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resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
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「日本財団18歳意識調査」―GDP・新NISA・モビリティ― [2024年03月15日(Fri)]

「日本財団18歳意識調査」
―GDP・新NISA・モビリティ―


日本財団は昨年 12 月、「GDP・新 NISA・モビリティ」をテーマに60 回目の 18 歳意識調査を実施しました。

IMF(国際通貨基金)がわが国の GDP(国内総生産)について世界 3 位から 4 位への転落を予測するなど、国力の陰りが見られる日本の将来に対し 、1000 人の回答者の約 7 割が「不安がある」と答え、6 割は自分の将来についても「不安がある」としています。

今年 1 月にスタートした新 NISA 制度(少額投資非課税制度)については 4 割以上が「知っていた」と回答。投資による資産形成についても 4 割以上が「関心がある」と答え、魅力ある投資先として男性は先進国の外国株式、女性は国内株式を高く評価する傾向が出ています。

将来の自動車やモビリティ(ヒトやモノの移動)に関する質問では、期待のトップが「事故の減少」、次いで「道路渋滞の解消」、「移動による環境負荷の低減」が続いています。逆に不安を感じる事項としては「高齢者による事故の増加」が 4 割近くを占め、一定年齢に達したら免許返納を義務化する案に 7 割近くが「賛成」と答えています。

結果の概要


▼日本の名目 GDP ランキングの転落見通しを踏まえた将来についての不安:
日本の将来 不安がある 70.8%/不安はない 12.7%/特に何も感じない 16.5%
自分の将来 不安がある 62.9%/不安はない 19.9%/特に何も感じない 17.2%
※不安があるは「不安がある」「少し不安がある」の合計、不安はないは「不安はない」「あまり不安はない」の合計。
▼新 NISA 制度開始についての認知:
知っていた 44.0%/知らなかった 56.0%
※「知っていた」は「具体的な内容を含め、新 NISA 制度が始まることを知っていた」「具体的な内容は知らないが、新 NISA 制度が始まることは知っていた」の合計。
▼高齢者の免許返納義務化についての考え:
一定の年齢に達したら免許返納を義務化 賛成 77.2%/反対 8.3%
※賛成は「賛成」「どちらかといえば賛成」の合計、反対は「反対」「どちらかといえば反対」の合計。

【調査結果抜粋】

● 日本の将来についての不安
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● 投資による資産形成への関心

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● 高齢者の免許返納義務化

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■調査概要
第 60 回「GDP・新 NISA・モビリティ」
調査対象:全国の 17 歳〜19 歳男女、計 1,000 名
実施期間:2023 年 12 月 1 日(金)~12 月 4 日(月)
調査手法:インターネット調査

「キリマンジャロ登頂に成功」―影に強力な助っ人あり― [2024年03月13日(Wed)]

「キリマンジャロ登頂に成功」
―影に強力な助っ人あり―


キリマンジャロ(5895メートル)登頂には強力な助っ人が二人いた。

一人は愚息の一人、三男・光平が一年前に先験隊として登頂し、現地の状況把握、優秀なポーターのいる会社との綿密な打合せ、そして経験に基づく登山用品や装備品、高山病対策の医薬品等の購入、そして何よりも、東京で低酸素トレーニングを何度も行い、詳細にわたる万全の準備をしたこと。

もう一人は、私のブログで同行医師を求めたところ、沖縄より声を上げてくださった池田知也医師で、彼の参加なくしては素人集団の我々の登頂は全く不可能であった。沖縄での多忙な医師活動の中、私の無謀な壮図に男の心意気を感じて参加して下さった賜物である。

池田医師は「国境なき医師団」のメンバーとして世界各地の紛争地で医療活動に従事され、休暇を利用して日本の100名山の単独登頂は勿論のこと、
2012年 キリマンジャロ(アフリカ)  5895m
2014年 エルブールス(ロシア)    5642m
2015年 アコンカグア(アルゼンチン) 6962m
2015年 ヴィンソン・マシフ(南極)  4897m
2022年 エベレスト(ネパール)    8848m
2022年 マッキンリー(アメリカ)  6190m
2024年 コジオスコ(オーストラリア) 2228m
以上のように、7大陸の最高峰の登頂に成功された日本を代表する名アルピニストであり、驚くべきことに、写真のようにプロボクサーとしても活躍されておられる。

