• もっと見る
« 2024年03月 | Main | 2024年05月»
leprosy.jp
resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
Google
<< 2024年04月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
プロフィール

笹川 陽平さんの画像
笹川 陽平
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク集
https://blog.canpan.info/sasakawa/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/sasakawa/index2_0.xml

「がん共存療法」―臨床試験開始― [2024年04月26日(Fri)]

「がん共存療法」
―臨床試験開始―


現在、日本人の4人に一人は「がん」になると言われてる。

日本財団のホスピスナースの育成事業に協力して下さった緩和ケア医でケアタウン小平クリニックの名誉院長・山崎章郎さんが自から「がん」を患い、つらい抗がん剤治療を断念されて「がん共存療法」の可能性について研究したいとのことで、日本財団はがん患者へのホスピスナースを4000人以上養成したり、がん緩和病棟建設の経験もあり、積極的に協力させていただいている。既に小規模の臨床試験が開始されており、その成果が期待されているところである。

4月9日の日経新聞「科学の扉」で編集委員の安藤淳氏が書かれておられるので、参考までに記事全文を拝借しました。

****************

【科学の扉】


がんが怖い病気なのはなぜか。さまざまな治療薬が開発され、必ずしも「不治の病」ではなくなった。死だけでなく、痛みや抗がん剤の強い副作用に対する恐怖も大きいかもしれない。

 つらい治療を経ても、完全に回復して元の生活に戻れるとは限らない。徐々に衰弱し動けなくなる人もいる。臨床試験で「5年生存率が有意に延びた」というデータが出ても、生活の質(QOL)の向上が実現するとは限らない。

 製薬業界の人たちにこの話をすると「副作用の問題は最新の技術で改善している」と反論される。例えば、がん細胞を狙い撃ちする分子標的薬や、患者一人ひとりのがん関連の遺伝子変異を調べてその働きを抑える薬を探す「ゲノム医療」がある。

 確かにこれらは人によっては劇的な効果があり、副作用は少ない。ただ、遺伝子変異が判明しても多くの場合、最適な薬はみつからない。薬にたどり着いたとしても、開発・製造プロセスの複雑さを反映して価格は高額になりがちだ。薬の種類が増えても保険ですべて賄うのは難しいだろう。

 多くの患者は異常に増殖するがん細胞に対して毒性を示す化学物質を使う、従来の抗がん剤などに頼らざるを得ない。薬の組み合わせや制吐剤の利用などで副作用はある程度抑えられるが、個人差は大きい。抗がん剤による標準治療が効果を示さなかったり、副作用で続けられなくなったりして「完了」となるケースは簡単には減らない。

 いずれ症状が悪化すると、最後は心身の苦痛や不安を取り除く緩和ケアへと移行する。この間、なすすべもなく最期を待つのはつらい。体がある程度動き、普通に近い生活ができているならなおさらだ。

 標準治療の完了と緩和ケアの間に生じる「空白」を何とかしたい――。緩和ケア医でケアタウン小平クリニック名誉院長の山崎章郎さんは、自らがんを患い、抗がん剤による標準治療を副作用のため途中で断念した経験から痛感した。

 この空白にはしばしば「代替療法」が入る。怪しげなものもあるが、山崎さんは丁寧に調べて科学的に説明のつくものを探した。自ら試したうえで糖尿病薬のメトホルミンやビタミンD、エイコサペンタエン酸(EPA)の摂取などを組み合わせた方法を考案した。

 がんが悪化せず安定した状態の「無増悪生存期間」を延ばすことが目的で「がん共存療法」と名付けた。エビデンスを集めるため、日本財団の助成を受けて2023年1月、聖ヨハネ会桜町病院で医師主導の臨床試験を始めた。大腸がんの手術後で、肺や肝臓に転移のあるステージ4の患者7人で継続中だ。全員体調はよく、50代男性は13カ月、60代男性は10カ月無増悪が続いているという。

 効果については臨床試験を終えてからの詳細な解析が必要になるだろう。臨床試験の規模も小さい。しかし、今後エビデンスが集まれば標準治療と異なる新たな選択肢になるかもしれない。患者に寄り添った取り組みとして注目したい。
| 次へ