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resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
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5月27日(月) [2013年05月27日(Mon)]

5月27日(月)

0:37 ヤンゴンより、羽田着

1:50 自宅着

10:40 財団着

11:00 沖津嘉昭 岩井コスモフォールディングス社長

12:00 大山高明 日本海事新聞社長

13:00 公益・新規事業、年度内事業打合せ

13:30 福祉・修繕・改修事業打合せ

14:00 評価委員会

15:00 ブルース・ミラー駐日オーストラリア大使

16:00 矢満田篤二 元愛知県児童相談所、児童福祉司
    田尻由貴子慈恵病院看護長
    大葉ナナコ誕生学協会代表理事

17:30 中国福建省コミュニティリーダー訪日団

18:30 作家 手嶋龍一様

「金儲けは誰のために」 [2013年05月27日(Mon)]

「金儲けは誰のために」


この標題を見て、大方の読者はご不満をいだくであろう。
「私なんか生活することで手いっぱい。老後を考えると不安の方が大きいわ」と叱られるかもしれないが、皆さんがこのコラムの対象ではありません。

世の中には隠れた金持ちも多くおられ、そういう方々に限って死後の遺産相続でもめ、かつて仲が良かった兄弟・縁者が何年間も血で血を洗う争いになったりすることも多いようだ。それでも現在進行で「蓄財こそ我が命」とばかりに金儲けに励んでおられる人もいるであろう。

勿論、家族が豊かな生活が出来るように努めるのは男としての甲斐性であり、目的でもある。しかし、私の知っている数少ない成功者の例を述べてみたい。

まずは高級自動車で銀座、赤坂の高級料亭、バー、クラブに出没。高級会員制クラブや有名ゴルフ場に加入するための紹介者を開拓。豪邸を建て、軽井沢や箱根には別荘を、ハワイなどの高級リゾート・マンションも購入。中には高級ヨットを購入し、いつでも遊べるようにヨットマン13〜17人を臨時雇用。東京から美女や友人を招待して豪華な船上パーティーを開き、金儲けに成功したことを実感して悦に耽る。

仕事は益々拡大し、1年に1〜2回しか使用しないヨットの経費がばからしくなって売却。60代を過ぎてくると、贅沢だけを覚えた出来の悪い息子に頭を痛め、夫婦仲も冷却して遺産相続に思案するようになる。70代になると体力は衰え活動範囲も狭まり、長年の不摂生から生活習慣病も顕著となり病院通いが日常化。それぞれの有名専門医のコネ作りが始まる。

やがて長年の友人・知人も次々天に召され、権力はとっくの昔に妻に剥奪されて尻にしかれ、金はあるが粗大ゴミ扱いされることになる。妻にあれこれ指示されるのがわずらわしくなり、唯一の解放感は、一人馴染みのソバ屋でスポーツ紙を読みながら酒一合とソバを食べるのが無上の喜びとなる。

人生はこのような経過をたどり、事業に成功して大金持ちになったところで残された財産の相続争いで仲が良かった息子、娘が反目することにもなる。

本来金儲けは儲けた金で何をするかが目的のはずで、金儲けそれ自体が目的化しているのは残念なことである。余計な事を言うなと文句を言われそうだが・・・

かつて、スタンフォード大学・ビジネススクールの秀才がスタディー・ツアーで来日して日本財団を訪ねてくれた時の挨拶で、「皆さんは相当な確率で事業に成功したり高額の報酬を得られる立場になるでしょう。ですから、成功した暁にはそのお金をどのような社会貢献に活用すべきかというようなことを教授科目に入れるべきでしょう」と進言したら、引率の教授から「それは盲点でした」との返答があった。しかし、実現したかどうかは定かでなない。

長々と成功した人の人生を綴ってみたが、最近、社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズの白石智哉代表理事をはじめ、志のある事業成功者が1億円を日本財団に寄付してくださった。今後、財団とのマッチングで社会に還元する事業を開始する。

例えば、障害者の職業訓練や就労を支援する事業、家庭の経済力による教育格差を是正する事業、低価格で健康診断を受けられる事業などを想定し、1社2〜3年で3000万円程度を提供。経営計画や資金計画の助言など、事業が軌道に乗るように後押しする。

我が国では、社会的課題の解決は行政の役割とされてきた。昨年日本財団は創律50周年を迎え、新たな50年の行動計画を作成した。その中には社会的課題に積極的に対応し、「民が民を支える社会」の実現を目指すことも含まれている。

NPOをはじめとする社会的事業の多くは、政府の補助金や助成団体からの資金に依存し、ビジネス界との人材面や事業での交流はほとんどなかった。今回の社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズの取り組みは画期的なことでもあり、ぜひ成功、拡大させたい。そして、このような志のある成功者が一人でも多く出現することを望みたいし、日本財団は彼等と協力して社会に一石を投じたいと願っている。

聞くところによると、英国では60,000社以上の社会的事業は約3兆円規模にまで発達しているという。遅まきながら、日本も見習いたいものである。

かつて、刻苦勉励で数百億円の財をなした人が、私の父に長々と蓄財について話した。父の一言は「それで君は天国に金を持っていく方法を考えたのか・・・」。この人は顔を赤らめて帰って行ったことがあった。

巨額の大金を親から受け継いだ人々の末路については多々ある。砂糖にたかるアリの如く、巨額資金に押し寄せてくる人たちによって人間不信になる人もいるようであるが・・・

それでも大金持ちになりたい!!
そうですか。
失礼しました。

―三途の川で―

いいですか、財産は全て捨ててくださいよ!!
自分の体も捨てるんですからね。
相田 みつを


恐山菩提寺の三途の川.jpg
三途の川は身軽に渡ろう!
青森県・恐山菩提寺の三途の川

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