「小話再録」その13
―人生笑いが必要―
■権力と金銭
中国では官僚に対する賄賂はいわば文化のようなもので、提供する民間人も事業を円滑に進める潤滑油として至極当然の行為と考えており、そのため、このようなひとひねりした小話ができたのだろう。
北京の政府高官と山西省の民営炭鉱オーナーが飲食した折、高官はお酒を飲んだ勢いで「100万元もらえればできないことはない」と豪語した。
炭鉱オーナーは、「それなら100万元出すから、天安門城に飾っている毛沢東の写真を私の父親の写真に替えてほしい」と依頼した。
高官は自信ありげに「よし、1週間後に必ずやって見せる」と約束した。
1週間後、北京に上京し、天安門城に相変わらず毛沢東の写真が飾ってあるのを見た炭鉱オーナーは、高官に「約束違反だから金返せ」と迫ったところ、高官は「約束は守ったから金を返す理由はない」と主張した。
炭鉱オーナーは「天安門城の写真は今も毛沢東で、父親の写真ではない」と反論したところ、高官は「あの写真は間違いなくあなたのお父さんである、地元の役所で戸籍簿を調べれば分かる」と説明した。
炭鉱オーナーは帰郷して戸籍簿を調べると、自分の名前が「毛岸英」に変えられたことを知り、気絶した。
※本ブログは、拙著『紳士の「品格」2 雑学のすすめ』(2025年8月出版)より抜粋しています。