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leprosy.jp
resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
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笹川 陽平
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6月4日(水) [2014年06月04日(Wed)]
6月4日(水)

10:30 WANAフォーラム スピーチ打合せ

13:30 菅原 茂 気仙沼市長

14:00 東京財団理事会

16:00 齋木昭隆 外務省事務次官
「日本財団 これからの50年」―職員の皆さん、共に奮起しましょう!― [2014年06月04日(Wed)]
「日本財団 これからの50年」
―職員の皆さん、共に奮起しましょう!―


日本財団の仕事は、日本という成熟社会の中での社会課題を見つけ、解決していくことです。我々は政治家、官僚、学者、メディア、NPOなど、様々なネットワークを持っています。課題を見つけ、各分野の方々に参集していただき、異分野の方々との議論を通じて新しい化学変化を起こす触媒の役割を果たしたいと考えています。そして、化学変化による結論を、実践行動により具体的に世の中に働きかけることが重要です。日本財団という組織を課題解決のプラットフォームにしようではありませんか。

ダーウィンはガラパゴス諸島でのフィンチ(鳥の名前)の研究をヒントに、有名な進化論を発表しました。その中で「強いものが生き残るのではない。賢いものが生き残るのでもない。変化するものだけが生き残るのである」と言っています。これは人にも組織にも言えることです。日本財団は今後、ソーシャルイノベーションのハブとして活動して参ります。そのためには人も組織も絶え間なく変化し続けることが重要なのです。

日本財団は、他団体に助成するだけでは不十分だと感じています。我々が自ら課題を発掘し、具体的に解決策を見つけていくことにより、より一層社会に貢献できるのではないでしょうか。最近では皆さんの努力により、手話を言語として認めてもらう活動、特別養子縁組問題、再犯防止活動、犯罪被害者全国組織の育成・支援など、国際的には人道活動を中心に教育、医療、農業、人材育成など、その活動は多岐にわたり、また、先進国とも様々な国際会議を開催して相互理解の促進、国際協力の一翼を担ってもいます。

福沢諭吉は文明論の概略の中で「世の中の大きな変革は常に少数意見からはじまる」と書いています。単に国民多数を満足させる大向う受けを狙ったポピュリズムからは本当の大きな変化は望めません。毀誉褒貶(きよほうへん―ほめたりけなしたりすること)は世の常です。恐れることはありません。「変化」には批判が多く、時には痛みを伴います。批判されたことは後退ではなく前進していると捉えなくてはいけません。物事が何となく上手くいっているからといって現状に留まり、ぬるま湯に浸って変化しないことこそ後退していると捉えるべきです。

今、私たち日本財団が起こすべき変化の一つは「企業との連携」です。日本財団は東日本大震災において被災地の復旧・復興に携わり、その取り組みは多くの方から賛同と評価を得ました。しかし、社会にさらなるうねりを起こしてソーシャルイノベーションの輪を広げていくためには、企業との連携が重要です。企業のCSR活動のさらなる活性化を支援し、企業からは日本財団の活動への理解が得られるようにならなければなりません。

もう一つは国の資金の活用です。ここ数年、金融庁、復興庁、厚生労働省、JICAなどと連携を深めています。民が公の仕事を補完すべき分野は数多くあります。こういった公的資金も今後、より導入して活用していきたいと考えています。

しかし、これらの公的資金を活きたお金として活用できるのも、私たちにボートレースからの交付金という自主財源があるからです。我々が自らのミッションをしっかりもって仕事ができる所以でもあります。ボートレースの創設者が、民が公をサポートするという仕組み、民が民を支えるという仕組みを、先見性を持って50年前に未来志向の組織として作られたことは、何と素晴らしいことでしょうか。

日本財団の一番の財産はここにお集まりの皆さん方です。職員の力で自由闊達に仕事ができる土壌を大切にしたいと思います。この組織は年功序列に関係なく、自分自身で考え、1億円規模のお金を活用して練り上げたプロジェクトを実現することが可能なわけです。ただし、大きな責任を伴うことも自覚してください。ただ、この責任を重荷と捉えるのではなく、自分たちで見つけ出した社会の変化による課題解決のために活用できる、世界でも数少ない組織で働いていることを自覚し、誇りを持って仕事をしていただきたいのです。

しかしこの誇りがひとつ間違うと高慢な考え、態度となって表れてしまうことがあります。気をつけなければいけません。日本財団はどこまでもサービス業です。頭を低く、謙虚な姿勢で仕事をすることが大切です。資金を必要とする全ての方を支援できるわけではありません。職員のちょっとした言葉遣い一つでも、横柄な組織であると受け取られてしまいます。支援・協力できなかった理由や、次の申請での改善点を懇切丁寧にお伝えするためには、目配り、気配り、心配り、サービス業であることを忘れてはいけません。私たちは常に批判を受ける立場にあるということを自覚し、支援を望まれるお客様への誠実な対応を今後も心がけてください。

次の50年で、民の力で民を支える分野の成功モデルを作りましょう。そのチャレンジを皆さんと共に進めていきたい。そのためには、これまでの仕事の仕方で良いのでしょうか。これから組織も変わっていくでしょうし、働く我々も常に勉強して進化する必要があります。変わらなければ未来志向への対応はできません。より良い事業を生み出すには世の中の動きを俯瞰して、多角的、多面的に考える能力が必要とされます。そうなるためには、専門知識以外の分野の知識を学ぶことが大変重要です。幅広い知識を持つための努力を怠ってはいけません。皆さんはプロフェッショナルなのですから、自らを鍛えるのは自らでなければいけません。

3年前、皆さん方に年に30冊の本を読んでくださいということをお願いしました。その中に時代の風雪に耐えた名著といわれる本を、少し努力して読んでほしいのです。ハウツー本のようには日常的には役に立たない、また興味をそそらない本を積極的に読んでほしいのです。そのことによって、今まで気づくことのなかった視点から物事が見られるようになったり、新たな感慨や発想が生まれてくるからです。1冊でも2冊でも読んでいただければ、それは魂の、あるいは心の栄養になります。あえて75歳後期高齢者になった私から皆さんに苦言を呈するとすれば、皆さんは頭で考えている。心で考えるようにならないといけません。心で考えるようになるには、心に栄養分を与える本を読まないといけません。心や魂に栄養分を与える本を読んでいただければ、20代でも30代でも幅の広いすばらしい人になれると思います。

変化を生む、つまり行動を起こす際に懸念されるのは、知識の不足です。私自身、行動することに何より力点をおいてきたため、知識の蓄積を多少怠ってしまったという反省があります。ただ、評論家の小林秀雄が残した「知識は勇気の僕(しもべ)である」という言葉には少しだけ救われました。これは噛み砕けば、何よりも行動することが重要で、知識はその行動を起こすための手段にすぎないという意味です。知識の蓄積があった上で行動できればなお良いということです。知行合一といいます。経験、体験に基づく知識こそ、最も大切ではないでしょうか。

休日の多い日本は、2013年には17日もの祝日と毎週の土曜日曜を合わせて121日、年末年始などの休暇を加えればそれ以上の日数がお休みです。この休日を使って仕事で疲れた体を癒したり家族との時間を持つことは勿論大切ですが、ぜひ、自分自身を磨くための時間を持ち、積極的に読書に励んでいただきたいと思います。

日本財団がイノベーションのハブになるためには、あらゆることに好奇心と問題意識を持って大胆に仕事に取り組むことが必要です。24時間365日、プロフェッショナルとして失敗を恐れず、百の議論も必要ですが、現場主義に基づく迅速な活動こそが日本財団のポリシーなのです。
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