「トランプの関税政策」
―自動車25%追加関税―
トランプの政策は、政府関係者としっかり協議した上で決定されたものではなく、「アメリカ・ファースト」を主張するトランプの単なる思いつきによる短絡的な政策なのではないかと思われる。
民主主義国家を標榜する国が、子供を含む世界中の困難な生活を送る人々を支援するUSAIDの全面停止を決定し、1978年にカザフスタンのアルマ・アタで「世界のすべての人々に健康を」と宣言したWHOから来年度脱退を表明。また、テスラの創業者イーロン・マスクは、議会の承認もなしに閣僚会議で野球帽で発言する始末。
その上、3月28日の報道によると、自動車及びその部品に対し日本を含め25%の追加関税を4月3日より発動するという。経済オンチの筆者ですが、アメリカは、消費財を含む多くの安価な輸入製品で国民生活が維持されており、製造業の衰退はUSスチールの現状がよく表しており、現在のアメリカ経済は、限られた先端企業と金融業で成り立っているように思える。
私の拙著『紳士の「品格」3』の「中国の小話」の中に、この状況を象徴する小話があるので以下紹介します。
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中国製品を隠せ
米中貿易に因んだ話です。
アメリカのある上院議員がオフィスを出る前に専業主婦の夫人に電話し、同僚二人を自宅に招いて夕食を共にするので、家の中の中国製品を全部隠すように指示しました。
もし家に充満する中国製品を同僚たちに見られたら、自分はトランプ大統領が発動した中国に対する貿易制裁に協力せず、愛国心が低いと思われてしまう可能性があると考えたからでした。
上院議員に案内された同僚たちは、まず家の門と窓が取り外されていることを見て驚きました。さらに家の中に入ると家具も絨毯も調度品も消え、空っぽになっていることに落胆してしまいました。
そして上院議員も同僚も信じられない光景を目にしました。
なんと、上院議員夫人は一糸まとわぬ姿で三人の前に現れました……。
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この小話からも明らかなように、トランプの関税政策はアメリカにインフレをもたらすのではないかと、経済オンチの熊さんこと筆者はあらぬ心配の毎日です。