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「サモラノ大学とは」―中米・ホンジュラス― [2023年05月25日(Thu)]

「サモラノ大学とは」
―中米・ホンジュラス―


日本財団では、安倍元総理の地球儀を俯瞰(ふかん)した外交ではないが、人材教育については、40年前より世界中で実施してきた。

著名世界43ヶ国69大学における修士・博士課程への奨学金制度、世界の障がい者指導者育成のための制度、40年に亘る中国医学生2,280名への日本での教育、世界海事大学(スウェーデン)を中心に、154ヶ国1,665名の海事・海洋の専門家養成、アフリカの少規模農家支援のための大学での農業普及員の養成は9000人を超えた。

また、英国及びスカンジナビア5ヶ国をはじめ、世界各地の大学における日本語教育、ペルー、ベトナム、ミャンマー、カンボジア等での1000カ所近い小学校建設や教科書作りなど、様々な分野で活動してきた。

今回紹介するホンジュラスの通称サモラノ大学(正式名はザモラノ パンアメリカン農業学校)は、中南米の農業発展のために、中米のホンジュラスにアメリカ人のユナイテッドフルーツカンパニーの社長であったサミュエル・ゼムレーが1942年に設立した学校である。

日本財団の活動の中で中米諸国が欠如していたので、この大学の中米諸国からの学生を選抜し、2002年から奨学金制度を開始した。私も二度訪問したが、大学の敷地は何と41Kuで、東京の山手線の内側が63 Ku(約1900万坪)であるから、如何に広大な敷地かはご理解いただけるだろう。

勿論全てがキャンパスではないが、全寮制の男女共学の学生は1000名を超える。卒業生の多くは政府、非営利団体、大学教授、多国籍企業に職を得ている。

日本財団の奨学生は、2002年から2023年の間に200名となった。内訳はペルー13名、エクアドル45名、グァテマラ29名、ホンジュラス27名、ボリビア29名、ハイチ7名、パラグアイ7名、ニカラグア12名、パナマ11名、コロンビア10名、コスタリカ4名、エルサルバトル3名、ベリーズ2名、チリ1名となっている。

出身国別人数.png


これら奨学生のネットワークは、いずれ日本と中南米の距離を縮めてくれる役割の一助になってくれるものと、楽しみにしている今日この頃である。

20221014旗.jpg
大学にある友好の旗

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事業風景

MATS 2024 キャンパスライフ3.png
広大な敷地内でのびのびキャンパスライフ

20221014圃場で活動する学生.jpg
圃場で活動する学生




「石油メジャーと日本企業」―日本財団は支援します― [2023年05月23日(Tue)]

「石油メジャーと日本企業」
―日本財団は支援します―


残念ながら、日本の海洋開発技術は大きく遅れをとっている。なんとかしたいと考え、石油メジャーとの協力関係を構築したいと交渉したところ、快諾を得て、2022年より共同開発が開始された。

提携先の窓口は「ディープスター」で、シェブロン(米国)、シエル(英国)、エクイノール(ノルウェー)など世界中の海洋石油、天然ガスの探査、開発、生産を担う企業や、これら企業に製品・サービスを提供する企業、大学、研究機関などからなる海洋技術開発のコンソーシアムである。

2023年は16件、4億4302万円の支援が専門委員会で採択されたので報告します。

Deep-Star.png

                            総計4億4302万円



「スポーツ選手の社会貢献」―実践活動― [2023年05月22日(Mon)]

「スポーツ選手の社会貢献」
―実践活動―

昨今、スポーツ選手の社会貢献活動が活発化してきたことは喜ばしい。

有名選手が子供たちにスポーツの楽しさを教えたり、障害者スポーツである車イスバスケットを実践することで、車イスに乗ったことのない子供たちが障害者を理解するきっかけになったり、なによりも世界で活躍した名選手と身近で接することが出来て指導までしてくれるので、日本財団の「HEROs」の活動は全国的な盛り上がりになり、希望者が多くて対応に苦慮する嬉しい悲鳴を上げるまでになった。

「HEROs」の皆さんを以下にご紹介させていただくが、日本財団(HEROs)とは直接関係ない人の中にも個々人で活動され、社会的弱者や災害に寄付されているスポーツ選手も多くおられる。