池田医師 国境なき医師団の一員として帝王切開に対応.png
池田医師
国境なき医師団の一員として帝王切開に対応
(出典:MSF)

池田医師 プロボクサーとして勝利の瞬間.png
プロボクサーとして勝利の瞬間
(出典:ブログ「天上天下無我夢中」)


常に微笑を絶やさず温和な人柄の中に秘めたる闘志には敬服、感服以外の言葉もないが、一度だけ厳しい表情で話されたことがあった。

頂上を目指す最終アタックの出発時間23時を前にした夕食時、我々が和気あいあいと談笑していたところ、突然池田医師は「私は医師ですが、最終アタックでは皆さんを助けることは何も出来ません。慎重に一歩一歩登って下さい」の発言に一同粛然(しゅくぜん)とした。池田医師が我々のなごやかな談笑をご覧になって緊張感のない雰囲気を察知され、何度も生命の危機に遭遇された登山の経験からの注意であった。

その発言の後はまるで通夜の席のようになってしまったが、皆さん頭を垂れて決意を新たにしているようであった。最終アタックは23時きっかりにスタート。真っ暗闇の中をヘッドライトだけを頼りに私は2番手として先頭のポーターの足元だけを見つめて牛歩のごとく30〜40cmの歩幅で足場を確保しながら登って行く。出発から20〜30分はいつも筋力がほぐれず苦しい思いをするが、その後は順調な足取りとなる。

ところが、暗闇の中での小休止(立ったまま)の折、池田医師と愚息から、「後から観察していると腰が定まらずフラフラしているので滑落の危険があります。もう一度同様の状態になった場合は登頂を諦めて下山してください」との予想外の厳しい指摘を受けてしまった。

事前に登頂の可能性は10%程度と考え、登頂失敗のお詫びの準備と、既にセルビア共和国で丸坊主になってはいたが、後から厳しい視線を受けているとは全く気付かなかった。幸いその後は順調で、最終アタック6時間30分後、幸運にも日の出前の5時33分に念願の山頂に立つことに成功し、池田医師と手にはめていた二枚の手袋を脱ぎ、男同士の固い握手を交わすことができた。しかし、なぜか話をしたいのだが感極まって言葉が全く出てこない。ただ「ありがとう」の言葉だけがやっと口から出てくれた。

無題.png
登頂成功!! 池田医師と固い握手


素人集団に適切な助言を下さった池田医師のお陰で全員登頂に成功したことに、万感の思いを込めて感謝の誠を捧げます。

ありがとう!! ありがとう!!

「中国の小話」その321―売春婦は国家に貢献― [2024年03月08日(Fri)]

「中国の小話」その321
―売春婦は国家に貢献―


公安局:スリはせず、強奪もせず、政府に抗議しない。

国土局:土地を利用せず、建物を使用せず、ベッド一つで営業はできる。

環境局:騒音を出さず、汚染もつくらず、偶に呻き声を出すのみ。

開発局:資産を所有せず、ローンを借りず、自前で生産活動を行う。

工商局:信用を守り、愛想がよく、顧客の欲求を満たす。

組織部:顔つき、年齢も問わない、共産党幹部育成に力を惜しまない。

経済貿易局:内需を刺激し、外貨獲得できる。

「胆石除去手術」―海外活動のため― [2024年03月06日(Wed)]

「胆石除去手術」
―海外活動のため―


胆石とは、胆汁の成分から形成される胆管または胆のう内の結石のことだそうだ。

2月12日、アフリカのキリマンジャロ登頂成功に喜んだのは私だけでなく、私の内部に静かに鎮座していた1cmほどの胆石1個と3個ほどの小さな胆石まで喜んで、帰りのドーハ空港での待機中に踊り出した。さすがの私もたまらず2時間ほど七転八倒、冷汗をかいて悶え苦しんでしまった。これぞ!!本当の獅子身中の虫です。

今後の海外活動で再発しては大変と、明日7日に除去手術を受けることになった。全身麻酔だそうだが二泊三日で土曜日には退院予定なので、来週の火曜日からロンドン経由でポルトガルのリスボンに飛び、エコノミストと共催の「ワールド・オーシャン・サミット」に参加。来年の日本での開催のための引渡式典に出席。二泊四日で15日(金曜日)に帰国。

一日おいて17日(日曜日)から23日(土曜日)までベトナム訪問の予定。

楽観主義者の私ですが、胆石を取り除いた直後ですので、慎重に活動して参りますのでどうぞご安心を!


