CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« エッセー(essay) | Main | スピーチ»
leprosy.jp
resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
Google
<< 2021年10月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
プロフィール

笹川 陽平さんの画像
笹川 陽平
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク集
https://blog.canpan.info/sasakawa/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/sasakawa/index2_0.xml
「北海道漁業に異変」―イカ激減、ウニ サケ大量死― [2021年10月26日(Tue)]
「北海道漁業に異変」
―イカ激減、ウニ サケ大量死―


地球温暖化による海水温の上昇の影響か否かは不明だが、北海道の漁業に異変が起こっている。かつて年間5万トン近くあったスルメイカの漁獲量は10年余りで激減。2020年にはたったの2218トンとなり、回復の兆しが見えないのが現状という。

9月以降、北海道の太平洋岸で大規模な赤潮のためか、ウニやサケの大量死が続いていると10月12日の読売新聞は伝えている。他に北海道名物の「コンブ」にも影響が出ているそうだ。逆にブリは2008年に325トンだった漁獲量が昨年は1万トンを超える見通しで、鳥取県の漁港と並ぶ一大産地となりつつあるという。

富山県などでは寒ブリは高級魚で、知人によると、娘が結婚した際はその実家がブリ1匹を夫の実家に祝いとして届け、ブリの半身を嫁方の実家に返す風習があるそうで、「嫁ブリ」というしきたりだそうだ。知人の場合1匹が10万円の値段だったという。

ところで北海道では近年、大量のブリが取れるようになり、ブリの食文化のなかった北海道では現在、色々な食べ方の工夫がはじまっているようで、以下はSankei Bizの記事です。

地元から「ブリ食文化」の定着を

 かつてないイカの不漁にあえぐ函館では、「ブリ食文化」を地元に根付かせようという動きも始まっている。推進するのは市の任意団体「はこだて海の教室実行委員会」。日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、ブリを使ったご当地グルメや新商品の開発が進む。

 その第1弾として、昨年開発されたのが「函館ブリたれカツ」だ。ブリ特有の臭みを消すため牛乳に漬け込むなどの処理を施し、食べやすく仕上げたという。学校給食やキッチンカーでの販売、イベントなどを通じてPR活動を展開したところ、「SNSで知っていたので、やっと食べられた」「函館の海でブリがたくさん獲れていることを知る機会になった」といった地元の反応も上々だった。真昆布のペーストなどブリ以外にも地元の食材を取り入れており、若者にも好評を博している。

.png
新たに開発されたご当地グルメ「函館ブリたれカツ」を使った「ブリたれカツバーガー」
(はこだて海の教室実行委員会提供)


 今月1日から31日まで市内で開催されている「函館ブリフェス」では、この「ブリたれカツ」を使ったハンバーガーのほか、第2弾として「函館ブリ塩ラーメン」も出品。ラーメンの出汁に使われているのは新開発の「ブリ節(ぶし)」だ。市内にブリ節を製造できる工場がないため、世界自然遺産の知床を望む羅臼町に本社を構える企業に製造を依頼。「北海道産」として来年以降の販売に向けて試作中だという。

 イカに代わる“名物”としてのブリの可能性について、同会事務局の國分晋吾さん(39)は、「ブリは汎用性が高く、アレンジのポテンシャルが高い。臭みがあるイメージを変え、新たな食文化として広めていきたい」と意気込む。

 函館では、ブリの燻製やブリフレークなどの商品開発も進んでいる。とはいえ、地場産業はイカがベースとなっており、ブリに舵を切るのは容易ではない。イカが獲れなくなった今も、海外からイカを輸入して加工業を続けている業者も少なからずいるという。

 函館が地元を挙げて「ブリの町」となる日は来るのか。渡島総合振興局の榊原さんは強調する。
 「多くの加工業者が急な転換を迫られ、困惑している。それでも、努力しながら(ブリへの転換に)取り組み始めたところだ」
「アゴダコ汁とは何だろう?」―能登の高校生開発― [2021年10月20日(Wed)]
「アゴダコ汁とは何だろう?」
―能登の高校生開発―


