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【私の毎日】5月2日(金) [2025年05月02日(Fri)]

5月2日(金)

6:30 財団着

7:00 財団内打合せ

8:00 トレーニング

10:00 熊ノ郷 淳 大阪大学総長

11:00 中澤 武 国際海事大学連合(IAMU)事務局長

11:30 スピーチ打合せ

12:00 経営企画広報部との打合せ

13:00 特定事業部との打合せ

14:00 園田裕史 大村市長 寄付金贈呈式

14:30 工藤栄介 笹川平和財団参与

15:00 公益事業部との打合せ

16:00 財団内打合せ

終日 原稿書き、寄付金への礼状書き

「人口減少は世界的傾向」―韓国は100年で95%減少― [2025年05月02日(Fri)]

「人口減少は世界的傾向」
―韓国は100年で95%減少―


岸田政権の「異次元の少子化対策」とはどのような政策であったか浅学非才の身にはよく分からなかったが、日本における少子高齢化の問題は、今や庶民の日常会話のテーマにもなっている。深刻な問題であることには間違いない。また、今のところ有効な手立てがないことも事実です。

アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所のニコラス・エバースタット氏の論文によると、人口減少は世界的傾向のようで、韓国では2050年までに出生1人につき3人が死亡すると予測している。この傾向が続けば、わずか100年で人口は95%減少してたったの5%となるようで、現在の人口約5100万人がたったの255万人となる計算です。日本は今年昭和100年です。したがって100年という時間はあっという間ですね。

以下、エバースタット氏の論文の要約(2024年10月10日付岡崎研究所「情報分析」より)を掲載します。

*******************


1.人類は「人口減少時代」を迎えようとしている。世界人口が最後に減少した のは、約700年前、ユーラシア大陸の大部分を襲ったペストの影響である。その 後の7世紀で、世界の人口は約20倍に急増した。そしてこの1世紀で、人類の人口は更に4倍増加した。出生率が急落する中、多くの社会が人口減少へと向かっており、その先にあるのは、縮小し高齢化する社会からなる世界である。出生者数より死亡者数の方が多い社会が、新たな常態となろう。

国連によれば、新型コロナの前年2019年、世界の出生率は人口置換水準(2.1)以下となり、その後加速している。

世界的人口減少の波に対して、唯一残された砦はサハラ以南のアフリカである。約12億人の人口を抱え、国連人口計画(UNPD)が予測する女性1人当たりの平均出生率は現在4.3人である。しかし、そこでも出生率は低下している。女性1人当たり6.8人という驚異的水準であった1970年代後半から、35%以上低下した。

2.将来の労働力も世界中で縮小する。2040年までには、サハラ以南のアフリカ以外のすべての地域で、15歳から49歳までの国民が減少するだろう。欧米と東アジアではすでに減少している。ラテンアメリカでは2033年までに減少に転じ、その後東南アジア(2034年)、インド(2036年)、バングラデシュ(2043年)で減少する。2050年までには、世界の3分の2の国で生産年齢人口(20歳から64歳までの人口)が減少する可能性がある。

人口減少する世界は高齢化する。世界各地で少子化が進み、老人の人数が若者を 上回り始めている。今後何世代にもわたって、高齢化社会が常態化するだろう。 高齢者(65歳以上を指す)の人数は、あらゆる場所で急増する。

3.一国の将来像は、人口減少の先陣を切る国々、出生率が低く、平均寿命が長 い国に関する予測によって示唆されている。

韓国は、最も驚くべきビジョンを示している。現在の予測では、韓国は2050年までに出生1人につき3人が死亡する。韓国の年齢中央値が60歳に近づき、人口の40%以上が高齢者となり、6人に1人以上が80歳以上となる。2050年には、1961年に比べて赤ちゃんの数が5分の1になる。高齢者1人に対して生産年齢人口が1.2人になる。韓国の現在の出生率の傾向が続けば、韓国の人口は毎年3%以上減少し続け、100年の間に95%減少することになる。

人口減少は、慣れ親しんだ社会的・経済的リズムを根底から覆すだろう。人口の高齢化と人口減少は、豊かな国々の経済成長を妨げ、社会福祉制度を麻痺させ、繁栄の継続を脅かすだろう。

今世紀中ごろまでは、グレーになるのは欧米と東アジアの豊かな社会だけだった。しかし、近い将来、多くの貧しい国々も、高齢化社会のニーズと戦わなければならなくなるだろう。

バングラデシュの場合、2050年には人口の13%以上が高齢者になると予測されている。2050年のバングラデシュの労働力を支えるのは、現在の若者たちである。しかし、6人に5人は、近代経済への参加に必要とされる最も低い技能基準さえ満たしていない。この集団の圧倒的多数は、「基本的な質問を読んで答える」、「整数と小数の足し算、引き算」ができない。

貧しく高齢の国々は、福祉国家を建設しなければならないという大きなプレッシャーにさらされよう。また、豊かな国でも貧しい国でも、これからやってくる高齢化の波は、多くの社会に馴染みのない負担を強いることになる。認知症介護の負担は、高齢化し縮小する世界において、人的、社会的、経済的コストを増大させる。

また、その負担は家族の衰退とともにより重くなる。家族は社会の最も基本的な 単位であり、人類にとって不可欠な制度である。家族の単位がより小さくなるに つれて、結婚する人は減り、少子化が進んでいる。その結果、家族は介護の重み に耐えられなくなる。

4.移民は今日よりもさらに重要になるだろう。しかし、全ての高齢化社会が若 い移民を同化させたり、生産的な市民に変えたりできるわけではない。また、移 民全員が受入国の経済に効果的に貢献できるわけではない。特に、人口急増国に 見られるような、基礎スキルの欠如を考えるとなおさらだ。

