔や手足などに目に見える変形が生じることもあるため、人々に恐怖の念を抱かせました。また、神の罰や祟りであるとも思われてきました。多くの国々では、ハンセン病感染者が家族から引き離されて孤島や遠隔地に隔離されてきました。

何世紀にもわたり、ハンセン病患者・回復者は法の保護の外で生きることを余儀なくされ、公共サービスにアクセスすることもなく、彼ら自身の人権を意識することもなく、そして、貧困から脱却することもありませんでした。

最近になってようやく、ハンセン病患者を取り巻く状況が改善されるようになりました。その背景には、国際機関、政府、NGO、そしてハンセン病回復者自身など様々な関係者の協力がありました。

こうした関係者との取り組みの中でも「リーガル・エンパワメント」がもたらした成果は顕著なものでした。多くの国々でハンセン病に対する差別法が撤廃されました。さらに世界中の様々な国々においては、ハンセン病患者・回復者自身が自らのための組織を設立し、法の下に平等な権利を持つ市民であると認識されるような活動をしています。彼らの努力は、ハンセン病患者・回復者の公共施設や社会的リソースの利用ができるような具体的な成果へとつながりました。そして、最も重要なのは、ハンセン病患者・回復者自身が自ら声を上げ、社会に発信できるようになったことです。

しかしながら、真の意味でのインクルーシブな社会を実現していくためには、多くの人々の意識を変えるという努力を同時に進めていかなければなりません。私は、公正を欠いた行為が、長年の慣習と伝統に根深く結びついているという社会を多く見てまいりました。あまりにも根深いため、意識の高い人ですら、このような現実に気づかないのです。これからの議論でこうした視点も検討の対象に含めていただければと思います。

WANA地域において、様々な分野のリーダー的立場にある皆さまが、個人や自国の利益に捉われず、この地域全体のより良い未来を追求するために、忌憚なく議論することができるこのような機会は大変意義深いものです。WANAフォーラムが、今後WANA地域の発展と人々の明るい未来に貢献することを期待しています。

6月20日(金) [2014年06月20日(Fri)]
6月20日(金)

7:30 財団着

9:00 ウガンダ出張打合せ

10:00 アルネ・ウォルター 駐日ノルウェー大使

11:00 ドアン・スアン・フン 駐日ベトナム大使

13:30 南 尚 大島造船所会長
「イスラエル・パレスチナ問題」その2―民間神風外交 アッバス大統領と会談― [2014年06月20日(Fri)]
「イスラエル・パレスチナ問題」その2
―民間神風外交 アッバス大統領と会談―


昨11日のエルサレムでのペレス大統領との会談後、一旦アンマンのホテルに戻り、翌日、あらためてアッバス大統領(日本での呼称は議長であるが、正式には大統領)と会談すべく、ヨルダン川西岸のパレスチナ暫定自治区ラマッラーの大統領府を訪れた。

アッバス大統領は、2004年11月、アラファト大統領死去に伴いPLO議長に選出され、2005年、大統領選挙に当選して名実ともにパレスチナの代表者となった。

バチカンから帰国直後の超多忙の中ではあるが、ヨルダンのハッサン王子が直接電話で私のアポを交渉してくださり、夕方7時からの会談が実現した。

以下、アッバス大統領の発言ポイントのみ記載した。

1.日本への謝意
a) 自分は2012年4月に東日本大震災の被災地を訪問した。しかし、これが初めての訪日ではなく、それ以前にも訪日している。その際は、広島も訪問した。
b) 日本政府は、経済面のみならず、政治的支援や人道的支援も行ってくれている。また、国連におけるパレスチナの地位に関する総会決議においても賛成票を投じてくれた。こうした日本政府と日本国民へのサポートに対し、パレスチナ自治政府は、深い敬意と感謝の気持ちを感じている。

2.ペレス大統領およびバチカンでの共同礼拝について
a) ペレス大統領は、いい奴(good guy)であり、ピースメーカーである。ペレス大統領は、1993年のオスロ合意に署名した人間であり、私はそこで初めて彼と会った。それ以来、我々は親しい友人であり、私も彼を信頼している。
b) 先日のバチカンでは、共同礼拝の後、和平対話についてもペレス大統領と話をしたが我々の間には何の相違もないことがわかった。我々は、いかにして和平交渉を再開するか、和平交渉の妨げとなっていることは何か、将来に向けて何ができるのかを議論した。
c) ペレス大統領は傑出した、歴史的な指導者である。多くの人が彼を尊敬しており、多くのイスラエルの政治家が彼の発言には耳を傾け、これに敬意を表する。私は彼を信頼しており、彼が今までの和平に向けた努力を継続してくれると信じている。彼は91歳だが、まだ現役である。