かつては「男子厨房に入るべからず」の長い時代が続いたが、最近では男性が台所で料理をするのは珍しくなく、コロナ禍で更に顕著になっているようだ。

以下は日本財団の「海と日本プロジェクト」に参加した能登の高校生の話です。
10月5日付「北陸中日新聞Web」から引用しました。

〜隠し味にいしり、全国出場へ


 高校生が地域の魚を活用した缶詰で競う全国大会「ローカルフィッシュカングランプリ」で、能登高校地域産業科2年の小堀将太郎さん(16)と高砂信章さん(16)が地元のトビウオを使って開発した「アゴダゴ汁」が、県代表に選ばれた。四日は、全国大会用の映像の収録が同校で行われた。

 同グランプリは、日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環として、海に関心を持ってもらおうと今年初めて企画された。能登高からは2、3年生の11グループが応募し、小堀さんと高砂さんのペアが県内選考を勝ち残った。

 クラスメートの2人は、5月からアイデアを考え、だしを取るためによく使われるが、それ以外の活用法があまり知られていないトビウオを材料に選んだ。アジとイワシのつみれ汁をモチーフにして、トビウオの地元での呼称「アゴ」と、だんご汁の呼び方「ダゴ汁」を合わせ、アゴダゴ汁という名前も考えた。

 2人で試作し、1カ月ほどで完成。トビウオのつみれは「魚のおいしさが詰まった癖になる味」だといい、味付けには隠し味として能登地方特産の魚醬(ぎょしょう)「いしり」も入れた。つみれはフワっとした食感ではなく、若い人にも食べ応えのある肉団子のような食感にこだわったという。骨まで使い、食材廃棄を減らす工夫もした。東京での全国大会はコロナ禍のため映像での出演となり、四日には、15日の審査で使われる紹介動画を撮影した。

 小堀さんは「自分たちが伝えたいことを伝えられるような発表ができた」と話し、「調味料の少しの量で味がだいぶ変わることがよく分かった」と開発過程を振り返った。高砂さんは「魚にもいろんな調理法があることを若い世代に知らせたい。魚離れの解消につながれば」と語った。
「罪を犯した少年・少女の実態」―職親事業者の発言― [2021年10月18日(Mon)]
「罪を犯した少年・少女の実態」
―職親事業者の発言―


日本財団は、再犯を防止するために、経営者が少年院や刑務所の出所者をただ職員として雇用するだけでなく、親代わりとなって再チャレンジの人生をサポ−トする「親職プロジェクト」の活動を行っている。

関西を中心に心ある経営者が積極的に参加・協力してくれているが、正直なところ成果は十分とは言えずに悪戦苦闘が続いており、6月16日のブログで報告した通り、上川法務大臣へ規制緩和の要望書を提出したところである。

親職のプロジェクトのメンバーの一人・黒川洋司氏は、非行少年の更生を支援する『良心塾』の運営と居酒屋や美容院を経営され、積極的に出院・出所者を採用してくれている。

彼とノンフィクション作家、石井光太氏との対談がフライデーで報じられた。
読者の参考にと借用させていただいた。

以下、石井光太氏の記事です。

*****************

 少年院の子供たちと聞いてイメージするのは、暴力的でいかつい不良少年たちだろう。しかし、近年の少年院の子供たちのタイプはかなり異なる。むしろ、いじめを受けていたり、障害があったり、不登校だったりする、弱い立場の子たちが多くを占めているのだ。
 大阪で、非行少年の更生を支援する『良心塾』の黒川洋司は言う。

 「少年院に行くと、中にいる少年たちから『ここを出たくない』と言われることがあるんです。少年院にいれば、安全だし、衣食住を確保できるし、理解者もいる。だから、外に出ないでここにいつづけたいというんです。一時代前は、脱走してでも、一日でも早く出たいという子ばかりでしたから、考えられないことです」

 なぜ、自由を求める10代の子供たちが、よりによって少年院に住みつづけたいと考えるのだろうか。その闇を追った。 
 少年院に入る子供の数は、20年ほど前から減少の一途をたどっている。最近では定員50名ほどのところに、5、6人の少年しかいないといったところもあり、合併なども行われている。
 先述の黒川は、居酒屋や美容院を経営する傍ら、日本財団が行う「職親プロジェクト」に参加し、非行少年の更生支援をしている。少年院を出た子供たちが社会に順応するのはたやすいことではない。そのため、在院中から面接をして自社への雇用を決め、出院と同時に寮に入れ、仕事だけでなく、人間教育を行うことで、社会に出ていく手助けをするのだ。
 黒川は言う。