「新聞は劣化しているのか」―私の恋人『新聞』― [2024年03月01日(Fri)]

「新聞は劣化しているのか」
―私の恋人『新聞』―


私は毎日、新聞を読むのが何よりの楽しみで、朝日、産経、日経、読売、毎日の5紙は必ず読んでいる。

2007年6月13日のブログで新聞を『恋人への願望』として掲載した。現在も私にとって毎日の楽しみであることに違いはない。しかし2月25日(日曜)の上記5紙の広告の多さには驚かされた。

近年、各紙販売部数減が顕著であることは承知していたが、あまりの広告の多さと記事内容の貧弱さに、新聞業界の置かれている苦悶に同情を禁じ得なかったのと同時に、今や死語となっている「警世の木鐸」(世人を覚醒させ教え導く役割)の精神を復活していただきたいと切に願っている毎日である。

かつての激烈な販売部数獲得競争は終わり、今やスマホが中心となり、自宅で新聞を購入しない、読まない若者が激増中である。各社とも海外駐在事務所は減少の一途にあり、「外電砂漠」とも言われ、グローバリゼーションの中で世界あっての日本にもかかわらず、質の良い海外ニュースは激減している。

近頃の政治家のパーティー券問題では、なぜ政治に金が必要かの本質論を外れ、まるでクオリティーペーパーがイエローペーパーへと変質している。何故、政治に金が必要なのか、本質的問題に対する問い掛けもない。各社に多数存在する政治部記者は、日常的に政治家に接触しながら情報を収集し、時に飲食を共にし、事実上の“接待”も受けている。そうした現実を反省している新聞も見当たらなかった。

新聞記者が「警世の木鐸」としての倫理と法令順守が必要なことは言うまでもない。貧すれば鈍する(品性がさもしくなる)と言うが、2月25日(日曜)の朝刊を読み比べ、あまりの広告の多さに唖然とし、計算してみたら下記の通りであった。

新聞.jpg


新聞はかつて読売新聞の渡辺恒雄主筆の努力で郵政省の第三種郵便の資格として、記事と広告の比率を50%と50%に引き上げられた。しかし、前記の表の通り、朝日新聞は34ページの内20ページに広告であり、2月26日(月曜)の日経は、36ページ中なんと、21ページが広告であった。明らかに第三種郵便物の基準違反である。多分、各紙恒常的に行われているのかも知れない。

新聞大好きの人間からのお願い。
警世の木鐸たる新聞の社会批判大いに歓迎、しかし、まず「隗より始めよ」

※再録
2007年6月13日掲載ブログ「恋人への願望」

私の恋人は新聞である。毎朝5時過ぎには出迎える。しかし、最近の恋人は少々我儘になって、訪れる時間がその日によって異なるのである。

内緒の話、私の恋人は3人である。したがって、雨の日も風の日も雪の日も、2〜3度は出迎えに出なければならない。逢えば抱擁し、世の中で起こったことや意見を聞くことに時間をかける。

私が待っているのに6月11日には来なかった。事前に休ませてもらいたいとは聞いていたが、あるいは来るかもしれぬと思い、午前5時には雨の中、傘をさして出迎えに出た。

勿論、貴女は来るわけもないのだが、長い間の習慣で、現実をみないと納得できないのである。

いかに貴女を愛しているかわかって欲しい。

若い頃、好意を持った女性から「ひょっとして手紙が来ているのでは」と期待に胸を膨らませ、郵便受けに手を入れ「やっぱりなぁ」と思った気持ちによく似ている。

かつてはそれぞれに個性があって楽しかったが、最近は個性があるのは1人になってしまった。話の内容もほとんどが通俗的で、どこかで聞きかじったことを単に伝えてくれるだけになってしまった。

