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【私の毎日】6月18日(水) [2025年06月18日(Wed)]

6月18日(水)

11:55 財団着

終日 財団内打合せ、原稿書き、寄付金への礼状書き、書類整理

「葬式の準備」―家庭内意見が割れる― [2025年06月18日(Wed)]

「葬式の準備」
―家庭内意見が割れる―


何事も事前準備は大切です。たとえば災害への備えは、メディアでも多く取り上げられ、ある程度社会に浸透してきました。そんな中、私が今考えている事前準備とは、自分自身の「葬式」のことです。

先般、長男と次男に私の葬式について話をしたところ、私の考えに同調するものと思っていましたが、意外や意外、全く異なる意見が返ってきました。驚くと同時に、話してよかったとも感じ、さらなる意見調整の必要性を感じさせられました。

「人生で確実なものは死と税金だけ」です。税金は法律で定められていますが、葬儀は家庭内の話です。我が家には息子4人、それぞれの嫁、そして孫13人、合計23人の家族がいます。今のところ平穏な家庭ですが、「私の死」がきっかけで感情的な争いにならないよう、周到な準備が必要と考えています。

亡父・笹川良一の葬儀は、関係者によって委員会が設立され、家族の意見も考慮して行われました。私は皆さんの考えを尊重し、一言も意見は述べませんでした。ただ、兄から「院殿居士」の戒名を頼むよう指示され、浄土宗の僧侶に相談のうえ「翔雲院殿海徳剛仙良一大居士」の戒名を頂戴しました。兄は「戒名に3000万円の予算をつける」とのことでした。

僧侶からは、「院殿居士」は本来、院や殿の建物を寄進した貴族や高位の方に授けられる格式の高い戒名であり、高額になるものだとの説明がありました。「まあ250万円でいかがでしょうか」と言われ、「よろしくお願いします」とその場で決定。寺を出たところで、同行の尾形(現・日本財団理事長)が「あれは1文字250万円ということですから、13文字で3250万円になりますね」と言うので、「いや、全部で250万円でしょう」と答えながら寺に戻り、「250万円は小切手ですか、それとも現金ですか?」と確認すると、「どちらでも結構です」とのこと。こうして戒名の件は一件落着しました。

芝の増上寺で行われた父の葬儀には1万2000人が参列。アメリカのカーター元大統領をはじめ、海外からも多くの方々が参列しました。亡父が全国消防協会や傷痍軍人会の会長等、いくつもの全国組織の責任者を務めていたこともあり、また、葬儀のための委員会もあったので大規模になったことは仕方のないことでもありました。葬儀はぴったり1時間で終了し、時間厳守で秩序正しい整然とした葬儀に、警備を担当された愛宕警察からはお褒めの言葉をいただいたそうです。

さて、私自身はというと、正直のところあまり宗教心もなく、散骨で構わないと考えています。そう話したところ、長男との間で次のようなやり取りになりました。

長男「先祖代々の墓に入るのが常識ではないか」
筆者「私がまたあの世で笹川良一にこき使われるのは勘弁してよ。
   できれば横に小さな墓石を建てて、“笹川陽平の墓”としてくれないかな」
長男「戒名がないと、命日に僧侶が来てくれないよ」
筆者「私は読経の意味も分からないから、いらないよ」
長男「こんな話、笹川山・理照寺(笹川家の菩提寺)に話せると思う?
   親父! 死んだ人間には発言権はないんだよ。
   “偲ぶ会”もやるなと言うけれど、やらないと俺たち4人の息子が
   世間から批判されるんだからね」
筆者「私は他人に迷惑をかけたくないんだ。みんな義理で集まることになるから、
   それはやめてほしい!」
長男「死人に発言権なし。喪主になる母や兄弟で相談して決めるから」
筆者「恥ずかしがりやの私の写真を飾って、大勢の人が来るなんて、
   想像しただけで耐えられない。何とか勘弁してくれ」
長男「死人に発言権なし」

…ということで、この問題は後日また相談することになりました。一部決定事項は以下の通りです。

・葬儀は家族だけで行う。
・涙は厳禁。不器用な親父を笑って大酒飲んで酔っ払って熟睡してくれ。
・棺桶は税込み22万円から330万円まであるが、最低ランクの22万円にすること。
・骨壺も3万円から数十万円あるが、3万円にすること。
・火葬代は不明だが、最低価格とすること。

以上、葬儀の準備は難航しております。日米関税交渉以上に難しいものですね。交渉続行です。
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