実用的な移民戦略は、今後の世代の人口減少社会に利益をもたらすだろう。労働 力、税基盤、消費者支出を強化すると同時に、移民の出身国に有利な送金をもた らす。人口が減少する中、政府は移民獲得競争に臨まなければならず、海外から の優秀な人材の誘致にさらに重点を置くことになる。競争力のある移民政策を適切に実施し、国民の支持を確保することは大きな課題となるが、努力する価値は十分にある。

5.人口減少は、政府が国民と関わる方法を変えるだけでなく、政府間の関わり 方をも変えるだろう。人口減少は、現在の世界の勢力バランスを変え、既存の世 界秩序に緊張を生むこととなる。

未来世界はアフリカ的になる。現在、世界人口の約7分の1がサハラ以南アフリカに住んでおり、この地域の出生数は世界の 3 分の1を占めており、世界の労働力と人口に占める割合は、今後大幅に増加する見込みである。

しかし、これは必ずしも「アフリカの世紀」の到来を意味するわけではない。人 口総数だけでなく人的資本が国家の力にとって非常に重要である。この地域の若者の94%が基礎スキルを欠いている。この地域の2050年の労働者プールは大きいと見込まれているが、基礎スキルを持つ労働者の数はそれほど多くない。

インドは現在、世界で最も人口の多い国であり、少なくともあと数十年は成長を 続ける可能性が高く、2050年に主要国になることはほぼ確実である。しかし、インドの台頭は人材の脆弱性によって危うくなっている。インドには世界クラスの科学者、技術者等がいる一方で、一般のインド人は質の低い教育しか受けていない。今日のインドの若者の8人に7人は基本的スキルすら身についていない。この原因は就学率の低さと初等・中等学校の質が低いことである。

中国、イラン、北朝鮮、ロシアの連携は、米国主導の西側秩序に挑戦する意図が ある。これらの国は攻撃的で野心的な指導者を擁し、目標達成に自信を持ってい るように見える。しかし、人口動態の潮流は彼らに逆らっている。中国とロシア は長年、人口置換水準以下の社会であり、現在、どちらも労働力と人口が減少し ている。イランも同様に、人口置換レベルを下回っている。北朝鮮の人口データ は秘密だが、独裁者金正恩が昨年末に出生率について懸念を表明した。

ロシアの人口と経済力は数十年にわたって低下しており、回復の兆しは見えない。中国の出生率低下は、労働力の減少と人口高齢化の加速を避けられない。さらに、社会的セーフティネットであった大家族は衰退する。これらの現実は、中国経済に想像もできない新たな社会福祉の負担を課す前兆である。

米国に関しては、競合国と比較した場合、人口基盤は健全に見える。人口動向は 今後数十年にわたって米国の力を増強する方向にあり、米国の世界的な優位性を支えることになる。米国は人口置換水準に満たないが、東アジアやヨーロッパのほぼすべての国よりも出生率が高い。移民の流入が旺盛なことと相まって、人口と労働力は継続的に増加し、2050 年まで人口の高齢化は緩やかにしか進まない。

移民のおかげで、米国は富裕国の労働力、若者、高学歴人材のシェアを拡大する 軌道に乗っている。熟練した移民の流入が続くことも、米国に大きな利点をもた らす。

6.人口減少は予測できない方法で勢力均衡を混乱させるだろう。
(1)世界のGDPの圧倒的大部分は、人口減少に陥る国々によって生み出されている。方向転換に失敗した人口減少社会は、まず経済停滞、次におそらく金融危機と社会経済危機という代償を払うことになる。多数の人口減少国が方向転換に失敗した場合、その苦闘が世界経済の足を引っ張ることになる。

(2)国家安全保障への影響も重要だろう。自国の防衛は犠牲なしには実行でき ない。人口減少国における死傷者許容度は、予期せぬ偶発的状況に大きく左右される可能性があり、驚くべき結果をもたらすかもしれない。

ロシアのウクライナ侵攻は試練となった。両国とも侵攻前の出生率は非常に低かった。そして、独裁主義の侵略者と民主主義の擁護者の両方が、3年目を迎えた戦争で、悲惨な犠牲者を受け入れる用意があることを実証した。

人口減少と戦闘意欲に関しては、おそらく中国が最大の疑問符を呈している。一 人っ子政策ゆえに、中国軍は兄弟なしで育った若者が大部分を占めている。大量 の死傷者が出ると全国の家族に壊滅的な結果をもたらし、一族全体が絶滅することになるだろう。

中国が外国からの侵略に対して猛烈に戦うことは間違いなかろうが、犠牲者に対する寛容さは、海外での冒険が失敗する場合にはないかもしれない。中国が台湾に対して多額の費用をかけて軍事行動を決行した場合、世界は人口減少の時代に何が待ち受けているのか、悲惨な事実を知ることになるだろう。

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蛇足
香港の女性団体が4日発表した調査で、香港市民の72%が「子どもはいらない」と考えていることが分かった。調査は1〜2月に50歳未満の市民1,320人を対象に実施。子供がほしいと回答したのは28.1%で、年齢別に見ると、30〜39歳で32.8%だったのに対し、19〜29歳では23.3%だった。同団体は、晩婚化や医療の進歩による高齢出産のリスク減少が背景にあると分析している。子どもはいらないと回答した理由のトップは経済的負担だった。このほか「自由がほしい」「住宅不足」「仕事が忙しい」などの理由も目立った。
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