私は、「欧米では存在そのものを問われるほど危機感があるよ。テレビやインターネットのような競争相手に負けてしまうよ」と伝えて久しい。

頭ではわかっているが体が動かないらしく、一応深刻な顔をするが、内心では、当分の間は大丈夫だと思っているようである。

かつて、我が恋人は充分に魅力的であった。深い洞察力と確固たる信念は、私を魅了してくれた。最近は自信がないのか、鍋、釜、洗剤で自身の魅力の減少を補おうとしている。

そして「私の恋人は何百万人もいる。なかには1000万人もいる」と厚化粧の限り振舞っている。

私は毎日逢いたいのに、貴女は仲間と相談した結果、1年に12回は休みたいという。その上、車代も仲間と相談して決めているらしい。

しかし、私の友人の話によると、関西方面では3カ月無料とか、4年間なら最初の1年は無料でという人も出てきたという。私への一方的説明と実際は大いに異なるらしい。

私のような人間は、まだまだ恋焦がれているが、若い世代は、既に貴女達を恋人の対象から外し、どんどん新しい分野の人を恋人にしている。しかし、私の恋人はまだ自信満々のようである。

貴女達には『警世の木鐸』としての重大な責務がある。
将来を担う若者が魅力を感じるよう、大いなる変身を期待しているのだが・・・。

「ゆいごん川柳」―受賞作品決定― [2024年02月19日(Mon)]

「ゆいごん川柳」
―受賞作品決定―


日本財団では1月5日を『遺言の日』とし、万一の場合、残された家族にトラブルが発生しないよう、遺言書の作成キャンペーンを全国で展開している。

また可能ならば、お世話になった社会の恵まれない方々に、財産の一部を日本財団を通じて遺贈していただくこともお願いしており、既に数百通の遺贈を含む遺言書をお預かりしている。

ゆいごん川柳は、過去最高の15,313作品の応募があり、選考委員の落語家・桂ひな太郎さん、相続遺言専門行政書士の佐山和弘さんなどの協力で、大賞1作品、入選3作品、佳作6作品、特別賞2作品、計12作品が選ばれた。

大 賞:我が子なし 母なる地球に 遺贈する(ヒジキさん/50代/東京都)

入 選:行間に 介護のお礼 にじみ出る(きつねダンサーさん/50代/大阪府)

入 選:遺言書 一日延ばしで 認知症(鶴の長命さん/70代/東京都)

入 選:AIに 自分で書けと 叱られる(風まかせさん/60代/群馬県)

佳 作:遺言は 死ぬ前よりも ボケる前(jumarosaryさん/50代/広島県)

佳 作:遺贈寄付 決めた自分を ちょっと褒め(森みのりさん/60代/神奈川県)

佳 作:幸せを 子孫に分ける 遺言書(章香堂さん/60代/富山県)

佳 作:愛してる 初めて言えた 遺言書(く〜さん/40代/千葉県)

佳 作:ありがとう あなたとだから 生きられた(Maiさん/30代/佐賀県)

佳 作:書き終えて 安心したか 余生延び(江戸川散歩さん/70代/千葉県)

三井住友信託銀行賞:ゆいごんの 向こうに父の 生真面目さ(かずちゃんさん/60代/兵庫県)

三菱UFJ信託銀行賞:共に逝く 約束破り 筆を取る(竜宮の使いさん/70代/兵庫県)




「中国の小話」その320―最愛の人― [2024年02月09日(Fri)]

「中国の小話」その320
―最愛の人―


中国建国の功臣で、後に工兵部隊の司令官を務めた名将軍が68歳の時、長年連れ添ってきた糟糠の妻と離婚し、文芸兵出身で当時28歳の若い女性と再婚しました。結婚後、若い夫人は献身的に将軍に尽くし、仲睦まじい二人は18年間共に生活しました。

将軍は85歳で病に倒れました。亡くなる間際、夫人は将軍の耳元で優しい声で「あなたにとって一生最愛の人は誰ですか?」と聞きました。というのも、前妻は十代の時に将軍と結婚し、将軍との間に6人の子供を儲けていました。彼女は将軍の最期を看取る自分と前妻のどちらが将軍の心の中でより高い地位にあるかを確認したかったのです。

