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笹川 陽平
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6月18日(水) [2014年06月18日(Wed)]
6月18日(水)

7:30 財団着

10:00 広渡英治 日本吟剣詩舞振興会専務理事

10:30 今 義男 海洋政策研究財団理事長

12:00 冨永重厚 笹川日仏財団理事長

17:30 奥村裕一 東京財団理事

19:20 麻生 泰 (株)麻生会長
「イスラエル・パレスチナ問題」その1―民間神風外交 ペレス大統領と会談― [2014年06月18日(Wed)]
「イスラエル・パレスチナ問題」その1
―民間神風外交 ペレス大統領と会談―


6月11日、ヨルダンの首都アンマンにおいて、第6回『WANA(West Asia North Africa)フォーラム』が日本財団の支援で開催された。

チェコの故ハヴェル大統領とホロコーストの生き残りでノーベル平和賞受賞者のエリー・ウィーゼル、そして私の三人ではじめた『フォーラム2000』会議は、プラハで17年間にわたって開催され、世界の各界の指導者に参集願って時宜を得た国際問題を議論してきた。

この会議をヒントに、『フォーラム2000』会議に参加されたヨルダンのハッサン王子を朝食に招待し、中近東にもこの種の議論をするプラットホームを作ってはとの提案に賛同いただいて開催することになった『WANAフォーラム』も今年で6回目を迎え、『民主主義と法』をテーマに議論された。

日本出発直前の8日、フランシスコ・ローマ法王の仲介で、イスラエルのペレス大統領とパレスチナ暫定自治政府のアッバス大統領がバチカンで中東平和を訴える合同祈願に参加したとの報道があった。ケリー国務長官の11回にわたる仲介工作が失敗に終わったところでもあり、法王の仲介は和平交渉の停滞を打開するきっかけになるのではとの推測もあった。その様子を知りたいと、WANA開会式での挨拶終了後、直ぐにエルサレムの大統領官邸16時必着を目指して11時にアンマンを出発した。

ヨルダン・イスラエルの国境通過は、検問が世界で最も厳しいところである。在ヨルダン日本大使館と在イスラエル日本大使館の見事な連携プレーなくしてこの会談は不可能であった。まずはご協力に御礼申し上げたい。大統領官邸の警備は相変わらず厳重で、ペースメーカーを埋め込んでいる私は、埋め込み場所を確認するために肌を露出せざるを得なかったほどだ。

ペレス大統領とはプラハの『フォーラム2000』国際会議以来、たびたび面談の機会を得ている。第9代、第12代の首相を務め、その後、第9代の大統領に就任し、7年間の任期を今年の7月15日に迎える。現在、与野党の政治家は勿論のこと、国民からも最も尊敬される政治家として再任を望む声が強かったが、本人は、法律で決定したルールを簡単に変更することは良くないと固辞した。イスラエルの大統領は直接選挙ではなく、議会から選出されるので象徴的な存在ではある。しかし、それでもペレス大統領の存在は別格であった。今後も別格の存在としてパレスチナとの和解に発言権があることに変わりはない。ただ、7月から大統領に就任するレウベン・リブリン大統領、それにベンヤミン・ネタニヤフ首相、アビグドール・リーベルマン外務大臣と、三人揃って右派であり、ガザ地区への締め付けを強化していることは、今後の和平交渉の見通しを暗いものにしている。

当年91歳のペレス大統領は、バチカンから帰国したばかりにもかかわらず元気そのもので会談に応じてくれた。

ペレス大統領.JPG
ペレス大統領


―以下は会談内容―

アッバス大統領の印象について質問したところ、
「公平無私(fair-minded)の人物であり、私は彼のことを信頼している」と発言した上で、
「自分とアッバス議長は、平和的な解決のための合意書に署名している(signed an agreement for the peace process)ので、イスラエル・パレスチナ間の問題解決には、平和的な手段以外ありえない。
バチカンでは、ローマ法王同席の中、アッバス議長と共に祈りを捧げた。ローマ法王が退席した後も、自分たちは残って話をした。
イスラエルとパレスチナは文化的な背景が異なるのは当然である。こうした違いを踏まえて対話を継続することが重要である。
民主的な社会とは、意見が異なるということだけを理由に相手を罰することを行わない社会である。異なる意見を平等に尊重して初めて平和的な社会を実現することができると信じている。」

笹川の「ケリー国務長官による和平プロセスが行き詰まりを見せている中、今後、和平プロセスは再開されるのか」との質問に、ペレス大統領は
「和平プロセスについては、両国の指導者がこれをサポートして、正しい判断を下すと信じている。
自分の大統領在任中にも、政府部内で閣僚間に意見の相違が見られた。また、閣僚から自分に対する批判もなされた。自分が大統領として十分な役割を果たすことができたかどうかは分からないが、良い指導者とは、部下に命令を下すのではなく、部下が自発的に活動するのを奨励できる人間を指す。指導者は、自分のためではなく、どうすれば人のために自分が動くことができるかを考えることのできる人間である。」

笹川は、安倍政権の『積極的平和主義』外交を紹介しつつ、「イスラエル・パレスチナの問題に対して、日本としてどのような役割を果たすことを期待するか」との質問に対しては、
「日本政府は、今まで、パレスチナに橋の建設やジェリコ農産加工団地建設、その他、人道支援や農業支援などの多様な領域で支援を行ってきた。これは高く評価している。
現在、パレスチナは、25歳以上の人口が60%を占めており、今後、急速な人口拡大が見込まれる。たとえば、人口が5倍になったのに経済が成長しなければ、貧困層が4倍になる計算となる。
この問題を解決するためには、政府や国際機関の援助だけでは不十分である。Start-up Nationとして、ハイテク分野を中心とした起業支援が重要だろう。中小企業をターゲットにし、可能であれば、学生のインターンなども入れて、若い世代が起業を担うのを支援することが重要である。特に、スマートフォンなどを通じたインターネットへのアクセスを確保すれば、若い世代に大きなチャンスをもたらすだろう。
この点で、日本企業の貢献に期待している。日本企業は、IT技術やスマートフォンなどの情報コミュニケーション分野で資金と技術を持っている。ぜひ協力をお願いしたいし、そのために自分は仲人(match-maker)として積極的に貢献していきたいと考えている。
テロは、蚊のようなものである。いつも血を吸おうとまとわりついてくるが、銃を使って蚊をすべて打ち落とすことなどとてもできない。蚊が増えないような環境を整備する方がよほど効果的である。こうした観点からも、若い世代をターゲットにした起業支援は重要である。」

最後にペレス大統領より、「日本、イスラエル、パレスチナの協力においては官民のパートナーシップ、次世代の育成、科学技術の活用が重要である」との指摘があり、笹川も同意した。これを受け、双方で引き続き意見交換を行いつつ、引き続き協力していくことで一致した。
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