「安倍政権誕生と世界の長期政権」
安倍政権が誕生して久しぶりの安定政権かと、しぼんでいた風船が急に膨らみはじめ、株式市場も高値の大納会に続いて大発会も新高値で始まり、久し振りに人々の顔に明るさが戻ってきたようにも思える。新政権に対する期待感が先行しているわけであるが、竹下登元首相は、よく「病気も景気も気が問題だ」と話しておられた。
くるくる変わる日本の首相について、外国人の間のジョークに「日本の首相はすぐ変わる。だから僕は次の首相から名前を覚えるようにするよ」というのがあった。皆が笑う中で、屈辱を感じながらも「誰でも首相になれる国は世界広しといえども日本だけだ」と肩を怒らせてみたが、悲しい現実であることは確かで、肩身の狭い思いをしたものだ。
今度こそ、安倍さんには存在感のある政治家として、安定した政権運営を期待したいものである。
「首相は在任中に何をしたかが問題であり、期間の長短が問題ではない」
かつて、消費税3%を創設した竹下登は、「一内閣一仕事」と言って、消費税を創設して政権の座を降りた。民主党の約3年の政治は批判するのもばかばかしいが、野田首相は「税と社会保障の一体改革」を決議した。この一点だけは大いに評価すべきではないだろうか。
下記に世界の長期政権と日本の短期政権を並べてみたが、単に並べただけで、何の意味もないことは読者おわかりの通りである。
1位 カストロ(キューバ)
49年2ヶ月 (1959年1月―2008年2月)
2位 金日成(北朝鮮)
45年10ヶ月(1948年9月―1994年7月)
3位 カダフィ(リビア)
41年11ヶ月(1969年9月―2011年8月)
4位 ボンゴ(ガボン)
41年7ヶ月 (1959年12月―2009年6月)
5位 ニヤデマ(トーゴ)
37年11ヶ月(1967年4月―2005年2月)
6位 ウフエ=ボワニ(コートジボワール)
33年5ヶ月 (1960年8月―1993年12月)
7位 オビアン・ンゲマ(赤道ギニア)
33年3ヶ月 (1979年8月―現職)
8位 ドス・サントス(アンゴラ)
33年2ヶ月 (1979年9月―現職)
9位 ムガベ(ジンバブウェ)
32年7ヶ月 (1980年4月―現職)
10位 モブツ(ザイール 現コンゴ民主共和国)
31年7ヶ月 (1965年11月―1997年5月)
日本には95代、62人の総理大臣がいた。(安倍新首相は除く)
1位 桂 太郎 7年331日
2位 佐藤 栄作 7年243日
3位 伊藤 博文 7年165日
4位 吉田 茂 7年61日
5位 小泉 純一郎 5年155日
在任期間の短い順
1位 東久邇宮 稔彦 54日
2位 羽田 孜 64日
3位 石橋 湛山 65日
4位 宇野 宗佑 69日
5位 林 銑十郎 123日
ちなみに、最近の首相経験者の在任期間は
野田 佳彦 1年117日
菅 直人 1年87日
森 喜朗 1年22日
安倍 晋三 1年1日
福田 康夫 1年
麻生 太郎 358日
鳩山 由紀夫 266日