 「昔は、少年院にいるのは暴走族みたいなヤンキーばかりで、怒りのエネルギーが社会に向いてました。暴走、ケンカ、校内暴力はその典型です。だから、そのエネルギーを正しい方向へ向けてあげることが更生の方法だった。
 今の少年院にいる子はまったく違います。うちは8年間で25人の少年少女を受け入れてきましたが、全員すさまじい虐待を受けてきている子でしたね。施設出身の子もたくさんいます。
 彼らに共通するのは『生きる力の弱さ』『自尊心の低さ』『無気力』などです。多くの子が、小学生とか早い段階で不登校になって、人とうまく付き合えず、自傷や自殺未遂をするなど生きることに絶望しています。そんな子たちが、悪い大人に利用されて犯罪に巻き込まれ、トカゲのしっぽ切りのように捨てられて少年院に入ってくるんです」


 これは現在の非行少年の大半に共通することだ。虐待をはじめとした劣悪な家庭環境にあったため、自分の人生にさえ希望を見いだせない。認知がゆがみ、人を信頼できず、社会に希望を抱けない。また、虐待は脳に大きなダメージを与え、発達障害と類似した症状を生み出すので、特性的な生きづらさ抱えてしまう。
 社会の悪い大人たちが、そんな弱い子供を利用する。だまして特殊詐欺の受け子をさせる、SNSをつかって買春する、覚醒剤を打って中毒にさせる……。そのように搾取された子供たちが、捨て駒同然にされて少年院に入ってくるのだ。
 こうした少年たちは早い段階から不登校になり、ゲームやアニメなどにのめり込むため、「非社会の少年」と呼ばれている。暴走族などの「反社会」とは異なり、社会にあらざる子供という意味だ。
 彼らは社会で生きるために必要な「信頼」「自信」「希望」といったものをことごとく奪われてきたため、少年院を出たところで、うまく生きていくことができない。

 たとえば、黒川のもとに来た子供の例を紹介しよう。
 滋賀県で、Aは長男として生まれた。母親は覚醒剤中毒で、妊娠中も使用していたからか、わずか850グラムの超低出生体重児だったという。
 病院のNICUでの集中治療によって生存できたが、母親は連日覚醒剤をやっては、Aに暴力をふるったり、育児放棄をしたりした。何日間も食事をもらえずゴミを漁るような日もあった。
 小学生に上がると、Aは自分がトランスジェンダーであることに気づく。体は男なのだが、心は女なのだ。同級生たちもそれを察し、からかい、いじめるようになった。これにより、Aは学校という数少ない安全地帯を失った。
 ある日、家に来た母親の知人の男性が、嫌がるAに覚醒剤を打った。同じ世界に引きずり込んで利用しようとしたのだろう。Aは何度も打たれているうちに依存症になり、抜け出せなくなった。そして家に来る母親の仲間たちとともに覚醒剤に溺れては、様々な犯罪に巻き込まれるようになる。
 最初の逮捕は15歳だった。警察が母親を逮捕しにきた際、Aも覚醒剤を使用していたことが明るみに出て少年院へ送られた。
 約1年で出院した後、Aは滋賀の実家ではなく、大阪の自立準備ホームに住むことになる。衣食住を用意してもらい、職員の指導を受けながら、社会で自立する準備をするための施設だ。
 だが、物心ついた頃から虐待と覚醒剤の中で生きてきたAにとって、中卒の少年院出という重荷を背負って社会で生きていくのはたやすくはない。人間関係や仕事などあらゆるところでつまずく。
 そんなある日、滋賀にいる母親から連絡がきた。
 「今、出所して滋賀におるねん。もう苦労かけへんから、おかんと大阪で暮らそ。早くもどってきな」
 社会で生きることの挫折感に打ちひしがれていたAは、「母親が心を改めたのだとしたら、仲良くやっているかもしれない」と思い、滋賀へ帰ることにした。だが、その期待は、一瞬で裏切られる。なんのことはない。母親はAと暮らすことで生活保護を受給したかっただけなのだ。その金はすべて覚醒剤に費やされ、再びAも巻き込まれた。そして19歳で逮捕となり、二度目の少年院送致が決まった――。
 少年院では、Aのような子は決して珍しくない。というより、典型的な例だと言えるだろう。
 Aは虐待による認知の歪みに加えて、トランスジェンダーであり、かつ10代前半からやらされてきた覚醒剤の後遺症を抱えている。自殺未遂の経験もあり、信頼できる家族や友人がいるわけでもない。そんな子にとって、社会で自立して生きることがどれだけ難しいことか。
 黒川の言葉である。

