「ちょっといい話」その217
―殺人者の親に―
2013年2月、日本財団は「職親プロジェクト」をスタートした。「職親プロジェクト」では、刑を終えた人たちの再犯を防止するため、主に中小企業の経営者の参加を得て、親代わりのつもりで就労を通じて社会復帰をさせたいと願っている。近年、日本における刑法犯の検挙数は減少しているものの、再犯率は約2人に1人と上昇傾向にあり、また再犯者の70%は無職で、仕事を持つ人の約3倍に上り、更生に向けた就労支援は重要な社会問題です。法務省とも緊密な連携をとりながら「職親プロジェクト」の参加企業の増加を目指して関係者と共に努力しているところですが、現在のところ参加企業は376社で、更なる我々の努力が必要であることを痛感しています。
「職親プロジェクト」の有力メンバーである大阪のカンサイ建装工業株式会社の草刈健太郎社長は、妹が殺された悲しい経験を持つ方です。「罪を憎んで人を憎まず」と一般に簡単に話しますが、草刈健太郎社長はなんと妹を殺された犯罪被害者遺族であるにもかかわらず、「おまえの親になったるで」と殺人を含む様々な犯罪を犯した人々を、出所後に更生へと導くため親代わりの世話をされている。これこそキリスト教でいう「アガペー」、即ち、「自己犠牲的な絶対的愛」ではないでしょうか。この壮絶な過去をテレビ大阪が10年の歳月をかけてドキュメンタリー映画「おまえの親になったるで」として完成させた。
各地で上映の計画もあるそうです。素晴らしい人間の究極の愛を各地で上映されましたら、必見を願いたいものです。