すると老将軍は生命の最後の力を振り絞り
「最愛の人は毛沢東だ・・・」と答えました。

ハンセン病差別撤廃のための「グローバル・アピール」―WHO本部から発信― [2024年02月06日(Tue)]

ハンセン病差別撤廃のための「グローバル・アピール」
―WHO本部から発信―


笹川ハンセン病イニシアチブは、1月31日、スイス・ジュネーブのWHO本部において「ハンセン病差別撤廃のためのグローバル・アピール2024」式典をWHOと共催しました。

式典では、WHO事務局長テドロス・アダノム博士と共に、ハンセン病に対する正しい知識を広めることでいわれのない差別をなくし、治療が可能な病気のために人々が社会から取り残されることがないようにと訴える宣言文に署名しました。

ハンセン病差別撤廃のためのグローバルアピール.jpg
式典で宣言文を読み上げる子供たちを見守る
WHO事務局長テドロス・アダノム博士(右)と筆者(左)


グローバル・アピールは2006年にスタートし、今年で19回目を迎えました。毎年、1月の最終日曜日の世界ハンセン病の日前後に、世界的に影響力のある団体や個人をパートナーに迎え、ハンセン病に対する差別の撤廃を広く呼びかけています。これまで、ノーベル平和賞受賞者、世界法曹協会、世界医師会、列国議会同盟などがパートナーとなりましたが、今年は、そのリストにWHOが加わりました。

イベントは若手バイオリニストのジュゼッペ・ジッボーニ氏と吉本梨乃氏によるストラディバリウスのミニコンサートで華やかに幕を開けました。

国連ハンセン病差別撤廃特別報告者のベアトリス・ミランダ・ガラルザ氏はビデオメッセージで、年間約20万人の新規患者と、数百万人のハンセン病による障害を負った人々が存在することを考えると、人権の原則に根差したサポートとケアシステムの確立が急務であるとし、質の高いサポートとケアシステムへのアクセスを保証することは、人権上の義務であるだけでなく、ハンセン病回復者とその家族に対する差別を撤廃するための必要条件でもあると語りました。

世界で最もハンセン病の新規患者数が多いインドのWHO国代表のロデリコ・オフリン博士は、2023年からの同国のハンセン病対策5か年計画において、ハンセン病への差別撤廃と人権擁護を優先事項に掲げるとともに、現在も90近く残るハンセン病当事者への差別法の廃止とメンタルヘルス問題への取り組みの必要性を強調しました。

また、世界第5位の患者数を持つバングラデシュのWHO国代表のバーダン・ユング・ラナ博士は、2019年と2023年のハンセン病全国会議(笹川ハンセン病イニシアチブが共催)において、シェイク・ハシナ首相がバングラデシュから2030年までにハンセン病をゼロにすることを宣言したことに言及し、目標達成に向けて、政府や民間パートナーと協力する姿勢を示しました。

テドロス事務局長と筆者の対談では、筆者よりWHOと笹川ハンセン病イニシアチブがこれまで50年に亘りハンセン病対策活動を共に行ってきたことについて、50年も続く活動は珍しいことだが、この長い協力関係の結果を出さなければならないと述べると、テドロス事務局長は、ハンセン病ゼロに向けて行うべきことはWHOの世界ハンセン病戦略2021-2030に明記しており、これを各国が実施することをWHOは全力で支援すると誓いました。人を中心に据えたアプローチを通じてコミュニティの協力を促進し、偏見と差別を排除することで、早期の診断・治療を可能とし、障害を予防できることを強調しました。筆者はグローバル・アピール終了後タンザニアに向かい、「Don’t Forget Leprosy」キャンペーンのために、2月7日からキリマンジャロ登頂に挑戦します。

※笹川ハンセン病イニシアチブについて
笹川ハンセン病イニシアチブは、筆者と笹川保健財団および日本財団がハンセン病のない世界の実現を目指す戦略的アライアンスです。筆者が会長を務める日本財団(1962年設立)と、ハンセン病対策に特化した財団として設立された笹川保健財団(1974年設立)は、50年近くにわたり世界各地でハンセン病対策に取り組んでいます。「医療面」では、1975年以降、WHOを通じて世界各国政府によるハンセン病対策を支援しており、その累計は約2億ドルにのぼります。また、「社会面」については、日本政府などと連携し、国連総会における「ハンセン病患者・回復者・その家族らに対する差別撤廃決議」の採択(2010年)や、国連人権理事会を通じた国連ハンセン病差別撤廃特別報告者の設置(2017年)に大きく貢献しています。