 「Aもそうですが、少年院にいた子は本当に弱いです。障害があり、生きづらさを抱え、信頼や努力の意味すらわからないという子だっている。それだけの多くを奪われて生きてきたんです。
 そんな弱い子たちにとって、社会はジャングルのような危険なところです。どうやって生きて行けばいいのかわからないし、油断すればA子が母親からされたように、いろんな大人が近寄ってきて犯罪に巻き込んでくる。悪い大人っていうのは、弱い子供を見抜ぬく嗅覚がすごくて、あっという間に利用するんです」


 取材経験から、私もこれを実感する。たとえば、西日本の女子少年院にいた子は「家出をしたら、その日のうちにSNSで噂が回って、5、6人の半グレやヤクザが覚醒剤を持って近づいてきた」と語っていた。覚醒剤漬けにして売春をさせるのだ。それほど弱い子はすぐに餌食にされる。
 こうしたことを踏まえれば、黒川が社会を「ジャングル」にたとえることに納得できる。少年少女にしてみれば、社会は猛獣がいたるところに忍んでいるような恐ろしい場所なのだ。
 黒川は言う。

 「少年院の子たちが、社会に出るのを怖がり、『少年院を出たくない』『少年院にいつづけたい』と言う気持ちはわからないでもありません。彼らからすれば、社会より少年院の方がずっと安心できるところなんですよ。餓死することも、襲われることも、搾取されることもない。だから、少年院で生きていきたいって言うんです」

 似たことで思い出すのが、「るい犯障害者」だ。
 障害者の中には支援も得られず、社会でホームレスのような生活を余儀なくされている人もいる。だが、雨風にさらされ、飢えや病気に苦しむ生活をするのは非常につらいことだ。
 そんな者たちにしてみれば、ホームレスとして野外で寝泊まりするより、刑務所で衣食住を保障してもらった方が安全だ。ゆえに、無銭飲食など簡単な犯罪をくり返し、出所しては逮捕してもらって刑務所にもどる…という生活を何十年とくり返す。それが、るい犯障害者だ。
 黒川によれば、「少年院を出たくないと言う子供たち」は、るい犯障害者の予備軍という見方もできるという。
 弱い子供が10代で少年院に入り、「社会よりここの方が安心できる」と思えば、また犯罪をして入ろうとするだろう。だが、少年院は未成年が入るところなので、20歳以上は刑務所となる。たとえば、Aが20歳を過ぎてそれをすれば、覚醒剤の後遺症を抱えるるい犯障害者となるだろう。
 黒川は言う。

 「刑務所では、るい犯障害者は大きな問題です。社会より刑務所の方が居心地がいいなら、いくら『更生しろ』『もどってくるな』と言っても、犯罪をくり返します。でも、彼らは大人になって突然そうなるわけじゃなく、子供時代から様々なことがつみ重なって、そうなっているんです。
るい犯障害者をなくすには、少年院を出たくないという子供たちの支援からはじめなければならないと思います。簡単ではありませんが、若い段階で支えられれば、更生の可能性も高まる。そう信じて更生の活動をしているのです」


 黒川が行っている「良心塾」の取り組みはまさにそのためのものだ。少年院を出た時点で手を差し伸べることで、一人でも多くの人を社会のレールに乗せようとしている。
 ただし、こうした取り組みは、一部の人の善意に委ねるだけでは進まない。社会全体が、「少年院を出たくないと言う子供たち」に目を向け、抱えている問題を知り、支援をしていく必要がある。
 その時、一般社会にいる人たちは隣人として、社会人として、人の親として何ができるのか。一人ひとりが考えていくべきことだ。

