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11月20日(水) [2013年11月20日(Wed)]
11月20日(水)

8:00〜9:00 「語り場」日本財団職員との対話

9:00〜10:00 「語り場」日本財団職員との対話

10:00 「ママカレッジ」

10:20 宮本正顕 笹川アフリカ協会常務理事

13:00 富永重厚 日仏財団理事長

13:30 「ハピママ公式マガジン」対談取材 

16:00〜17:00 「語り場」日本財団職員との対話

17:00〜18:00 「語り場」日本財団職員との対話

18:30 青木 剛 JOC専務理事
「福島原発 放射線1ミリシーベルト問題」その2 [2013年11月20日(Wed)]
「福島原発 放射線1ミリシーベルト問題」その2


一昨日に続き、標題について書いてみたい。

重ねて申し上げますが、これは原発是か非かではありません。原発事故によって発生した放射線による被災者の健康問題に限定しての話です。

放射線には内部被ばくと外部被ばくがあります。内部被ばくは、放射線に汚染された食物を摂取することにより体内に放射線が蓄積されることによる健康被害で、福島の場合はほとんどありませんでした。

問題は外部被ばくです。土地や建物、あるいは空中に存在する放射線の被ばく量が1ミリシーベルト以下にすることが被ばく者の健康維持上必要とされたのです。これが如何に実現不可能な数字であるかということは、以前のブログで記したように、インドのケララ州では自然の放射線が20ミリシーベルトもありながら住民の放射線による健康被害のないことで説明しましたし、今回の1ミリシーベルトに固執する必要のないことは、国際原子力機関(IAEA)も表明しているのです。

11月12日の日経新聞は
『除染、現実路線に、規制委が線量基準案、「1ミリシーベルト」は長期目標』
との見出しで、現実困難な目標を掲げた民主党政権時代から、現実路線への軌道修正が急ピッチで進んでいるとの記事を掲載しました。

2年半が経過し、やっと現実的な対応が可能となってきましたが、これらのことは避難されている方々には何の意味もありません。原発安全神話が崩壊した事故発生時の恐怖心と、それを煽動するがごとき嵐のような報道の海によって刷り込まれた被災者の体験は、一朝一夕には解消しません。今、被災者にあるのは、国や行政に対する不信感だけです。

日本財団が放射線専門家を集めて開催した国際会議『放射線と健康リスク』では、終了後の記者会見で、出席者の一人が「チェルノブイリに比べ福島の現況は限定的で、被ばく線量も低く、怖がる必要は全くありません」と断言し、「最大の悲劇は被災者が不安から故郷を離れることです」と明言されました。

今、我々に必要なことは、一日も早く、一人でも多く、故郷に戻ってもらうための説得と説明であり、帰郷の日時を明確にして希望を持ってもらうことです。

事故発生から2年半が経過し、ようやく冷静な報道も見られるようになってきました。東海道新幹線の車内広報誌「WEDGE」11月号で、『「福島の避難者が見たチェルノブイリ』と題し、避難者がチェルノブイリの現場で見たこと、考えたことが密着レポとして特集されていました。この記事のなかにこそ問題解決の鍵がありそうです。
参考までに一部抜粋しました。

******************


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放射能より問題だったこと

ウクライナ放射線医学研究所の医師たちも、避難による家庭崩壊や失職、精神不安、不正確な情報を拡散する報道などによる社会的影響が深刻で、「日本で繰り返してほしくない」と指摘した。

一方で、福島の人びとが注目したのが、ウクライナで、避難者や汚染地域の住民に、心疾患や精神疾患などの慢性的疾患の増加が確認されているという情報だった。国際的に放射線被曝との科学的な因果関係は認められていないが、帰還を目指す福島の人びとにとって気になる情報だ。

ひとつはっきりしているのは、ウクライナの研究者が、経験値的に危険視している放射線量のボーダーラインが、日本のそれとは桁違いに高いことだった。

こんな質疑があった。浪江町出身の鈴木さんが「ホールボディカウンターで、自分はND(検出限界未満)ですが、知人に全体重で300〜400ベクレル出ている人がいます。健康影響は考えますか?」と聞いた。

「もう一度、量を言って下さい。え? 300? それはまったく心配いりません。私たちが気にしているレベルは30000ベクレルです。ウクライナでは95年ごろから内部被爆量が再上昇する住民が増えました。90年代前半の経済悪化で汚染地のものを食べなければならなくなった人々が増えたからです」。加えて、白内障や精神疾患を心配する外部被爆量は200〜300ミリシーベルト(以下m Sv)あたりだと言うから、これも日本の測定結果よりはるかに高い。

また、ウクライナと比較する際に、空間線量だけに注目するのは適切ではない。ウクライナでは、外部被爆より、内部被曝の与えた影響が大きかったからだ。食品物流がコントロールされ、さまざまな調査で最近の内部被曝は検出限界以下が99%以上という福島とは多く異なる。

ウクライナ農業放射線学研究所のカシュパロフ博士は、キノコやベリー、牛乳による内部被曝が多かったことを説明しつつ、牛の餌に顔料プルシアンブルーを混ぜてセシウムを排出させたり、特別な調理法でキノコのセシウム濃度を下げたりといった汚染地域での暮らし方を解説した。

