「二院制は必要か」
―国会論戦の体たらく―
たまにテレビで国会中継を見て思うことがある。相撲に例えると、効果のないツッパリや小股すくいのような技ばかりが目立ち、堂々たる押し相撲もがっぷり組んだ四つ相撲もほとんど見当たらない気がする。
首相や大臣に対する質問も、品格のない下品な言葉があまりに多く、聞くに堪えない。米大統領選でのトランプ・バイデン論争も醜かったので、決して日本だけでなはいと考える人がいるかも知れない。しかし日本は日本であり、日本には礼節を重んじる良き伝統がある。
どの議員も国家・国民のために滅私奉公したいとの崇高な信念のもとに政治家になられたと思う。然るにその言動や振る舞いは如何なものであろうか。今や国会の在り方に対する国民の疑問は常態化している。
かつて私は、国会議員の定数削減を提案し、参議院は100人で十分と論じた。その後、国会審議の在り方を見て参議院不要論に転じた。
読売新聞によると、イタリアで9月20〜21日に国会議員の定数削減の是非を問う国民投票が行われ、賛成が7割に達した。この結果、上・下院合わせ945の現在の議席は2023年の次回選挙から600議席に削減され、上・下院合わせ年間約70億円の費用が抑えられるそうだ。
わが国では憲法改正の国民投票の見通しも立たない状態が続いている。国会議員削減の国民投票こそ、主権在民の意思を確認する最高の機会ではないだろうか。低迷する国会の姿にそんな思いを強くする。