「パラスポーツ練習拠点」―パラアリーナ継続へ― [2021年10月13日(Wed)]
「パラスポーツ練習拠点」
―パラアリーナ継続へ―


 東京パラリンピックで高まったパラスポーツへの関心を普及につなげようと、日本財団パラリンピックサポートセンターのパラ専用の練習拠点「パラアリーナ」が、年末までの期限を延長して、来年以降も継続する方向で調整が進められていることがわかりました。
「パラアリーナ」は、東京パラリンピックに向けて競技の強化を進めるため、3年前に開設された国内では数少ないパラスポーツ専用の練習施設で、一時は新型コロナウイルスの療養施設として転用されましたが、現在も多くの競技団体が強化の拠点にしています。

 施設は当初、ことしいっぱいで終了する予定でしたが、関係者によりますと、運営する日本財団パラリンピックサポートセンターが、来年以降も継続する方向で、地元の東京都と調整を進めていることがわかりました。

 この施設を拠点とするボッチャや車いすバスケットボールなど、多くのパラ競技が東京パラリンピックで活躍し、関心の高まりをパラ選手の強化と普及拡大につなげるためには施設が欠かせないとして、競技団体などから利用継続を求める声があがっていました。

 今後、パラスポーツのすそ野をさらに広げるためには、全国各地にある一般のスポーツ施設で、パラスポーツの受け入れを進められるかが鍵となります。

※2021年9月11日付「NHKニュース」を供用しました。

「無人運航船」―2025年実用化へ― [2021年10月07日(Thu)]
「無人運航船」
―2025年実用化へ―


 世界に先駆けた「内航船の無人運航」を実現するための陸上施設「フリートオペレーションセンター」が2021年9月2日(木)、千葉の幕張に竣工した。

 船舶上と陸上の情報を収集し、船舶の運航状態を監視・分析して運航をサポートするほか、緊急時には該当船舶のシステムに対して遠隔操作による関与も可能なシステムの一翼を本施設が担う。今後、無人運航船実現に向けた実証実験において、ここから無人運航船の監視や緊急時を想定した遠隔操船が行われる。

 これは日本郵船および近海郵船などの同社グループ企業をはじめ、国内30社で構成される「Designing the Future of Full Autonomous Shipプロジェクト(DFFASプロジェクト)」が立ち上げたもの。日本財団の技術開発プログラムの一環であり、DFFASプロジェクトと日本財団は共同で、2025年までの本格的な無人運航船の実用化を目標に掲げている。

 フリートオペレーションセンターを活用した実証実験は2022年2月から始まる予定。これは内航海運における無人運航を企図したもので、東京湾〜伊勢湾という多数の船舶が輻輳する既存航路で、無人運航船の実運用を模した形で行われる。749GT型コンテナ専用船「すざく」にシステムが搭載され、無人化される予定だ。

 背景には、内航船の人手不足という社会的課題がある。日本郵船は、「これまで当社グループが『有人自律運航船』の技術開発で培った技術・経験を活かし、技術の標準化、制度・インフラ整備についてオープンコラボレーションで取り組む」としている。

 コロナ禍で増大する海運需要に対し、船員確保の問題は待ったなしで進行する。その課題解決に向けた大きな一手となりうる無人運航船の今後が注目される。

※2021年9月6日付「Merkmal編集部」です。

「ちょっといい話」その194―エクモドクターカー岡山大学へ― [2021年10月06日(Wed)]
「ちょっといい話」その194
―エクモドクターカー岡山大学へ―


 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は1日、新型コロナウイルスの重症患者の治療などに用いる人工心肺装置「ECMO(エクモ)」が搭載できる大型の救急搬送車「ドクターカー」を導入し、運用を始めた。日本呼吸療法医学会によると、同様のドクターカーの配備は中四国地方の病院では初めて。

 導入したドクターカーの全長は約6・1メートルで幅約2.1メートル、高さ約2.9メートル。2トントラックをベースに作られており、治療スペースは通常の救急車よりも広い。エクモのほか、自動心臓マッサージシステム、人工呼吸器といった医療機器を搭載。大容量バッテリーや衛星電話も備える。導入費は約4300万円で、日本財団からの助成制度を活用した。

