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leprosy.jp
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笹川 陽平
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【私の毎日】10月4日(月) [2021年10月04日(Mon)]
【私の毎日】

6:48 財団着

7:30 アルムナイ総会打合せ

10:00 「日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム」
    横田善明 丸紅(株)常務執行役員

10:45 中澤 武 国際海事大学連合(IAMU)事務局長

11:15 アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター(IUC)
    日本財団フェローシップ奨学金授与式(オンライン)

13:00 木戸浦健歓 みらい造船社長

14:00 来年度公益事業打合せ
産経新聞【正論】基礎研究強化が日本を強くする [2021年10月04日(Mon)]
一基礎研究充実が国を強靱にする―


産経新聞【正論】
2021年9月24日

 「土台のないところに家は建たない」という。基礎の大切さを教える格言である。然(しか)るに近年は、英米流の株主資本主義の影響もあって企業経営に限らず、学問の世界でも、基礎研究より短期に成果が期待できる応用研究が優遇される傾向にある。

 あらゆる応用研究は基礎研究の上に成り立つ。パンデミック(世界的大流行)となった現下の新型コロナウイルス禍で、わが国が感染防止の決め手となるワクチン開発で後れを取っている一因もこの点にある。基礎科学、基礎医学を立て直し、基盤を強化することが急務と考える。

 ≪『民』の参加で共助の精神生かせ≫
 事態は国民の生命、財産に関わる問題である。何よりも「公」の取り組みが必要なのは言うまでもない。しかし、巨額の借金を抱え国の財政が逼迫(ひっぱく)する中、すべての対策を国に求めるのは無理がある。むしろ長い歴史の中で、この国が農耕民族として培ってきた「共助」の精神を生かし、経済界を含め「民」が幅広く参加する取り組みこそ重要と考える。

 新型コロナウイルスは変異を繰り返し、いまだ未知の部分が多い。こうしたウイルスの正体を解明し、有効な対処方法を発見する手掛かりは、あらゆる可能性を想定して自由な発想で行われた基礎研究の蓄積の中にこそ、見いだされる可能性が強い。新型コロナ禍に対抗するには、応用研究以上に基礎研究が重要ということだ。

 平成15年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、10年後の中東呼吸器症候群(MERS)など頻回な感染症の発生を受け、欧米では多くの国が応用研究の傍ら、安全保障の観点から、さまざまな備えを強化してきた。

 例えばワクチン開発。国が開発資金を支援し、ワクチンを必要とする事態が発生しなかった場合、製薬会社からワクチンを公費で買い取る制度を持つ国もある。米国にはワクチンの有効性を示すデータがあり、使用するメリットがリスクを上回ると判断されれば承認前でも接種を認める緊急使用許可制度(EUA)もある。

 これに対し日本は、公的支援が薄く、巨額の開発費を要するワクチン開発は経営上のリスクが高いとして積極的に取り組む製薬会社は少ない。結果、創薬国でありながら、いまだ国産ワクチンを持たず、政府が外国からの調達に奔走する事態を招いている。

 全国86国立大学に対する国の運営費交付金の減少も基礎研究を後退させている。平成16年度に1兆2400億円だった同交付金は令和2年度には1兆800億円に減り、代わりとなる民間資金も、対象が応用研究に偏る傾向にある。

 ≪阪大に感染症研究の国際拠点≫
 文部科学省によると、平成29年から3年間に世界で発表された自然科学分野の論文のうち他の論文に引用されるなど影響が大きかった日本の論文数は世界10位。19年から3年間の5位から後退し、1位となった中国に水をあけられる結果を招いている。このあたりにも基礎研究後退の深刻な影響が出ている。

 温暖化によるシベリア永久凍土の溶解やアマゾンの熱帯林開発に伴い、未知のウイルスによる感染症のパンデミックが、今後さらに頻回に発生する可能性を多くの専門家が指摘している。このままで国民の安全・安心を守っていくのは難しい。そんな思いで日本財団ではこのほど、大阪大学(西尾章治郎総長)と協同で感染症の基礎研究に取り組む本格的なプロジェクトを立ち上げた。

 阪大は緒方洪庵の「適塾」以来の感染症研究の伝統を持つ。10年間に230億円を支援して感染症研究の基盤構築や人材育成、さらに今回のコロナ禍で見られる情報混乱を避けるための信頼性の高い情報の発信など、社会経済学、心理学も交えた多角的な研究に取り組む計画だ。

 国内外の大学や研究機関、研究者が自由に参加し、研究成果を広く世界に発信する感染症研究の国際拠点とするとともに、「民」が参加する基礎研究開発のモデルに育てたく考える。

 ≪“科学技術大国”の輝き維持≫
 ただし、こうした流れを全国的に広く作り出していくには、やはり財界の総本山である日本経済団体連合会が企業や個人に呼び掛け、国民的な盛り上がりを生み出すような試みこそ必要と考える。そうした形ができたとき、「物理学賞」や「化学賞」「生理学・医学賞」を中心に多くのノーベル賞受賞者を輩出した“科学技術大国”の輝きを今後も維持することが可能になる。

 戦後70年余、わが国は平和憲法の下で豊かな社会を築いてきた。災害大国として、しばしば大規模災害に直面したものの今回のコロナ禍のように、すべての国民が同時に感染の恐怖と向き合う事態は初めてと言っていい。

 とかく軍事面から賛否を争う傾向が強かった「有事」「安全保障」に対する国民の議論にも変化が出よう。国民を巻き込んだ基礎研究、基盤の強化は、そのまま国の強靱(きょうじん)化にもつながる。

(ささかわ ようへい)

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