「安倍昭恵さん」
―社会貢献支援財団会長―
安倍昭恵さんが会長をされている社会貢献支援財団が第62回の社会貢献者表彰式典を12月2日帝国ホテルで開催され、日本はもとより外国でも長年にわたり社会的弱者のために日夜活動されている30の個人、団体が表彰されました。
安倍会長は日本はもとより外国で活躍する皆さんの活動現場を訪問し、激励し汗を流す現場主義を実践されておられます。当日は高熱にもかかわらず平静を装い参加者を応援されておられました。聞くところによりますと、医者と薬は嫌いだそうで、病院に行ったことも薬を飲んだこともないとのことで、前日まで三日間寝込んでおられたそうです。
どういう理由かは聞き忘れましたが、隣りの席の作家の内館牧子さんが「あなた随分スマートになられたわね!!」と男では言えないことを率直に話されておられ、いつもながら表彰内容に感動し、和気藹々のランチを楽しんでの散会でした。
安倍会長と受賞者の皆さん
以下、私の挨拶です。
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ご紹介いただきました、日本財団会長の笹川です。月並みではありますが、表彰を受けました皆さん、おめでとうございます。安倍会長を先頭に評議員、理事の皆さん、多くの申請者の中から厳正に選考いただき本日を迎えることが出来ました。皆さんの表彰に改めて感謝と喜びを申し上げます。
皆さんご承知の通り、資本主義がいきつくところまで行きついたのではないでしょうか。アメリカの成功者の中には、既にフランスの年間予算を優に上回る時価総額を記録している人々もおります。一方で貧富の格差が天文学的数字になっています。それぞれの国において、貧困問題や障害者支援、といった社会課題に行政が尽力しておりますが、全てに手が及んでいるわけではありません。日本でもそうです。多様化する社会、そして経済的な格差の中で様々な困難、生活に悩む方が沢山おられます。
こうした人をどうやって支援していくかが課題ではありますが、先に申し上げた通り行政だけでは対応できません。ここにお集まりの心ある皆さんが、草の根から「何かしなければ」と立ち上がって下さり、実践活動をしてくださっています。年2回の式典にお邪魔すると毎回素晴らしい活動をされている方がたくさんいることを知ることが出来ます。伝統的な日本人の利他の心と申しましょうか「何が出来るのか」「何かしなければいけない」という気持ちが日本人には存在するのではないでしょうか。そしてここにお集まりの皆さんは、それを実践されているのだと思います。
私は日本人全てにこうした心があるのだと思います。本年1月には能登で地震があり水害もありました。テレビで状況を見て「何かしたい」という想いをもった人が日本財団に寄付を下さいました。その人数は16万人に上ります。金額の大小ではありません。宗教的に強制されるのではなく、自主的に「何か社会のために」という暖かい気持ちを持っていることが素晴らしいことではないでしょうか。識者は「日本に寄付文化がない」ともっともらしくおっしゃりますが、そんなことはありません。ただ、こうした素晴らしい日本の心が残っている中においても、格差社会や多様化する社会では対応できないこともあります。こうした社会課題に気づき、何かしないといけないという方が増えており日本社会のために貢献されているのだと思います。世界にはもっと大変なところも多々あります。海外でご活躍の皆さんの表彰もありました。こうした日本人の暖かい利他の心を広めることで、経済援助だけではない日本に対する理解が広まっていると思います。
これからも健康に留意され活躍を願うと同時に、安倍会長からも話がありましたが、表彰された方々のネットワークを是非作り強化していただき、互いに連絡を取り合い、互いに新しい仕事のアイデアを生み出していってほしいと思います。1本より10本、100本の糸の方が強いのです。この社会貢献支援財団で表彰された方々のネットワークを作っていただき、協働の基盤が生まれ、日本、世界に対して利他の心を発揮してください。貧しい人、障害を持った人など困難を抱えた人が多くいらっしゃるのはご承知の通りで、手の届く範囲、出来る範囲でやっていくことが大切ではないでしょうか。さらなる活躍を心から願い、本日の表彰に改めて衷心より崇高な精神と活動に感謝の誠をささげます。ありがとうございました。