 医師や看護師ら医療従事者が3、4人乗り込み、事故現場などに急行。患者の治療を行いながら同大病院まで搬送し、救命率のアップにつなげる。

 コロナの重症患者の搬送は、出動訓練などを行い、2022年度内に開始。エクモがあるため、重症患者でも長距離の搬送が可能になるという。

 同大病院高度救命救急センターの山田太平医師は「一刻を争う現場で、医療介入のタイミングが早まる。活用を進め、防ぎ得た死を回避したい」と話している。

※2021年9月1日「山陽新聞」です。

産経新聞【正論】基礎研究強化が日本を強くする [2021年10月04日(Mon)]
一基礎研究充実が国を強靱にする―


産経新聞【正論】
2021年9月24日

 「土台のないところに家は建たない」という。基礎の大切さを教える格言である。然(しか)るに近年は、英米流の株主資本主義の影響もあって企業経営に限らず、学問の世界でも、基礎研究より短期に成果が期待できる応用研究が優遇される傾向にある。

 あらゆる応用研究は基礎研究の上に成り立つ。パンデミック(世界的大流行)となった現下の新型コロナウイルス禍で、わが国が感染防止の決め手となるワクチン開発で後れを取っている一因もこの点にある。基礎科学、基礎医学を立て直し、基盤を強化することが急務と考える。

 ≪『民』の参加で共助の精神生かせ≫
 事態は国民の生命、財産に関わる問題である。何よりも「公」の取り組みが必要なのは言うまでもない。しかし、巨額の借金を抱え国の財政が逼迫(ひっぱく)する中、すべての対策を国に求めるのは無理がある。むしろ長い歴史の中で、この国が農耕民族として培ってきた「共助」の精神を生かし、経済界を含め「民」が幅広く参加する取り組みこそ重要と考える。

 新型コロナウイルスは変異を繰り返し、いまだ未知の部分が多い。こうしたウイルスの正体を解明し、有効な対処方法を発見する手掛かりは、あらゆる可能性を想定して自由な発想で行われた基礎研究の蓄積の中にこそ、見いだされる可能性が強い。新型コロナ禍に対抗するには、応用研究以上に基礎研究が重要ということだ。

 平成15年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、10年後の中東呼吸器症候群(MERS)など頻回な感染症の発生を受け、欧米では多くの国が応用研究の傍ら、安全保障の観点から、さまざまな備えを強化してきた。

 例えばワクチン開発。国が開発資金を支援し、ワクチンを必要とする事態が発生しなかった場合、製薬会社からワクチンを公費で買い取る制度を持つ国もある。米国にはワクチンの有効性を示すデータがあり、使用するメリットがリスクを上回ると判断されれば承認前でも接種を認める緊急使用許可制度(EUA)もある。

 これに対し日本は、公的支援が薄く、巨額の開発費を要するワクチン開発は経営上のリスクが高いとして積極的に取り組む製薬会社は少ない。結果、創薬国でありながら、いまだ国産ワクチンを持たず、政府が外国からの調達に奔走する事態を招いている。

 全国86国立大学に対する国の運営費交付金の減少も基礎研究を後退させている。平成16年度に1兆2400億円だった同交付金は令和2年度には1兆800億円に減り、代わりとなる民間資金も、対象が応用研究に偏る傾向にある。

 ≪阪大に感染症研究の国際拠点≫
 文部科学省によると、平成29年から3年間に世界で発表された自然科学分野の論文のうち他の論文に引用されるなど影響が大きかった日本の論文数は世界10位。19年から3年間の5位から後退し、1位となった中国に水をあけられる結果を招いている。このあたりにも基礎研究後退の深刻な影響が出ている。

 温暖化によるシベリア永久凍土の溶解やアマゾンの熱帯林開発に伴い、未知のウイルスによる感染症のパンデミックが、今後さらに頻回に発生する可能性を多くの専門家が指摘している。このままで国民の安全・安心を守っていくのは難しい。そんな思いで日本財団ではこのほど、大阪大学(西尾章治郎総長)と協同で感染症の基礎研究に取り組む本格的なプロジェクトを立ち上げた。