「プルシアンブルーを使うと、人が肺がんになる可能性があるという話をきいたんですが」

この質問に、カシュパロフ博士は苦笑いしながら答えた。「世界中の研究を見ているが、そんな話は聞いたことがない」。一呼吸おいて博士はこう言った。「記者は一般的に学術的知識が低い。知識が浅く確認せず書く。ウクライナでもそうです」。

西本さんは博士に言った。「私たちの知人には酪農家がたくさんいます。牛を手放しみな苦しんでいます。牛を殺されて自殺した人もいます。今日のような情報があれば、救われたのではないでしょうか」

「私には何も言えません。ただ言えるのは、食品基準を決めるのはいいが、厳しすぎると必ず農家や酪農家に影響を与えるということです。日本の食品基準は、ウクライナが20年かけて厳しくしていった最後の基準より厳しいです」。会場に重い空気が流れた。

チェルノブイリの情報に触れた福島の人びとの議論は白熱した。「被爆量がかなり違う」「放射線の影響なのか、避難や家族との分断による影響なのか・・・」「家庭環境の状態が悪いと、世代を超えて精神疾患が連鎖したりするだろうね」――。

こんな意見も出た。「いくら大丈夫と言われても、僕は子どもは連れて帰れない。何かあったら、と思うと・・・」。議論は夜中まで続いた。帰還か避難か移住かを強制することはできない。しかし、日本の空間線量、内部被曝量が、チェルノブイリよりはるかに低く、きちんと把握されていることは確かだ。帰れるエリアも少なくないはず。インフラや住居、仕事があり、健康管理の仕組みが整えられれば、希望者の帰還を早めることはできるのではないか。それが住民たちの合意点だった。


もう国には頼らない 住民自ら復興計画を

「あ、これ、母親の写真です」チェルノブイリ博物館ではちょうど、福島の様子が展示されていた。たくさんの報道写真が掲げられた館内で、みなが思い思いに事故直後のことを思い出しているなか、朝田英洋さん(45歳)が母親の姿をみつけた。「これは、知人の遺体がみつかって、お坊さんを呼び、みんな防護服姿で弔った時の写真です。浪江も大熊も亡くなった人がたくさんいるんです。そのことを思い出すと、辛くなります・・・」。朝田さんは、東京に避難した妻と子どもと離れ、両親と福島市内で暮らしている。

鈴木さんは言う。「戻る、戻らないのチョイスを認めるべきなんです。それを前提にした長期的な復興方針を作らないと、と町にはずっと言ってるんだけど。事故直後は安否確認。それが落ち着けば除染。常に役場は目の前のことで手いっぱいで長期的な課題に手が回っていない」。

避難基準の年間20mSvを切ったとこでもなかなか人びとは戻らない。逆に20mSv以上の居住制限区域とされているところでも、実際の線量は低く、戻りたいと考えている人がいる。一律の線引きは無理なのに、国も町も住民も言い出せない。その状態で2年半が経った。いま、日本に必要なのはスピード感だ。

「国にやってくれ、やってくれとずっと言ってきたが、国や町に期待していてはもうダメだ。自分たちで、プランを描き、住民間の考えの違いを乗り越える努力をしていかないと」

チェルノブイリを訪れた住民たちは、明らかに変わり始めた。この動きを、日本全体で応援できないか。なぜ、福島といえば、汚染水報道だけなのか。「地元の人間で、汚染水問題を真っ先に話題に挙げる人はいませんよ。そんなことより考えないといけないことがたくさんあるじゃないですか」。

セルゲイ・ミールティ
「頭の中の“除染”を」―深刻な情報汚染
1968年4月のチェルノブイリ原発事故後、私の元へ召集令状が送られてきました。任務はチェルノブイリ原発周辺エリアにおける放射線量の測定です。私はハリコフ大学で化学を専攻しており、専門性を生かして現地へ投入されたのです。

現地では装甲車でチェルノブイリ原発周辺を走り、放射線量を測定する、ということを日々行い、放射線マップを作成していました。

放射線と現場をよく知る私が皆さんに伝えたいのは、あまりに間違った、汚染された情報が世の中に溢れ、人々の頭の中まで汚染されているということです。情報による被害は本当に大きいものです。メディアによる真実から離れたセンセーショナルな報道は人間を傷付けます。誤った情報は放射線そのものよりよっぽど危険です。人々の頭の中こそまずは除染すべきなのです。

人間は放射能を怖れます。放射能は目で見えませんし、人を殺すようなイメージを持っているからです。しかし、人間が簡単に乗り越えられるレベルのものも多くあります。過剰な反応が、過剰な対策を生み、過剰な結果を生む。日本もそうなってはいないでしょうか? 精神的な被害は実際の被害へと繋がります。

世界のメディアが現実とは異なるセンセーショナルな報道をして危機感を煽っています。世界的に著名な雑誌でも、驚くほどの誤りが載っています。私は専門家だから気付きますが、一般人は分からないでしょう。

事故後、チェルノブイリ原発周辺にいたことから、健康状態について尋ねられることが多いですが、見ての通り私は年相応に健康ですよ。
(チェルノブイリ観光ツアープランナー)

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