子供の夢であり憧れであるスポーツ選手の社会貢献活動が活発することが、子供たちの健全育成に大きく役立っていることを自覚し、更に大きな輪に広がることを願っている。

以下、日本財団の「HEROs」メンバーの主な方々を紹介します。

1. 安藤美姫 プロフィギュアスケーター 世界選手権優勝者
2. 井上康生 柔道 シドニーオリンピック金メダリスト 東京オリンピック監督
3. 大林素子 バレーボール オリンピック3大会出場
4. 河合純一 パラ競泳 パラリンピック競泳金メダリスト 日本パラリンピック委員会委員長
5. 五郎丸歩 ラグビー 元日本代表キャプテン 静岡ブルーレヴズCRO
6. 佐藤琢磨 モータースポーツ インディカードライバー 元FIレーサー
7. 中田英寿 サッカー ワールドカップ3大会出場
8. 松井秀喜 野球 元ニューヨークヤンキース 
9. 村田諒太 ボクシング 元WBA世界ミドル級スーパー王者 ロンドンオリンピック金メダリスト

その他18名の方々が参加され、それぞれ多忙の中、子供たちの健全育成のためにご協力頂いている。「HEROs」を全国展開して継続的に発展させるため、更なるスポーツ選手の「HEROs」への参加を期待しているところである。

「世界的話題のトイレット完成」―渋谷区内17ヶ所― [2023年05月19日(Fri)]

「世界的話題のトイレット完成」
―渋谷区内17ヶ所―


日本財団は渋谷区の協力を得て公園17ヶ所に、従来の暗い・汚い・臭い・怖いといった理由で利用者が限られていた公共トイレを、世界的に活躍する建築家やクリエイターの協力のもと、この度全てが完成した。

清掃員には洒落た制服を用意し、一日三回の清掃を行っている。17ヶ所のトイレツアーもあるらしく、特に外国人からの人気は抜群で、今や「THE TOKYO TOILET」は日本の世界に誇る「おもてなし」文化の象徴になっているとの声もあるが、これは言い過ぎではないだろうか。

この「The TOKYO TOILET」は、役所広司主演の映画としてカンヌ国際映画祭への出品準備や、世界トイレサミットの東京開催も話題になっているらしい。

以下にご協力下さったクリエイターの皆さんとトイレの場所をお知らせします。

THE TOKYO TOILET
設置するトイレ及び参画クリエイター一覧

トイレ一覧.png


THE TOKYO TOILETロケーションマップ
Location Map.png



安藤忠雄さん.jpg
J神宮通公園トイレ(デザイン・安藤忠雄氏)

隈研吾さん.jpg
K鍋島松濤公園トイレ(デザイン・隈研吾氏)

田村氏.jpg
L東三丁目公衆トイレ(デザイン・田村奈穂氏)

「拙文が大学受験問題に」―大阪樟蔭女子大学― [2023年05月12日(Fri)]

「拙文が大学受験問題に」
―大阪樟蔭女子大学―


気恥ずかしいことだが、私の拙文が大阪樟蔭女子大学の2023年度の入試試験「国語」で、2021年7月16日付産経新聞「正論」に投稿した「『民』参加で新時代の共助社会を」の文章が出題として利用された。先日、著作権料として金一万円也を送付するとの連絡をいただいた。

以前にも一度どこかの大学の入試に拙文が使用されたことがあった。基準は定かではないが、入試問題に利用される文章は著名な作家が多いのではないだろうか。朝日新聞のように購読者獲得のためなのか、よく「天声人語」が入試問題に出ますよと宣伝する時代もあったが・・・。

日本財団が毎月発信する「18歳の意識調査」は、あらゆるメディアで利用されている。スタッフの努力の賜物で、有難いことである。

以下は5月1日付産経新聞の「産經抄」にちょっとだけ顔を出した私の書籍「紳士の『品格』3」(PHP出版)の話である。これは中国の小話を集めたもので、自分が宣伝するのも更に気恥ずかしいことだが、誠におもしろいので一読を勧めします。但し、奥方には絶対にお見せしないように!

