「イベントの責任者は刑務所へ」
―中国の場合―
中国では急速な経済成長と軍備増強の中、国威発揚のために北京オリンピック、上海万博をはじめとした大規模なイベントを各地で開催してきた。
その中で、イベントの開催責任者である行政の責任者(共産党幹部)は、次々と刑務所の中に消えていった。
思いつくまま書き記して見た。
2008年の北京オリンピック。
前の組織委員会委員長の陳希同氏は、汚職罪で1998年に16年間懲役刑に服し、2013年6月に病死。
華々しく開催された北京オリンピックの裏側では・・・
2010年の上海万博。
上海市長で前の万博誘致委員会委員長の陳良宇氏は、2008年に収賄と職権乱用で懲役18年の実刑。
2010年のアジア競技大会は広州で開催。
前の市長の万慶良氏は、2014年に汚職疑惑で逮捕され、党籍剥奪の上取り調べ中。
2011年のユニバーシアードは深圳で開催。
元深圳市長で誘致委員会委員長の許宗衡氏は、2009年に取り調べられ、2011年に2年猶予付きの死刑判決を受け、刑務所の中にいた。
2014年のユースオリンピックは南京で開催。
元南京市長で誘致委員会委員長の季建業氏は、2015年に収賄罪で懲役15年の判決を受けた。
さて、2022年には冬季オリンピックの開催が決定しており、刑務所の中にいる関係者たちは、今度は誰の番になるかとひそひそ話をしています。
「冬季オリンピックの開催地は河北省の張家口市だ。しかし、河北省の周本順党書記は、既に重大な規律違反で取り調べ中だよ。」
「そういえば、今度の青年国体は福建省で開催されるんじゃない? 開催前に省庁の蘇樹林氏も重大な規律違反で取り調べ中だよ。これは、イベントにはリスクが付き物で、主催者側は慎重に行動しろとのことで、共産党中央規律委員会からの警告だね。」