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resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
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笹川 陽平
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1月29日(金) [2016年01月29日(Fri)]

1月29日(金)

7:25 財団着

8:00 佐藤可士和 クリエイティブディレクター

9:30 寺島紘士 笹川平和財団・海洋政策研究所所長

10:00 「北極海航路」シンポジウム ビデオ撮り

12:30 辰己雅世子 笹川平和財団・笹川中東イスラム基金室長

13:30 畑中龍太郎 コロンビア大使

14:00 日本ベンチャー・フィランソロピー 白石智哉様

15:00 伊藤 隆 東京大学名誉教授

18:00 剣持昭司先生、ブレーン・トラスト日比谷所長

19:00 手嶋龍一 国際ジャーナリスト

「ハンセン病に関する世界宣言」 [2016年01月29日(Fri)]

「ハンセン病に関する世界宣言」


日本財団主催によるハンセン病の患者・回復者の差別撤廃への取り組みの一つ、第11回「グローバル・アピール」式典は、国際青年会議所との共催で、新装なった虎ノ門の笹川平和財団ビルに各国・各界の指導者を含め、満員の250名の参加者と共に行われた。

天皇・皇后両陛下のフィリピンへのご旅行のお見送り、そして国会への出席と超多忙の中、安倍総理ご夫妻も寸暇を割いてご出席くださり、ご挨拶をいただいて盛会裏に終了した。

下記は総理挨拶と私の挨拶です。


THINK NOWハンセン病―グローバル・アピール2016
〜ハンセン病患者と回復者に対する社会的差別の撤廃に向けて〜


2016年1月26日
於:笹川平和財団ビル・国際会議場


★総理挨拶
世界各国から参加いただいた皆様、ようこそ日本へお越しくださいました。心から歓迎申し上げます。

私は、昨年に引き続き、本年もこの集いに駆けつけてまいりました。その理由は、ハンセン病患者の方々に対して行われた重大な人権侵害を決して忘れない。また、二度と起こしてはならないからです。

ハンセン病は、感染力が非常に弱く、治療法も確立され、適切な治療により後遺症なく治る病気です。しかし、我が国では、国の不適切な隔離政策により、ハンセン病患者・回復者の方々の人権に大きな制限・制約をもたらし、また、社会的偏見や差別を助長したという過去があります。我々は、その過去、歴史を反省し、回復者の方々におわびや補償を行い、その名誉の回復や社会復帰支援などの取組を行っています。最近は、回復者の方々の高齢化が進む中、療養所における医療・介護の確保、退所者やその御家族の生活の安定が重要となっています。医療や介護の確保や支援金の充実などに取り組み、安心して心豊かな生活が営めるよう努めています。

グローバル・アピールを主導してこられた笹川会長は、ハンセン病に対する偏見や差別の解消を目指し、自ら率先して世界に赴き、ハンセン病患者の手を握り、精力的な激励を続けられておられます。また、ハンセン病治療に必要な医薬品の無料配布に向けた取組は、世界のハンセン病の制圧に大きな力となっています。長年にわたる熱心な取組に、深く敬意を表する次第であります。

私の妻も、笹川会長のお考えに賛同し、以前より、ハンセン病の差別撤廃に向けた啓発普及活動のお手伝いをいたしております。 今年のグローバル・アピールは、各国の青年会議所の賛同を得て行われます。『若者の視点でハンセン病問題から学べるもの』と題するパネルディスカッションを行われると伺っております。

我が国でも、中学生・高校生によるシンポジウムを毎年開催するとともに、全ての中学生に啓発パンフレットを配布するなど、ハンセン病に関する歴史や正しい認識を、風化させることなく、確実に次の世代に引き継いでいくための取組を進めています。

今日のこの集いを機に、全世界の人々がハンセン病について正しく理解し、考え、そして行動することで、ハンセン病に対する偏見や差別が、大きく解消されていくことを期待し、私の挨拶といたします。

DSC_4171.JPG
全員で記念撮影


★私の挨拶
ハンセン病は、人類の長い歴史の中で、病気そのものだけでなく、それに伴う差別やスティグマが人々を苦しめ続けてきた病気です。
「ハンセン病は病気よりも差別のほうが辛い」
ハンセン病を患った多くの方々がこの言葉を口にされます。ハンセン病の病気と差別の問題は、今も現在進行形の問題として、多くの人々を悩ませています。

私たちがグローバル・アピールを始めたのは2006年のことでした。当時、多くの人たちがハンセン病について誤解をしていました。ハンセン病の患者やその家族など、当事者の方々ですら、「ハンセン病は治る病気である」「治療は無料で受けられる」ということを知りませんでした。そして、「ハンセン病は治らない。患ってしまったのだからもう差別をされても仕方がない」という理由で、家から追い出されたり、離婚されたり、職場を解雇されたりといった厳しい差別を受けてきました。このような状況を改善するために、まずは患者の方々に、「ハンセン病は治る病気である」「治療は無料で受けられる」ということを伝えなければならないと思いました。さらに、患者のみならず、回復者の方々や家族、周りの人たち、そして広く社会の人々に向けて「差別をすることは不当である」ということを伝えよう。そう考えて始めたのが、このグローバル・アピールです。