※ハンセン病について
ハンセン病は、らい菌が主に皮膚や神経を侵す慢性の感染症で、年間20万人程度の新規患者数が毎年報告されています。治療法が確立された現代では薬を服用すれば治る病気ですが、治療の開始が遅れたり、中断したりすると、抹消神経が障害を受け、手足・顔面の知覚麻痺や筋力低下などの身体的な障害につながることがあります。推定300万〜400万人がハンセン病によって何らかの障害を持ちながら生活しているとみられています。また、ハンセン病は治る病気にも関わらず、多くの回復者およびその家族が、社会の根強い偏見や差別に今なお苦しんでおり、教育や雇用、社会参加の機会が制限されるなどの問題が残っています。

「能登地震支援金」―12万1000件を越える― [2024年02月05日(Mon)]

「能登地震支援金」
―12万1000件を越える―


私は東日本大震災の折、災害時の寄付である支援金と義援金は異なると指摘した。支援金は主に災害発生時に人命救助や被災者の救援活動である避難所での生活支援を中心にした緊急に必要な活動資金のことで、今回の能登地震では支援金募集が中心となり、「義援金」の言葉はほとんど見られなくなった。

日本財団の災害時の活動実績が国民の皆さまからある程度評価を頂けるようになったのか、2月1日現在、寄付件数121,715件、金額は668,786,207円となっており、誠に有難いことで、責任をもって活用させて頂きます。

東日本大震災では、心ないメディアが有名人の寄付を売名行為と切り捨てる記事も多くあったが、今回はその手の記事がないことも喜ばしいことである。元スマップの稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さんは「新しい地図」として、ファンの皆さんはもとより3人も多額の寄付をされ、中居正広さんも「新しい地図」に3000万円を寄付され、「LOVE POCKET FUND」基金として日本財団の支援活動に提供してくださった。

近年、日本人の特質である「利他の心」で多くの国民が自分ごととして社会貢献活動に寄付されるようになった。問題は寄付を頂く側の説明責任と透明性の必要である。今回も多くのメディアを中心に積極的な募金活動が行われているが、集まった支援金総額とその支途について、是非公表してもらいたいものである。

中居さん.jpg
3000万円寄付してくださった中居正広さん


最後に、日本財団の能登地震でのユニークな活動を報告させて頂きます。

1月18日のブログで報告したように、災害時に小型重機を活用する災害専門のボランティアグループへは、緊急対応のために事前に1グループ300万円を支給しており、「いざ鎌倉」の際は一刻も早く現地に入るネットワークがあることは報告しましたが、今回の能登地震では道路の崩壊もあり、陸路からの支援活動は困難を極めております。

日本財団では、国土交通省の港湾局や地元漁業組合の了解も得て、唯一、海上からRORO船を活用して日々刻々変わる被災者の要望や各自治体の希望を受けて、毎日大規模な支援活動を行っております。小型重機、脱衣所付きの温水シャワー(一日50人使用可能)、コロナの発生を考えて衛生的な何回でも使用可能な循環式の手洗器、発電機、ガソリン、防寒衣類、又、老人の睡眠不足解消のための高級マクラの配布等々、自治体、被災者のご要望を受けて懸命に活動しております。

※RORO船とは、荷物を積んだトラックごと船に載せて運べるのが特徴。
「コンテナのように現地で荷さばきや仕分けが必要なく、追加の人手がかからない。被災地にトラックでそのまま物資を届けられる」

海上輸送で灯油、軽油、発電機が被災地に到着@.png
物資を積んだトラックとRORO船(金沢港 10日11時頃)



「テドロスWHO事務局長との共同声明」―世界ハンセン病の日― [2024年02月02日(Fri)]

「テドロスWHO事務局長との共同声明」
―世界ハンセン病の日―


私とテドロスWHO事務局長の二人で1月31日、世界ハンセン病の日に合わせて共同声明を世界に向けて発信致しました。

以下、WHOの記事の仮訳です。
英語の原文はこちらです。)

