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「中央アフリカ共和国訪問」その1 [2011年08月12日(Fri)]


先導バイクのドラーバーと


「中央アフリカ共和国訪問」その1


今夏、ハンセン病制圧活動でアフリカのマラウィと中央アフリカ共和国に行った。

中央アフリカ共和国は、チャド、スーダン、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、カメルーンの5ヶ国と国境を接し、人口約430万人、面積は日本の約1.7倍の内陸国である。

長い間クーデターや内戦で政治的に不安定な状況が続き、最近、ようやく首都バンギを中心に平穏を取り戻しつつあるが、地域によってはまだ不安定で、外国人が入れない地域もある。

首都バンギでも最近までの紛争の残滓があり、例えば、我々の宿舎のホテルは写真の通り約3.5メートルの塀で囲まれ、出入口は赤銅色の扉一枚である。窓も全て鉄製の枠で防御されており、勿論、夜間の外出は不可で、外国人には危険極まりないという。


ホテルの入口に立つ筆者


訪問した首都から小1時間のデレバマ保健所でも数年前には強盗に襲われ、医療器材を含め全てが略奪の対象となり、患者を含め、恐怖のあまり皆逃げてしまったそうだ。しばらく無人状態が続いたが、最近ようやく2、3人の関係者が戻ってきたところだとの説明を受けた。確かに患者のカルテを見ると過去2〜3年分が記録されておらず、関係者の証言の正しさを裏付けている。

しかし、今回の訪問で私が何よりもショックを受けたのは、ハンセン病の治療薬であるMDTがこの施設になかったことである。筆者は世界中の僻地のヘルスセンターやヘルスポストを調査し、インド、キューバ、アフリカなどの劣悪な環境の僻地で、一般的な薬品がなくともハンセン病の薬だけはその存在を確認してきたからだ。

治安回復を第一義にせざるを得なかった中央アフリカ共和国に、今回、アフリカでの活動のサポーターであるWHOのビデ・ランドリー博士の助言で訪問ができたことはグッドタイミングであった。なぜなら、メディアインタビューの他に、トアデラ首相、マンダババ保健大臣、ゼゼ社会問題大臣、サコ国務大臣、サール職業技術教育大臣、ナン初等中等教育大臣、ガオンバレ国会議長、国連代表部ヴォグト人権代表等々と精力的に会談し、じっくり話し合うことができたからである。国家指導者の方々には、今一度ハンセン病の撲滅と差別のない社会の実現に努力してほしいこと、WHOとしての支援についても約束することができた。

この効率的な活動には、我々一行の車列を先導する身長が2メートルはあると思われる軍人の采配する立派な白バイならぬ赤色のオートバイがあった。この国は、先導車のサイレンには反対車線を走行中の車も含め、全ての車両は完全停止するのが定めだそうで、違反すると罰金を取られることもあり、我々の移動中、大臣の車も停止してくださり、誠に恐縮した思いであった。


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