 阪大は緒方洪庵の「適塾」以来の感染症研究の伝統を持つ。10年間に230億円を支援して感染症研究の基盤構築や人材育成、さらに今回のコロナ禍で見られる情報混乱を避けるための信頼性の高い情報の発信など、社会経済学、心理学も交えた多角的な研究に取り組む計画だ。

 国内外の大学や研究機関、研究者が自由に参加し、研究成果を広く世界に発信する感染症研究の国際拠点とするとともに、「民」が参加する基礎研究開発のモデルに育てたく考える。

 ≪“科学技術大国”の輝き維持≫
 ただし、こうした流れを全国的に広く作り出していくには、やはり財界の総本山である日本経済団体連合会が企業や個人に呼び掛け、国民的な盛り上がりを生み出すような試みこそ必要と考える。そうした形ができたとき、「物理学賞」や「化学賞」「生理学・医学賞」を中心に多くのノーベル賞受賞者を輩出した“科学技術大国”の輝きを今後も維持することが可能になる。

 戦後70年余、わが国は平和憲法の下で豊かな社会を築いてきた。災害大国として、しばしば大規模災害に直面したものの今回のコロナ禍のように、すべての国民が同時に感染の恐怖と向き合う事態は初めてと言っていい。

 とかく軍事面から賛否を争う傾向が強かった「有事」「安全保障」に対する国民の議論にも変化が出よう。国民を巻き込んだ基礎研究、基盤の強化は、そのまま国の強靱(きょうじん)化にもつながる。

(ささかわ ようへい)

「日本財団トイレプロジェクト」―佐藤カズーの製作― [2021年09月21日(Tue)]
「日本財団トイレプロジェクト」
―佐藤カズーの製作―


1.jpg


日本財団が主催する「THE TOKYO TOILET」プロジェクトでは、TBWA\HAKUHODOのチーフクリエイティブオフィサー・佐藤カズーがデザインした公共トイレが東京都渋谷区幡ヶ谷の七号通り公園に設置された。このトイレは2021年8月12日(木)より一般利用を開始している。

「THE TOKYO TOILET」は、渋谷区内にある17カ所のトイレを、性別、年齢、障害を問わず誰もが快適に利用できる公共トイレに生まれ変わらせ、多様性を受け入れる社会の実現を目指すプロジェクト。今回オープンしたトイレは12カ所目の設置となる。

佐藤カズーとTBWA\HAKUHODO Disruption Lab チームによる「Hi Toilet 手をつかわないトイレ」は、すべての動作を声で指示する「ボイス・コマンド(Voice Command)」がコンセプト。

2.jpg

3.jpg


公共トイレは従来から「汚い」と思われがちで、さらにコロナ禍での接触感染を懸念する声も上がっている。そこで、音声認識技術を採用し、ドアの開閉や便器の操作をはじめ、音楽をかけたりすることもでき、クリーンで楽しい時間を過ごせる場所となっている。

4.jpg

5.jpg


最大4mの天井高の真っ白な球形の建物は、空気の流れを制御し、においが滞留しないための形となっており、自然給気と機械排気を組み合わせた24 時間換気システムが導入されている。

佐藤は「コロナのずっと前から取り組んでいたアイデアですが、非接触トイレという点で今までにないUX になると思います。日本の公共トイレの凄みが世界に伝わることでしょう」とコメントしている。

※2021年8月18日付「AXIS編集部」の記事を借用しました。

「10代後半 5%が自殺未遂」―全世代の6%「考えた」― [2021年09月17日(Fri)]
「10代後半 5%が自殺未遂」
―全世代の6%「考えた」―


 日本財団が今年4月、2万人に対して実施したインターネット調査で、昨年4月からの1年間に、2%に当たる約400人が自殺未遂の経験をしていたことが31日、分かった。特に15〜19歳の若い世代では自殺未遂の割合が5%に上り、厚生労働省は相談窓口の利用を呼びかける。

 厚労省などによると、新型コロナウイルスの感染が広がった昨年の自殺者数は、前年より約900人多い2万1081人。リーマン・ショック直後の2009年以来、11年ぶりに前年を上回ったことから同財団が緊急調査を行った。全国の13〜79歳の男女2万人から回答があり、397人が自殺未遂をしたと答えた。15〜19歳では、回答者1098人のうち54人が自殺未遂をしたという。