***********

2024年世界ハンセン病の日における共同メッセージ
〜テドロス・アダノム・世界保健機関(WHO)事務局長と
ハンセン病制圧大使である笹川陽平氏による共同メッセージ〜


ハンセン病は世界で最も古く、かつ誤解されている病気の一つです。既に30年以上前から治療可能となっていますが、いまだに社会的なスティグマの対象となっています。

ハンセン病は、主に皮膚、末梢神経、粘膜、眼に影響を及ぼす感染症であり、多剤併用療法(MDT)と呼ばれる薬で治療できます。治療を受けない場合、障害を引き起こす可能性があります。

ハンセン病と病気にまつわる問題のない世界を実現するには、医療だけでは不十分です。感染の停止とハンセン病の制圧が進むにつれ、病気に伴う社会的および心理的側面にも対処する必要があります。

ハンセン病に関連する社会的スティグマを解消し、この病気に苦しむ人々の尊厳を尊重するために、共にさらなる努力をしなければなりません。

スティグマがあることで、人々は治療をためらい、結果として障害が発現するリスクが上昇し、また新たな感染につながります。したがって、ハンセン病の制圧には、政治的なコミットメントを再確認し、治療サービスへのアクセスを改善するのみならず、スティグマを解消し、ハンセン病に苦しむ人々の社会参加を増やすための認識向上も必要です。

WHOの「2021-2030年ハンセン病世界戦略:ハンセン病ゼロへ」は、スティグマの解消と人権の尊重などを4つの主要な柱としています。これは2006年に笹川ハンセン病イニシアチブによって開始され、ハンセン病患者、回復者その家族に対するスティグマと差別の解消を目的に毎年発出されるグローバル・アピールの目標でもあります。

今年はWHOと笹川ハンセン病イニシアチブによって共同でグローバル・アピールを発出します。今年のグローバル・アピールを支持することで、WHOはこれまでハンセン病に苦しむすべての人々が尊厳を持って生活し、基本的な人権を享受できる世界に向けた取組みに賛同してきた個人や団体のリストに名を連ねることになります。

WHO と笹川ハンセン病イニシアチブは、以下の手順を通じて、地域社会のすべてのメンバーが果たすべき役割を持ち、ハンセン病のない世界に向けて貢献できる、十分な情報が提供されたインクルーシブな社会を追求していきます:

自己の教育:
ハンセン病に関する正確な情報、完治する病気であること、早期治療の重要そして可能な予防方法を学びます。

治療の推奨:
ハンセン病と思しき症状があった場合、迅速な治療が不可欠です。薬はすべての国で無料で利用可能です。人々に助けを求めることが重要です。

差別の解消:
健康状態に関係なく、すべての人に対して思いやりと尊重を示します。

社会の啓発:
ハンセン病に関する正確な情報を共有し、コミュニティ内の誤った固定観念の是正に努めます。

今回のグローバル・アピール「ハンセン病患者、回復者その家族に対するスティグマと差別の解消」は、「ハンセン病を忘れないで(Don’t Forget Leprosy)」キャンペーンの一環として行われる3回目のグローバル・アピールであると同時に、WHOが毎年1月30日の世界の顧みられない熱帯病(NTD)の日において、ハンセン病を含む21の疾患に対する関心を喚起致します。

これらのイニシアチブ:
世界の顧みられない熱帯病(NTD)の日、世界ハンセン病の日、グローバル・アピール、そして「ハンセン病を忘れないで」キャンペーンは、私たちを一つにまとめ、ハンセン病のない世界に向けた取組みを加速させることができます。

世界ハンセン病の日にあたり、支援が届かないところに支援を届け、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを進め、「全ての人に健康を」を実現させる活動の一環として、私たちはスティグマ、差別を解消し、そして心理的および社会的な幸福を考慮した、人間中心のアプローチを求めます。

この日と一年を通して:
団結し、行動し、ハンセン病を制圧しましょう.

テドロスWHO事務局長との共同声明−世界ハンセン病の日−.JPG
テドロス事務局長と共同声明を発信
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