「みらいの福祉施設建築プロジェクト」
―決定表彰式―
日本財団が主導する、建築デザインの力で福祉を変える「日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト」にて助成が決定した団体への表彰式を行った。以下は表彰式での私の挨拶です。
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日本財団は戦後79年経過する中で、様々な日本の未来の仕組みをそろそろ変えないと若い人にとって魅力ある日本国の維持は難しくなると認識しており、これまで様々な課題解決に努力して参りました。特に、近年ではスマホが普及しており、大人そして子どもの孤立化が進んでいます。日本財団では、学校でも家庭でもない第三の居場所を設置し、異世代間の交流が出来るよう取り組んでいます。これまでに日本全国約200ヶ所に設置し、最終的には2000ヶ所以上作りたいと考えております。
同時に福祉施設の在り方についても旧来のもので良いのか、もう少し社会の中に溶け込んだ開放的で明るいものにする必要があるのではないかと考えております。お住まいの人々にとって、施設の環境は生活の上で重要ですから、新しいモデルケースを作り、旧来型の福祉施設から変わっていかなければならないという思いを強くしています。既に日本財団は、福祉車両を全国で4万台を超える寄贈しており、この数はクロネコヤマトの車両にせまる数であります。皆さん大変大事にお使い下さっており、なかには17年も整備しながら使用されているという話も伺っており、感謝している次第です。
日本財団は多様化する社会において、国や地方では様々な障壁があり改革そして改良が困難な事情がある中、社会問題を発掘して成功例を作り、国や行政に真似をして欲しいと考え取り組みをしております。日本財団は、35年前に独立型の老人ホームを作りました。独立型というのは、一人一部屋の施設を指しますが、当時厚労省の専門家から笑われたことを覚えています。当時は4人、6人部屋が普通でした。みな同じ衣服で、時間が来ないと下の世話もしてくれないという時代でありましたから、「笹川さん、一人部屋の時代は来ませんよ」とこの専門家から言われました。しかし、35年経たずして現状は皆さんご承知の通りです。こうした成功例を作った時、年間3000人の人が施設を見学にいらっしゃり、「お客さんが多すぎてお茶のサービスが出来ないのでお茶代を出してほしい」と頼まれたことを懐かしく思い出します。
今回多くの先生方、特に古谷先生を委員長にして委員の皆さんが討議され、福祉施設に設計デザインの力を合わせることで、福祉施設が地域に開かれた魅力ある場所となり、地域社会に貢献し、地域から愛され地域福祉の拠点となる新しいモデルになるような素晴らしい施設を作るべく、116件の申請の中から以下の5件が決定されました。
決定団体等一覧

医王寺会の福祉施設の配置図兼外観計画図
モノが出来ていないのに表彰するのもおかしいですが、ささやかながら表彰をさせていただきます。そして、作っていただいた施設がこれからの社会施設の新しい在り方を示すリードオフマンになっていただきたいのみならず。それに基づき行政や国が「なるほど、こうした方向に変わっていくべきだ」となるよう期待しております。