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leprosy.jp
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笹川 陽平
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【私の毎日】11月12日(木) [2020年11月12日(Thu)]
11月12日(木)

0:10 ミャンマーより帰宅

9:40 財団着

13:00 「ソーシャルイノベーションウィーク」打合せ

14:20 渡邉秀央 日本ミャンマー協会会長

15:10 グローバル・アピール打合せ

15:30 南里隆弘 笹川保健財団常務理事

17:00 渋谷区主催 日本財団協賛
    「ソーシャルイノベーションウィーク」セッション
     テーマ「これからの企業と社会貢献のあり方」

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オンラインで冒頭の挨拶。
だいぶオンライン会合にも慣れてきました
「新聞報道から」その74―トイレ されど トイレ― [2020年11月12日(Thu)]
「新聞報道から」その74
―トイレ されど トイレ―

世界が注目するトイレプロジェクト

  世界から注目されているのだという。トイレである。日本財団が東京・渋谷区と組んで設置した「誰もが快適に使用できる」公共トイレのことである。

 「THE TOKYO TOILET」と題したプロジェクトは、日本財団と渋谷区が2017年10月に締結した「ソーシャルイノベーションに関する包括連携協定」の一環として、社会課題の解決を図る先駆的な取り組みとして実現した。

 それにしても、なぜトイレだったのか? トイレでなければならなかったのか?

なぜ、トイレづくりが社会課題解決に

 「公共トイレというと暗い、汚い、臭い、怖いといった『4k』で、利用者も限られていた。だったら、イメージをガラッと変えて使いづらさを解消してあげれば、利用者も増えていくだろうと考えたのです」

 プロジェクトを推進する日本財団の笹川順平常務理事によれば、“舞台”となった渋谷は文字通り「谷の街」でアップダウンが激しく、障害のある人たちには動きづらい街であった。動きづらさを解消する、つまり環境を変えることによって、もっと渋谷の街に出てくる障害者は増えてくるに違いない。「使いづらさ」をなくしていこうという発想が、「使いづらさ」の極みと言ってもいい公共トイレに行きついたわけである。

 プロジェクトでは来年夏までに、渋谷区内に17カ所、新たにデザインした公共トイレを設置する。その先駆けとして、今年8月5日から9月7日まで7カ所の公共トイレを造営した。今年だけで約7億5000万円の事業、単純に計算すれば1カ所1億円のトイレである。

16人のクリエーターの力

 完成発表には多くのメディアが集まった。日ごろは注目を浴びることなど考えもしないトイレの周囲に、時ならぬ人の輪ができた。写真が撮られ、テレビカメラが回される事態に、公園内にいた人たちが驚いた。そして、ニュースはAPやロイターなど世界的な通信社によって世界各地に配信されたのである。

 それによって世界中から渋谷区のトイレが注目されているわけだが、ただ、新しいトイレがたくさんできたからと言って注目するほど世の中は暇ではない。このトイレ群が「特別な存在」だから注目されたのである。

何が、ほかの公共トイレと異なるのか?

 17カ所のトイレ群が、世界に知られた建築家、クリエーター16人によってデザインされた「特別な」存在だからに他ならない。

 参画したのは俗に「建築界のノーベル賞」と称されるプリツカー賞を受賞した槇文彦、安藤忠雄、伊東豊雄、坂茂の各氏に新国立競技場の設計で知られる隈研吾氏など。この人たちがどんなトイレを設計・デザインするのか、大きな関心を集めたのは当然だろう。

 たとえば真っ先に完成、発表された坂茂氏の作品「代々木深町小公園」=富ヶ谷1-54-1、「はるのおがわコミュニティパークトイレ」=代々木5-68-1はなんとガラス箱のような「透けるトイレ」だ。鍵をかけると不透明になるガラスをつかい、普段は中が見通せる不思議空間である。

「トイレは宝石箱」と安藤忠雄さん

 安藤氏が設計した「神宮通公園トイレ」=神宮前6-22-8は、明治通り沿いの小公園の桜の木に囲まれている。「あまやどり」をコンセプトに、円形の棟から大きな屋根庇がせりだし、まるで東屋のよう。確かに突然、雨に降られたら庇の下であまやどりできる。安心、安全な空間を保つべく、外壁は風と光を通す縦格子が採用された。

 「話をいただいたとき、オリンピックに向けて日本の伝統でもある清潔で美しい国を世界に発信できたらと考えた。清潔であるためには、新型コロナウイルスの問題もあるし、何よりも風通しのいいトイレをつくらなければならないと思った」

 9月15日、自らの作品を視察した安藤さんは何度も「清潔」という言葉を使った。そして「宝石箱」にトイレを喩えた。

 「汚れていなければ、人は汚さない。きれいに保っていただきたい。このトイレは宝石箱。使う人は宝石だと思います」

 なるほど宝石箱、宝石か。安藤氏らしい言い回しに、トイレ文化の醸成を発信する心を思う。笹川常務理事の話す「クリエイティブの力で社会課題を変えていく存在」としてのトイレと言い換えてもいい。

見物対象になるレガシー

 トイレというと、いつも思い浮かぶのは京都・東山にある東福寺である。臨済宗東福寺派の大本山に室町時代の東司(とんす)、すなわちトイレが現存している。日本最大最古の禅宗式の東司で、内部中央の通路を挟み、左右両側に円筒の筒が埋められていた。百人の僧侶が一斉に用を足せることから「百雪隠」とも呼ばれた重要文化財だ。

 夏の青紅葉、秋の紅葉で知られるこの寺が好きで、ふと足を向けることが少なくない。行くたび外から東司をながめ、一度に百人も用を足していたのか、と思わず苦笑いをうかべるのが常だ。もしかしたら、渋谷のトイレ群は後世、そうした「見物」に耐えうる存在として語り継がれるかもしれない。

 ともあれ、関係者のもとにはインドや中国、ヨーロッパの国々から「同じデザイン」の公共トイレ設置依頼が届いていると聞く。ただ笹川常務理事によれば「クリエーターに加えて、トイレを開発しているTOTOや施工にあたった大和ハウス工業の力が整って初めてできたプロジェクト。維持管理や清掃業務の問題もあり、簡単ではない」という。

 当面は海外からの来日も制限されており、平穏な公共トイレとしての使用が続くことだろう。ただ、こうしたプロジェクトは、何となく口元が緩む話ではある。

※2020年10月5日付「BLOGOS」です。



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