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resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
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11月11日(月) [2013年11月11日(Mon)]

11月11日(月)

11:00 羽生次郎 笹川平和財団会長

13:30 野村吉三郎 全日本空輸最高顧問

14:00 田中直人 テレビマンユニオン常務取締役

「笹川陽平は右翼か左翼か」 [2013年11月11日(Mon)]

「笹川陽平は右翼か左翼か」


日本人は右か左か、白か黒か、ハトか鷹か、保守か革新か、二つに分けるのが大好きな国民である。

複雑な社会の中で、人間をこのように単純に色分けすることはもうやめたらと思うのだが、この二分論手法はことのほかメディアがお好きなので、ことはそう簡単には進まないであろう。

父・笹川良一は世間では右翼の巨頭といわれることが多かった。戦争に反対した父が右翼とはおかしな話ではあるが、父は「右翼でも左翼でもない。飛行機に例えれば正翼である」と、いつも我関せずであった。

ネット社会では、右翼の息子は右翼と単純化されているらしい。筆者が中国との交流を活発に行い、特に人材養成(2000人の医師を日本で教育、名門10大学への奨学金制度、300万冊の図書寄贈、数千人の来日プログラム等)に熱を入れると、聞こえてくる声は「笹川陽平は左翼か? 親父が反面教師になって息子は左翼になったのか? よくある話だなぁ」というもので、何が何でもどちらかに入れたいらしい。私のライフワークであるハンセン病の制圧と差別撤廃の世界的活動をみると、差別や人権問題は即左翼との公式もあるようだ。

人権問題は自由・平等と共に民主主義の普遍的原理で、左翼の専売特許ではない。戦後の保守主義は悪、革新は善なる半ば公式化された説は、今や何の説得力もなく、陳腐なものとなった。

筆者は最近の読書の中で、佐多稲子、宮本百合子、平林たえ子など、左翼文学を楽しむようになった。何だ、遅れてきた左翼かと笑われるかも知れないが、義務のない権利だけが横行し、無秩序な自由を謳歌し、飽衣飽食のこの時代。明日の食事に困った時代を振り返る必要もあると思う。だらけきった共産党の活動を望見していると、当時の活動家の真摯(しんし)な生きざまが新鮮に見えてくる。

数年前、格差社会とかいわれ、プロレタリア文学の中の名著、小林多喜二の『蟹工船』が話題になったが、すぐに消えてしまった。誠に残念である。今こそプロレタリア文学を読むべきである。最近、プロレタリア文学全八巻の第一巻『貧困』が森話社から発刊された。是非一読をお勧めしたい。

民族主義者(ナショナリスト)は即右翼との決めつけが定番であるが、筆者はパトリオット(愛国者)との言葉を普及すべきだと考えている。右も左も保守も革新も、パトリオットであることに不満はあるまい。世界では普遍的に使用されている言葉である。しかし、日本にはパトリオットではなく他国に思いを馳せる人もいるのでややこしい。

野球なら右投げ左打も通用しよう。しかしこと思想や行動はそうはいかない。どこかの新聞の如く、不偏不党、中庸(ちゅうよう)も、何を中心の軸にしたものか理解不能である。

読者の皆さん、筆者をどのようにご覧になっても結構だが、少なくともパトリオット(愛国者)を自認し、日本人であることを誇りに思って世界中を飛び回り、人道活動に精を出している人間であるとの自負はある。
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