産経抄png.png


「こども1万人意識調査」―こどもの日を前に― [2023年05月11日(Thu)]

「こども1万人意識調査」
―こどもの日を前に―


5月5日「こどもの日」の目前に「こども家庭庁」が設置されたこともあり、全国の10〜18歳の男女を対象に、国内最大規模となる「こども1万人の意識調査」を実施した。

4 月に施行された「こども基本法」の着実な施行に向け、政府は 2023 年の秋に基本となる方針を定める「こども大綱」の策定を目指している。日本財団では、同大綱に少しでも多くのこどもたちの意見を反映することを目指し、3月 6 日から 12 日の間、こどもたちの声を広く聴くため、インターネット調査を行った。

調査結果では、国や社会がこどもたちのために優先的に取り組むべきことは、「高校・大学までの教育を無料で受けられること」が 40.3%と最も多く、自由回答でも「教育にかかる費用が大きすぎるとよく親に言われる。無償化か、もっと授業料や入学金をへらしてほしい。(高校 3 年生)」等の声が多く寄せられた。

こども基本法については、60%以上が「聞いたことがない」と回答しており、当事者であるこどもたちへの更なる普及啓発が必要であることも明らかになった。

また、差別を受けた(不当な扱いをされた)と感じたことがあるこどもは約 16%で、約6人に 1 人だった。

こどもの権利を守るためにあるとよい仕組みとしては、「こどもの権利について、もっと学校で教える」、「こどもが困ったことや大人に伝えたいことを伝えるサポートをしてくれる人がいる」などがあがっており、こどもが権利を学ぶことのできる場の創出や、こどもの声をきく仕組みづくりの必要性が伺える結果となった。

■こども意識調査 結果概要


▼こども基本法の認知状況
 詳しく知っている・知っている 8.8%
 聞いたことはない 61.5%

▼こどもの権利条約の認知状況
 詳しく知っている・知っている 9.8%
 聞いたことはない 59.3%

▼まわりのこどもの権利、守られていないもの TOP3:
 こどもは自分に関することについて自由に意見を言うことができ、大人はそれを尊重する 11.9%
 こどもはどんな理由でも差別されない 11.3%
 こどもは教育を受ける権利がある 10.8%

▼こどもの権利を守るためにあるとよい仕組み TOP3:
 こどもにこどもの権利について、もっと学校で教える 29.5%
 こどもが困ったことや大人に伝えたいことを、伝えるサポートをしてくれる人がいる 27.7%
 困ったときに電話、SNS、メールなどで相談できるところがある 26.5%

▼国や社会がこどもたちのために優先的に取り組むべきこと(選択肢)
 高校・大学までの教育を無料で受けられること 40.3%
 いじめのない社会を作ること 36.7%
 本当に困っているこどもの声にしっかり耳を傾けること 30.6%

▼「こども大綱」で取り組んでほしいと思うことや、「こども政策担当」にお願いしたいこと(自由意見)
 「学費・教育費補助・無償化/専門学校・短大・大学の無償化」
 「こどもの意見を尊重/こども目線で考えてほしい/こどもが意見を述べる場を作る/アンケートで意見を集める」
 「いじめ対策」等

■調査概要
 調査手法:インターネット調査
 調査対象者:全都道府県 男女10〜18歳
 サンプル数:SCR3問/本調査30問/本調査10,000サンプル
 集計・分析方法:
 年齢に該当するこどもの親のモニターに対してアンケートを配布し、「こども本人による回答」で回収する
 全国的傾向を把握する目的で『令和2年国勢調査』に基づく人口構成比に合わせてウェイトバック集計を行った
■調査期間:2023年3月6日(月)〜3月12日(日)

「ちょっといい話」その212―ろう者の奨学生が博士号取得へ― [2023年04月28日(Fri)]

「ちょっといい話」その212
―ろう者の奨学生が博士号取得へ―


日本財団が様々な障がい者支援活動を1つの柱にしていることは、読者は御高承のことでしょう。

ろう者の若者の大学教育については、1992年よりアメリカのギャローデット大学やロチェスター工科大学等に、日本はもとより世界中から選抜された若者に奨学金を提供している。卒業後は各国に戻り、ろう者の指導者に成長するだけでなく、インクルージョンを実現しなければならない時代において、一般企業でも活躍してもらいたいと願っている。