 「この1年で本気で自殺したいと考えた」と回答したのは、全世代の6%に当たる1181人。15〜19歳に限定すると16%に上昇し、理由(複数回答)は、いじめや学業不振など「学校問題」が65%に上った。

 同財団の担当者は「家族と不和を抱える10歳代は家に逃げ場がなく、『ステイホーム』で不和が強まった可能性がある」と分析する。相談はこころの健康相談統一ダイヤル(0570・064・556)へ。

※2021年9月1日付「読売新聞」です。

(注)この日本財団第4回自殺意識調査の結果は、テレビ朝日をはじめ、特にウェブメディア145社が報道し、9月1日現在、3,779,506件のリーチ数があり、コロナ禍で自宅が中心の生活の中で、非常に深刻な事態となっていることが判明した。
「18歳意識調査 新型コロナワクチン」―ワクチン接種に過半数は前向き― [2021年09月10日(Fri)]
「18歳意識調査 新型コロナワクチン」
―ワクチン接種に過半数は前向き―


感染力が強いデルタ株が猛威を振るう中、ワクチン接種に消極的との指摘もある若者が新型コロナウイルスにどう向き合っているかー。7月、「新型コロナワクチン」をテーマに40回目の18歳意識調査をインターネットで実施し、17〜19歳1000人の意見を聞いた。

会長ブログ用図(新型コロナワクチン).png


この結果、9.1%が「既に接種した」、10.5%が「既に接種予定日が決まっている」と答え、「接種したいが、予定日は決まっていない」(36.6%)を合わせると56.2%がワクチン接種に前向きの回答を寄せた。これに対し22.5%は「接種するかどうか決めていない」、21.3%は「接種するつもりはない」としている。

接種するかどうか決めていない、あるいは接種するつもりはない理由を複数回答で尋ねたところ、「ワクチンの短期または軽度の副作用が不安である」、「ワクチンの長期または重度の副作用が不安である」と副反応を心配する声がいずれも30%を超えた。一方で「若者は新型コロナウイルスに感染しても健康に大きな影響はないと思う」、「国内の新型コロナウイルス感染者数は少なく、自分が感染する確率は低いと思う」といった楽観的な回答も2.5〜1.8%あった。

一方、経済団体などから提案されているワクチンパスポート。ワクチン接種を終えた人に接種完了を示す証明書を発行し、感染拡大を抑えながら経済・社会活動を正常化させるのが狙いで、フランスでは「衛生パス」、イタリア、オーストリアでは「グリーンパス」の名で同様の証明書の発行が進められている。調査では賛成43.6%に対し反対は18.2%(残りは「どちらとも言えない・わからない」)。接種に前向きな回答者の57.1%が賛成しているのに対し、消極的な回答者では賛成、反対がともに26.3%と意見が割れている。

パスポート所有者に対する特典としては、「介護施設や医療施設での面会制限が免除・緩和される」、「会社への出勤や、学校への通学の制限が免除・緩和される」、「国内の旅行や移動の制限が免除・緩和される」といった点を評価する意見が40〜35%(複数回答)と高い数字になっている。

ワクチン接種の関係では8月27日、東京都内の在住者や通勤、通学で東京都を訪れる16〜39歳を対象に予約なしで接種が受けられる会場が東京・渋谷内に開設された。しかし、早朝から多くの人が詰め掛け、予定した300人で早々に受け付けを締め切り。翌日は抽選方式に切り替えたが、350人分の接種券を求め、2000人を超す人が長い列を作り混乱した、と報じられている。

日本財団の調査では「摂取したいが予定日は決まっていない」との回答が36.6%に上っていた。調査は7月16日から5日間、全国を対象に実施しており、時期と対象に違いがあるが、8月末の東京都でも同様に多くの人が接種待ちの状況にあった。東京都の人口は23区だけで900万人を超す。どう少なく見積もっても、接種を待つ人は数万人、あるいは数十万人を超すと見られ、300人や350人の定員で接種会場を設ければ、混乱するのは目に見えていた。東京都の取り組みは不可解と言うしかなく、この辺りにも混乱するコロナ禍対応の一端を見る思いがする。
| 次へ