「ちょっといい話」その227
―輪島の漁業者に海底地形図―
伊能忠敬は、17年かけて自分の足で精密な日本地図を完成させた。日本財団は地震による津波や船の安全航行、漁業者のために日本全国の水深0-20メートルの海底地形図(総海岸線約35,000km)を10年計画で20億円の予算で作成を急いでいる。早速に能登地震による海底の変化を発見。この度、輪島の漁業者に提供した。以下は9月15日付、産経新聞の記事です。
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日本の海底地形図「海の地図」作りに取り組んでいる日本財団と日本水路協会はこのほど、昨年の地震で被災した能登半島北部沿岸の地図を先行して作成したとして、石川県輪島市の漁業者に提供するための説明会を開いた。地震により隆起した地形に新たに形成された漁場の把握などに活用できるといい、復興を後押ししたい考えだ。
日本財団は2022年から全国の水深0〜20メートルの海底地形を航空機のレーザーで測量し、地図化するプロジェクトを実施。地震後、優先して能登半島北部沿岸を調査し、結果を今年1月に公表していた。紙の地図のほか、スマートフォンでも閲覧可能。4年9月、10月と、地震後の昨年4、5月のデータを比較することで、海底隆起や魚類の生息に重要な新たな岩礁の把握に役立つという。

スマートフォンで閲覧する海底地形図のイメージ
輪島市の海女、門木奈津希さん(44)は「隆起で地形が変わったが、地図があれば座礁しないよう安全に航行できる」と話した。今後日本各地の調査や地図化を進め、将来的に全国版の一般公開を目指す。