「社会貢献者表彰式典」
12月5日、帝国ホテルにおいて、社会貢献支援財団が主催する「第58回社会貢献者表彰式」が開催され、29のグループが表彰されました。
いつもながら、日本各地はもとよりアジアにおいても、永年にわたり素晴らしい活動をされた方々がおられることに感動しました。
以下、私の拙い挨拶です。
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ご紹介賜りました日本財団会長の笹川陽平です。本日は永年のご労苦が表彰の対象となり、皆さんの活動をつぶさに聞かせていただき、また、ビデオお見せいただき大変心強い気持ちになりましたのと同時に、ご労苦に心より感謝申し上げます。
安倍昭恵会長がリーダーシップをとられ、これまでの表彰に加えて、外国人の方々が日本で活動されたり、或いは、東南アジアを中心に活躍されたりしている日本の方なども表彰の対象に加えていただきました。また、安倍会長は自ら表彰を受けられた方々の活躍する現場を訪問されているとも伺っています。社会貢献支援財団の表彰を通じて皆さまを激励し、そして仲間を増やしていただいている安倍会長、評議員、理事、そして選考員会の方々に改めて感謝申し上げます。
戦後70年以上が経過し、日々の報道をみておりますと、悲しいニュースも数多く見られます。また、戦後民主主義の中で、ともすると権利の主張ばかりする時代になったかのようにも見えるかもしれません。しかし、本日表彰を受けられた方、そして候補に上った方を含めると、単に権利の主張だけでなく社会の為に何が出来るのか、或いは社会の一員として誰かの為に自身の時間とお金を使いたいという方が沢山おられることも承知しています。
多様な社会課題がある現状の日本国を見れば、これをすべて政府、地方自治体で解決できるものではありません。多様化する社会の中で、ともすれば見落としがちな人に手を差し伸べて下さっている皆さまを中心とした輪がもっと日本中に大きく広がるために、更なる活躍をお願いしたいと思います。
日本財団では「18歳の意識調査」を毎月行っています。残念ながら、今日の日本には深刻な問題が数多くあります。1つ2つ例を挙げれば、18歳未満の死亡率の1番は交通事故や病気ではなく、自ら命を絶つ自殺です。自殺が死亡率の1位というのは世界でも日本だけではないでしょうか。また、我々の調査によれば、小学生の100人のうち、何と、34人が親の虐待、難病、長期欠席、引きこもり、ヤングケアラーなど、何らかの課題を抱えた子どもたちです。果たしてこれからの未来を背負う若者たちがこの状態でよいのでしょうか。
皆さんの素晴らしい活動に代表される助け合いの精神は日本人が古来より持ってきた特質ですが、もしかすると近代化の中で忘れられてきている側面もあるかもしれません。しかし、表彰された皆さんのように、しっかりとした種を持ち、根を張って社会の為に活動されていらっしゃることも本日知りました。まだまだ日本は捨てたものではありませんし、皆さんの暖かい心遣いや思いやり助け合いの精神を、社会貢献支援財団を中心に、日本そして世界に広げていただきたいと思います。
日本財団は多様化する社会の中で、忘れがちなこと、忘れられつつある人々、様々な悩みをもって人生に行き詰まりを感じている方の支援のための活動をしております。この表彰を機に、更に活動を拡大するために、是非、日本財団にも相談してください。
素晴らしい日本人の心を全ての日本人に伝え、未来を背負う子供たちに健全な教育と環境を与え、伝統ある日本国が再生する中核として皆さんには引き続き活躍いただきたいと思います。改めて表彰に祝意を表すると同時に、感謝の誠を捧げます。
長い間ご苦労様でした。これからも引き続き宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。