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leprosy.jp
resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
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笹川 陽平
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11月30日(月) [2015年11月30日(Mon)]
11月30日(月)

7:35 財団着

8:00 日本財団の認知度調査結果説明

9:30 宮一穂様 京都精華大学教授

10:30 社会貢献者表彰式典 挨拶

13:30 等級評価委員会

14:30 菅井明則 笹川平和財団常務理事

15:00 伊藤 隆 東京大学名誉教授

18:00 小高幹雄 ボートレース振興会会長
「国際海事機関(IMO) 国際海事賞 授賞式」―記念スピーチ「次世代に海をつなぐために」― [2015年11月30日(Mon)]
「国際海事機関(IMO) 国際海事賞 授賞式」
―記念スピーチ「次世代に海をつなぐために」―


2015年11月23日
国際海事機関メインホール(英国・ロンドン)
日本財団 会長 笹川陽平


国際海事機関(IMO)の総会で『海の人材養成』が評価され、賞をいただいた。

これは長年にわたり、日本財団の海野光行常務理事や、笹川平和財団・海洋政策研究所の寺島紘士所長、工藤栄介参与らの努力に負うところ大である。特に工藤氏は、笹川奨学生の同窓会強化に尽力され、まさに父親のように彼らから尊敬されている。25年以上にわたる努力の結果、今や、笹川奨学生はIMOでも一大勢力となり、政府高官にまで上り詰めた人も多い。私も各国訪問時には可能な限り時間を作り彼らに会うことを楽しみにしている。

G全員でチーズ!.JPG
笹川奨学生と記念撮影
ハイ、チーズ!


したがってこの権威ある賞は、前記記載の諸君や関係教育機関の皆様の努力の成果であり、役職上、私が代表として受賞したにすぎない。

以下は少し刺激的ではあるが、300年、500年、いや1000年後の人類の生存を考え、長年の海に対する思いを述べてみた。850人以上の関係者で大ホールは満席で、海の将来をこれほど深刻に考えている人がいるのかと、おおむね評価をいただいたことは、今後の私の発言と行動に少なからず自信をいただいたことになる。

D約850人で埋め尽くされた会場.JPG
会場は約850人で埋め尽くされた


*****************


C授賞式でのススピーチ.JPG
授賞式でのスピーチ


ご来場の皆さま、国際海事機関(International Maritime Organization : IMO)国際海事賞受賞式において、皆さまとお会いできることを、私は大変嬉しく思います。

この場をお借りして、パリで起きた同時テロでの犠牲者とご遺族の方々に対して、心よりお悔やみを申し上げます。

IMOが行ってきた海上安全の維持や海洋汚染の防止に対する多大なるご尽力に深く敬意を表します。実際、世界の物流の90%以上を海運が占めると言われており、IMOが果たしてきた重要な役割は高く評価されるべきものだと思います。

この栄誉ある賞は、私一人ではなく、世界131カ国1,099人の笹川・日本財団フェローの皆さま、フェローを大切に育ててくださったパートナー機関の皆さまと共に受賞したものだと考えております。本日この場において、謹んでお受けしたいと思います。

振り返ると、私たちが海洋分野の人材育成プロジェクトを開始したのは1980年代でした。当時、グロティウスが唱えた「海洋の自由な利用」という考え方は既に終わりを告げ、各国の管轄権の及ばないエリアに存在する海洋資源の利用と管理については「人類の共同財産」であるという原則を適用する国連海洋法条約(The United Nations Convention on the Law of the Sea :UNCLOS)が採択されていました。

グローバルな海洋管理を促進できる人材が特に途上国において不足していたため、日本財団は世界海事大学(WMU :World Maritime University)、国際海事法研究所(IMLI :International Maritime Law Institute)などの教育機関と連携した「海の世界の人づくり」事業を開始しました。私たちのネットワークは1,000人を超えますが、今後もますます拡大していきたいと考えています。

近年、海を取り巻く問題は多様な原因が複雑に絡み合っていることも事実です。このような問題に取り組むにあたり、包括的な視野を持って問題解決にあたる専門家も必要になってきました。

そこで日本財団は、総合的な視野や知識を持つ海洋分野の専門家育成にも力を入れております。最近では、ケンブリッジ大学やプリンストン大学など世界の6大学をパートナーとし、気候変動、海洋政策、生物多様性、漁業、海洋資源経済学、国際海洋法など多分野の専門家が連携して、海の未来の状況を予測しようというプログラムにも着手しました。海を次世代に引き継ぐために、包括的でグローバルなビジョンを持った人材育成を今後も継続していく決意を新たにしています。


皆さま、私は、海の危機が今までになく深刻さを増している事実を強く懸念しています。

少しの間、私の懸念についてお話しさせていただきます。

海洋生物資源の乱獲によって、生態系のバランスが崩され、この40年間で世界の海洋生物の個体数は50%も減少したと言われています。気候変動は大規模な自然災害をもたらし、地球上の生物に大きな影響を与えるかもしれません。

海の酸性化はサンゴ礁などの生物に多大なダメージを与えています。また、海面上昇は南太平洋の島国の人々の生活を脅かしています。

新しく発見された海底資源の開発は、深刻な法的・政策的な問題を投げかけています。海全体の3分の2を占める公海の管理という課題もあります。海洋権益の争いは「人類の共同財産」の原則を脅かしています。

各国が権利を主張し合い、利害が衝突するなか、一つの共同財産であったはずの海は分割され、もはや一つではなくなってしまいました。私たち自身も、未来に引き継ぐべき海の資源を奪うことに無意識に加担しているかもしれません。

海の危機は一層深刻さを増しています。その上、それは私たちの気づかないところで静かに広がってきています。さらにその危機は、放置されたままになっています。私たちが今、海を取り巻く課題と向き合い、一刻も早く有効な対策をとらなければ、いずれ人類の生存そのものが脅かされる時代が来るでしょう。

国連海洋法条約が海事活動の法的な枠組みとして、国際的な秩序の維持に大きな役割を果たしてきたことは十分に認識しております。しかし、社会や自然環境が変化し、以前には想像もしていなかった問題が生まれてきました。私たちは既存の国際機関や枠組みでは十分に対応し切れないことを認識する必要があります。
今こそ、海の問題解決に向け、海洋管理の新しい枠組みが必要です。この新しい枠組みは、単に現状の問題を解決して海を未来の世代に引き継ぐだけではありません。これは、海に起こる変化に対応しつつ、将来の世代に希望を与え「海の未来をデザインする」枠組みです。そのために、私は海洋管理の問題に総合的かつ統合的な視点から取り組むグローバルな組織が必要だと考えています。

ここにいる多くの皆さまは、この懸念を共有し、責任を持って海の未来について考え、適切な行動をとってくださると感じています。若者たちの中にも、今日の海が放置できない状況におかれていることをよく認識している人たちがいます。このことに私は大変勇気づけられています。今後、統合的な海洋管理を牽引する枠組みが創設され、私たちが育成した若い専門家の方々と共に、迫りくる危機を乗り越え、次世代に豊かで美しい海が引き継がれていくことを願っております。
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