今年の日本からの奨学生の一人、金本小夜(かねもとさや)さんは、この事業始まって以来初めて、博士号取得を目指して3年間、イギリスのリーズ大学で「現代ろう文学における日英の比較」を研究し、博士号取得後は日本の大学に勤め「障がい研究を日本の学術的研究の一分野として確立したい」と熱意を込めて語ってくれた。

博士号取得に情熱を燃やす金本小夜さんに3年後お目にかかれることを楽しみに、心の中で拍手をして送り出した。

23.04.18 金本小夜様1.png
日本財団マークの前でツーショット

「自殺意識調査」―増加傾向にあり― [2023年04月26日(Wed)]

「自殺意識調査」
―増加傾向にあり―


少子高齢化の時代の中で、18歳未満の死亡の原因の一番が自殺であることに大いにショックを受けました。

世界でもまれに見る現象であり、未成年の自殺率が最も深刻な長野県と共に「子どもの自殺危機対応チーム」の設置や、ゲートキーパー養成講座を実施する団体への支援等、「誰も自殺に追い込まれることのない社会」を目指し、力不足ながら懸命の努力をしているところです。

以下、第5回自殺意識全国調査の結果です。

日本財団は、全国の男女約 1 万 4 千人を対象に 5 回目となる自殺意識 調査を行いました。対象を前回調査の 15 歳〜79 歳から、18 歳〜29 歳の若年層中心に変更しており、 死にたいと願い自殺を考える「希死念慮」を経験した人は、前回の 15 歳〜19 歳の「約 3 人に 1 人」か ら「約 2 人に 1 人」と、一概に比較するのは難しい面がありますが、増加傾向にあると思われます。性 被害経験のある人の希死念慮経験は 7 割を超え、中でもトランスジェンダー・ノンバイナリー(※1)など 性的マイノリティの人がより多く性被害を受けている実態も明らかになっています。希死念慮や性被害に ついて、「誰にも相談しなかった」人は3〜5 割を超え、各種支援サービスの認知向上や社会全体で支える 雰囲気・仕組みづくりの必要性も改めて浮き彫りにされています。

※トランスジェンダー:出生時に割り当てられた性別と性自認が異なる人 ノンバイナリー:性のあり方が男性か女性という性別二元論にとらわれない人。英語圏では主に「ノンバイナリー」 や「ジェンダークィア」といった言葉が使われ、日本語圏では主に「Xジェンダー」が用いられている。
参照元:LGBTQ ガイドライン 多様な性のあり方の視点から 第 2 版

調査結果の詳細は、下記からご覧ください。
要約版:
詳細版:

■調査背景
日本では1998年以来、年間自殺者数が3万人を超え続けていたことを受け、自殺対策基本法の制定等の 取り組みが強化されました。その結果、2010年以降自殺者数は連続して減少してきていましたが、依然 として日本の自殺率は15.7%と先進7カ国(G7)で突出して高く、とりわけ若年世代(15〜39歳)の死 因第1位が「自殺」なのは日本だけ※1 です。また、2020年には10年間減少を続けていた自殺者数が増加 に転じ、警察庁・厚生労働省は、令和3年は令和2年と比較して、経済・生活問題、家庭問題、その他、 勤務問題が増加したとしています※2 。日本財団では、こうした中で改めて若年層の自殺意識について把握 するため、今回自殺意識調査を実施しました。

■第 5 回自殺意識調査 結果概要

・若年層の希死念慮(回答者数 14,555 人):
 希死念慮経験あり 44.8%、希死念慮経験なし 55.2%
・性被害経験が希死念慮にあたえる影響
 性被害経験あり(回答者数 2,148 人):
    希死念慮経験あり 76.4%、希死念慮経験なし 23.6%
 性被害経験なし(回答者数 12,407 人):
    希死念慮経験あり 39.3%、希死念慮経験なし 60.7%
・性別ごとの性被害経験
 全体(回答者数 14,685 人):
    性被害経験あり 15.3%、性被害経験なし 84.7%
 トランスジェンダー・ノンバイナリー・その他:
    性被害経験あり 36.3%、性被害経験なし 63.7%
※「トランスジェンダー・ノンバイナリー・その他」は、本調査中で性自認に関する設問(あなたは今のご自分の性別を、 出生時の性別と同じだととらえていますか。)で、「別の性別だととらえている」「違和感がある」「答えたくない」を選択した 者を指す。
・希死念慮・性被害経験の相談経験
 希死念慮:誰にも相談しなかった 56.6%
 性被害経験:誰にも相談しなかった 36.8%
・公的サービスの認知度
 希死念慮経験あり(回答者数 6,474 人)
 支援サービスを耳にしたことがない 42.2%
 性被害経験あり(回答者数 2,155 人)
 支援サービスを耳にしたことがない 53.5%