このメッセージを効果的に、多くの人たちに届けるために、毎年様々な専門家の皆さまと共同で世界に向けて発信してきました。ハンセン病の患者や回復者の方々と接する機会のある医療・看護関係者の皆さまとも是非一緒に取り組みたいと思い、ご協力をいただきました。また、世界には、ハンセン病に対する差別的な法律がまだ残っていることを法律家の皆さまに訴え、そのような法律の撤廃にご賛同いただきました。

このように、それぞれの分野の専門家の方々が強い関心と責任感をもって、私たちとメッセージを共同で発信してくださったことで、グローバル・アピールは広がりをみせてきました。

多くの皆さまからのご支持に後押しされ、7年の歳月をかけて働きかけてきた国連においても、2010年に「ハンセン病差別撤廃決議」が採択されました。これにより国際社会がハンセン病の差別の問題に取り組まなくてはならないという機運が高まったことは、ひとえにハンセン病の差別問題に強いコミットメントを示してくださった皆さまのおかげだと感謝しております。

昨年のグローバル・アピールでは、初めて、ここ日本からメッセージを発信しました。日本では現在、ハンセン病を患う人はいません。そのため、ほとんどの人は、日常生活においてハンセン病との接点がありません。過去に起こった厳しい差別についても知りませんし、未だに残る偏見のために、何十年も家族のもとへ帰ることができずにいる人の存在についても、全くといっていいほど知る機会がありません。そこで昨年は、グローバル・アピールに併せて、ハンセン病について知り、考える機会をつくるため、世界各国に残るハンセン病の療養所や回復者の方々の状況をおさめた写真展、ハンセン病の書籍の朗読会、講演会なども行いました。

このような機会を通じて、ハンセン病のことを知らなかった若い人たちからも、「ハンセン病についてもっと知りたい」「ハンセン病について知るべきだ」というような声が多数寄せられました。

一方、若いボランティアの中には、海外のハンセン病の患者や回復者の方々が暮らす集落を訪れ、彼らの生活を助ける活動をしている人たちもいます。このような若者たちの活動に加え、昨年のグローバル・アピールを通じて、ハンセン病について何も知らなかった若い人たちが関心を寄せてくれたことに勇気づけられ、私は引き続き、「若い人に訴えていきたい」という想いを強くしました。

今年は国際青年会議所の皆さまと共に、世界の若い世代の人々に向けてメッセージを発信することにしました。未来を担うビジネスリーダーである国際青年会議所の皆さまは、社会課題に対して熱心に取り組んでいらっしゃいます。皆さまがハンセン病の差別の問題に積極的に協力してくださったことに、あらためて心から感謝を申し上げます。この機会に、それぞれの国や地域で、ハンセン病の差別について考える機会が広がっていくことを期待しています。

国際青年会議所の皆さまに加え、これまでグローバル・アピールに協力してくださった方々が、継続してコミットメントを示してくださっていることも非常に心強いことです。

本日は世界医師会、国際看護師協会、国際法曹協会、国連人権理事会諮問委員会、そしてインドの国会議員の皆さまが、私たちの活動を応援するために駆けつけてくれました。その情熱にあらためて感謝すると共に、このように皆さまの輪が広がっていくこと。それが、ハンセン病の差別と向き合うための大きな力になると信じております。

そして、病気を克服し、不当な差別と闘っている回復者の皆さま。
差別に立ち向かう勇気、そして闘いを続ける不撓不屈の精神は、私たちに人間の持つ強さ、寛容さを教えてくれます。皆さまが力を尽くされている姿に心より敬意を表し、エールを送りたいと思います。

グローバル・アピール2016では、国内各地での写真展やシンポジウムなどを行います。また、海外では、国際青年会議所や回復者の方々とハンセン病について考える機会を計画しています。

この機会を通じて、一人でも多くの方にハンセン病について考え、向き合っていただきたいと思います。

皆さま。力を合わせ、ハンセン病の差別という大きな問題の解決に向けて、共に立ち向かっていこうではありませんか。

ありがとうございました。

*************


グローバル・アピール2016 宣言文
原文・英語


ハンセン病に対するスティグマ(社会的烙印)と差別をなくすために

ハンセン病は古くから身体に変形を起こす不治の病として世界中で恐れられ、神の罰とさえ考えられてきました。ハンセン病を患った人々は、長い間厳しい差別や不平等に苦しんできました。

有効な治療法が確立され、ハンセン病は今では完全に治る病気となりました。治療薬は世界中どこでも無料で手に入ります。早期発見と早期治療により、後遺症も防ぐことができます。

しかし、ハンセン病に対する差別やスティグマは根強く残っています。患者や既に治療を終えた回復者、そしてその家族でさえも、教育、就職、結婚など様々な社会参加の機会を制限され、不当な扱いを受けています。

迷信や誤解がこうしたスティグマを生んでいます。ハンセン病に対する誤解を解き、スティグマや差別をなくすためには、人々が病気に関する正しい知識を得ることが必要です。

国際青年会議所は、それぞれの地域が抱える課題への解決策を追求することによって、持続可能なインパクトを地域社会に生み出す若き能動的市民の主導的なグローバル・ネットワークです。

私たちは、国際青年会議所が擁する世界中のネットワークを通じ、ハンセン病を理由とする差別が不当であることを訴え、こうした差別と闘います。

次世代を担う子どもたちに正しい知識を伝え、差別を撤廃するための活動を支持します。

ハンセン病患者と回復者、そしてその家族が差別から解放され、彼らが内に秘めた可能性を発揮するこができるよう、他の人たちと同等の機会を得ることができる社会の実現を目指します。



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