「ちょっといい話」その95
−テキサス三つの誇り−
テキサス州には三つの誇りがあるそうだ。
一つ目は、海洋とあまり関係なさそうに見えるこの州が世界の海洋エネルギー開発の中心地である点だ。テキサス州では国際的な石油会社を中心に約5,000社が活動している。1969年、アポロ11号が月に着陸、人類が初めて月面を踏んだ年に世界最大の海洋石油ガスの展示会が同州のヒューストンで開催され、今年で50年を迎えた。
日本の海洋開発は残念ながら大きく遅れているが、最近、日本近海でもメタンハイドレードなどの海洋資源が確認されている。日本財団では5月1日、ヒューストンの民間技術開発共同事業体である「Deep Star」と今後の共同開発に向け覚書を結んだ。4年間で最大11億円規模、わが国の海洋開発の進歩を促したいと思う。
二つ目はメジャーリーグのヒューストン・アストロズ。昨年、ワールドシリーズを勝ち取り、アストロズファン、テキサスの人々を熱狂させた。今回、ニューヨーク・ヤンキースとアストロズ戦の始球式の名誉をいただき、大観衆の中、ワインドアップで投げたボールが見事、キャッチャーのミットにダイレクトでおさまったことを報告しておきます。
※YoiTube
少し高めに右へ逸れたものの、キャッチャーは動かずにキャッチ!三つ目。テキサス州ヒューストンはスペース(宇宙)シティーの愛称がある通り宇宙開発の中心である。アポロの月面着陸から20年後の1980年代、亡父笹川良一は、将来、宇宙空間で人が生活できるようにと、ヒューストン大学に「笹川国際宇宙建築センター」を創設した。
亡父は大阪万博で最大の目玉となった「月の石」の展示に尽力したり、東京・お台場で宇宙博覧会を開催するなど、宇宙と海洋の将来に大きな夢を持っていた。宇宙建築センターからはダンバー女性宇宙飛行士やカニンガム宇宙飛行士を輩出、現在は火星への移住計画を研究している。
今回、米航空宇宙局(NASA)の内部も視察、トゥープス氏等、優秀な教授と研究者によって大活躍している様子も知ることができた。研究室の入口にある亡父のレリーフを見て、その先見性に改めて感じ入った次第であった。
船外作業をするロボット
中継でよく見る宇宙ステーションと宇宙船が”ドッキング”箇所を通過