「スポーツ白書2023」―笹川スポーツ財団― [2023年04月18日(Tue)]

「スポーツ白書2023」
―笹川スポーツ財団―


近年、コロナ禍の影響やスマホの乱用で子どもたちの体力低下が心配されている。

日本財団の姉妹財団である笹川スポーツ財団では、1996年以来3年毎に「スポーツ白書」を公表し、我が国における現状分析を客観的に行うとともに、スポーツ関係者に政策の立案や執行に役立ててもらいたいと願って、今年で10回目となる「スポーツ白書2023」を出版した。

目次は、
第1章 スポーツ政策
第2章 スポーツ財源
第3章 スポーツ参加
第4章 スポーツと健康増進
第5章 子どものスポーツ
第6章 障害者スポーツ
第7章 スポーツ産業の振興
第8章 スポーツと地方創生
第9章 スポーツ人材
第10章 ハイパフォーマンススポーツ
第11章 スポーツインテグリティ
第12章 スポーツによる国際開発

スポーツ白書2023.jpg
「スポーツ白書2023」の表紙


300頁の白書ですが、スポーツ界の現状と問題点、将来の在り方等々、示唆に富んだ内容になっているので、スポーツ関係者には是非一読をおすすめしたい。

白書の詳細はこちらからご覧いただけます。

「中国の台湾戦略」―武力だけではない― [2023年04月10日(Mon)]

「中国の台湾戦略」
―武力だけではない―


「中国の台湾開放で緊張が高まり、軍事侵攻が近づいている」との元米軍最高幹部の発言以来、台湾をめぐる米・中の争いは緊迫の度合いを深めているが、私は中国の外交はそんな単純なものではないと、素人ながら考えている。

なにしろ「孫氏の兵法」の国である。ソロモン諸島が中国と安全保障について合意に達したことから、米国はにわかに太平洋島嶼国に注目するようになったが、その対策は始まったばかりである。

中国の外交は「戦狼外交」から脱皮してサウジアラビアとイランの関係修復の仲介をして米国の面子を潰しただけでなく、西側諸国を大いに驚かせたことは最近のことである。

中国の台湾解放戦略について、専門家や識者の間では盛んに武力侵攻についてのみ論じられているが、実は手段として、静かな外交的解決もあるのである。

2013年6月に習近平・オバマ会談が行われた際、習近平から「太平洋には二つの大国にとって十分な空間がある」との発言があった。メディアは冷笑に近い報道をしていたように記憶しているが、中国共産党は当時から台湾問題解決のために確固たる太平洋島嶼国戦略を実行していた。

現状を見れば、台湾と外交関係にある太平洋島嶼国はたった4ヶ国だけである。台湾を武力制圧する方法に加え、もう1つの戦術は台湾が有する外交関係諸国をゼロにし、更に国際機関全てから台湾を排除することである。事実、世界的なパンデミックとなったコロナ禍でも、台湾はWHO(世界保健機関)のオブザーバー資格すら認められなかった。

最近ホンジュラスが台湾と断交した。残された国はツバル、マーシャル諸島、パラオ、ナウルの太平洋島嶼国を含む13ヶ国になってしまった。台湾の外交関係がゼロになり国際機関からの排除が進むと、20〜30年後には地図上の台湾はいずれ中国と思われる時代がやってくるかもしれない。米国にはこれも中国の戦略の方法であるとの認識が欠如していると思われてならない。

台湾と外交関係がある国は下記の13ヶ国である。

<太平洋島嶼国(4カ国)>
ツバル、マーシャル諸島、パラオ、ナウル

<欧州(1カ国)>
バチカン

<中南米(7カ国)>
グアテマラ、パラグアイ、ハイチ、ベリーズ、セントビンセント・グレナディーン、セントクリストファー・ネビス、セントルシア

<アフリカ(1カ国)>
エスワティニ(旧スワジランド)
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