3.イスラエル/パレスチナ間の和平交渉について
a) この9ヶ月間の間、我々はいつでも和平交渉を再開(Resume)する用意があった。なぜなら、和平交渉は、米国が提案したものだったからである。過去3ヶ月間、我々はただ一つの問題に集中してきた。それは国境の問題であり、 我々はイスラエル政府に対し、入植活動を中止するよう要求してきた。もしもイスラエル側でこれを受け入れる準備ができ、我々に戻ってほしいと望むのであれば、我々はいつでも和平交渉のテーブルに戻る用意がある。
b) イスラエルは、我々とハマス(ガザ地区を支配する政党。イスラエルはテロ集団とみなしている)が和解を遂げたことに腹を立てている。しかし、我々はハマスとの間の国民的統一を進める。新政府を立ち上げ、6ヶ月以内に大統領選挙と議会選挙を行う予定であり、すでに準備を開始した。イスラエルが我々の国民的和解の努力に反対する何の正当性もない。米国、欧州、日本を始め、世界各国が我々の和解プロセスを認め、これを祝福している。イスラエルのみがこれに反対している。我々は忍耐強くイスラエルが交渉の席に戻ってくるのを待っている。

4.安倍総理のパレスチナ訪問について
a) 我々は、安倍総理がパレスチナを訪問するよう公式に招待したい。我々はいかなる時でも総理のパレスチナ訪問を歓迎する。これを総理にお伝え願いたい。我々は、日本政府と日本国民による支援を高く評価し、これに深く感謝している。

5. 和平交渉再開の見通しについて
a) ペレス大統領が、新大統領やネタニヤフ首相に対して何かができるのではないかと期待している。もしも、イスラエル側が交渉のテーブルに戻る用意ができれば、我々は何の前提条件もなしに交渉を再開する用意があるし、その準備はできている。
b) 我々は忍耐強く待っている。我々はイスラエル政府と安全保障面で協力することに合意しており、両国に対するいかなるテロや暴力も防止するつもりである。

*なお、会談冒頭の写真撮影では、異例なことに、大統領は同行者三人ともツーショットを命令し、会談終了後、自ら写真にサインして各人に手渡して下さった。

アッバス大統領.jpg
全員にサイン入り写真を
6月19日(木) [2014年06月19日(Thu)]
6月19日(木)

7:45 財団着

終日 書類整理、打合せ
6月18日(水) [2014年06月18日(Wed)]
6月18日(水)

7:30 財団着

10:00 広渡英治 日本吟剣詩舞振興会専務理事

10:30 今 義男 海洋政策研究財団理事長

12:00 冨永重厚 笹川日仏財団理事長

17:30 奥村裕一 東京財団理事

19:20 麻生 泰 (株)麻生会長
「イスラエル・パレスチナ問題」その1―民間神風外交 ペレス大統領と会談― [2014年06月18日(Wed)]
「イスラエル・パレスチナ問題」その1
―民間神風外交 ペレス大統領と会談―


6月11日、ヨルダンの首都アンマンにおいて、第6回『WANA(West Asia North Africa)フォーラム』が日本財団の支援で開催された。

チェコの故ハヴェル大統領とホロコーストの生き残りでノーベル平和賞受賞者のエリー・ウィーゼル、そして私の三人ではじめた『フォーラム2000』会議は、プラハで17年間にわたって開催され、世界の各界の指導者に参集願って時宜を得た国際問題を議論してきた。

この会議をヒントに、『フォーラム2000』会議に参加されたヨルダンのハッサン王子を朝食に招待し、中近東にもこの種の議論をするプラットホームを作ってはとの提案に賛同いただいて開催することになった『WANAフォーラム』も今年で6回目を迎え、『民主主義と法』をテーマに議論された。

日本出発直前の8日、フランシスコ・ローマ法王の仲介で、イスラエルのペレス大統領とパレスチナ暫定自治政府のアッバス大統領がバチカンで中東平和を訴える合同祈願に参加したとの報道があった。ケリー国務長官の11回にわたる仲介工作が失敗に終わったところでもあり、法王の仲介は和平交渉の停滞を打開するきっかけになるのではとの推測もあった。その様子を知りたいと、WANA開会式での挨拶終了後、直ぐにエルサレムの大統領官邸16時必着を目指して11時にアンマンを出発した。

ヨルダン・イスラエルの国境通過は、検問が世界で最も厳しいところである。在ヨルダン日本大使館と在イスラエル日本大使館の見事な連携プレーなくしてこの会談は不可能であった。まずはご協力に御礼申し上げたい。大統領官邸の警備は相変わらず厳重で、ペースメーカーを埋め込んでいる私は、埋め込み場所を確認するために肌を露出せざるを得なかったほどだ。

ペレス大統領とはプラハの『フォーラム2000』国際会議以来、たびたび面談の機会を得ている。第9代、第12代の首相を務め、その後、第9代の大統領に就任し、7年間の任期を今年の7月15日に迎える。現在、与野党の政治家は勿論のこと、国民からも最も尊敬される政治家として再任を望む声が強かったが、本人は、法律で決定したルールを簡単に変更することは良くないと固辞した。イスラエルの大統領は直接選挙ではなく、議会から選出されるので象徴的な存在ではある。しかし、それでもペレス大統領の存在は別格であった。今後も別格の存在としてパレスチナとの和解に発言権があることに変わりはない。ただ、7月から大統領に就任するレウベン・リブリン大統領、それにベンヤミン・ネタニヤフ首相、アビグドール・リーベルマン外務大臣と、三人揃って右派であり、ガザ地区への締め付けを強化していることは、今後の和平交渉の見通しを暗いものにしている。

当年91歳のペレス大統領は、バチカンから帰国したばかりにもかかわらず元気そのもので会談に応じてくれた。

ペレス大統領.JPG
ペレス大統領


―以下は会談内容―

アッバス大統領の印象について質問したところ、
「公平無私(fair-minded)の人物であり、私は彼のことを信頼している」と発言した上で、
「自分とアッバス議長は、平和的な解決のための合意書に署名している(signed an agreement for the peace process)ので、イスラエル・パレスチナ間の問題解決には、平和的な手段以外ありえない。
バチカンでは、ローマ法王同席の中、アッバス議長と共に祈りを捧げた。ローマ法王が退席した後も、自分たちは残って話をした。
イスラエルとパレスチナは文化的な背景が異なるのは当然である。こうした違いを踏まえて対話を継続することが重要である。
民主的な社会とは、意見が異なるということだけを理由に相手を罰することを行わない社会である。異なる意見を平等に尊重して初めて平和的な社会を実現することができると信じている。」

笹川の「ケリー国務長官による和平プロセスが行き詰まりを見せている中、今後、和平プロセスは再開されるのか」との質問に、ペレス大統領は
「和平プロセスについては、両国の指導者がこれをサポートして、正しい判断を下すと信じている。
自分の大統領在任中にも、政府部内で閣僚間に意見の相違が見られた。また、閣僚から自分に対する批判もなされた。自分が大統領として十分な役割を果たすことができたかどうかは分からないが、良い指導者とは、部下に命令を下すのではなく、部下が自発的に活動するのを奨励できる人間を指す。指導者は、自分のためではなく、どうすれば人のために自分が動くことができるかを考えることのできる人間である。」

笹川は、安倍政権の『積極的平和主義』外交を紹介しつつ、「イスラエル・パレスチナの問題に対して、日本としてどのような役割を果たすことを期待するか」との質問に対しては、
「日本政府は、今まで、パレスチナに橋の建設やジェリコ農産加工団地建設、その他、人道支援や農業支援などの多様な領域で支援を行ってきた。これは高く評価している。
現在、パレスチナは、25歳以上の人口が60%を占めており、今後、急速な人口拡大が見込まれる。たとえば、人口が5倍になったのに経済が成長しなければ、貧困層が4倍になる計算となる。
この問題を解決するためには、政府や国際機関の援助だけでは不十分である。Start-up Nationとして、ハイテク分野を中心とした起業支援が重要だろう。中小企業をターゲットにし、可能であれば、学生のインターンなども入れて、若い世代が起業を担うのを支援することが重要である。特に、スマートフォンなどを通じたインターネットへのアクセスを確保すれば、若い世代に大きなチャンスをもたらすだろう。
この点で、日本企業の貢献に期待している。日本企業は、IT技術やスマートフォンなどの情報コミュニケーション分野で資金と技術を持っている。ぜひ協力をお願いしたいし、そのために自分は仲人(match-maker)として積極的に貢献していきたいと考えている。
テロは、蚊のようなものである。いつも血を吸おうとまとわりついてくるが、銃を使って蚊をすべて打ち落とすことなどとてもできない。蚊が増えないような環境を整備する方がよほど効果的である。こうした観点からも、若い世代をターゲットにした起業支援は重要である。」

最後にペレス大統領より、「日本、イスラエル、パレスチナの協力においては官民のパートナーシップ、次世代の育成、科学技術の活用が重要である」との指摘があり、笹川も同意した。これを受け、双方で引き続き意見交換を行いつつ、引き続き協力していくことで一致した。
6月17日(火) [2014年06月17日(Tue)]
6月17日(火)

7:30 財団着

9:30 森田文憲 日本文化興隆財団常任相談役

10:00 理事会

11:00 前岡良徹 日本レジャ−チャンネル社長

13:00 世海海事大学奨学生・留学前挨拶

15:30 武部恭枝 プライムコーポレーション社長

16:30 石川和秀 外務省南東アジア部長

17:00 被害者支援車両事業打合せ

17:15 船越 眞 ボートレース振興会常務理事

19:00 「nippon.com」編集委員会