『問題解決の授業』と渡辺健介君 [2007年08月03日(Fri)]
![]() 次代を担う子どもたちために会社を退職した渡辺健介君 『問題解決の授業』と渡辺健介君 近頃の若者は・・・と書き出すと、年配者が若者を非難するに違いないと思われるが、ここで書く若者は、近頃珍しく骨太の青年の話である。 息子が3カ月の滞在予定で出張したインドネシアから、何の用があってか知らないが帰国して、友人と二人、居間でテレビを見ていた。 その若者は「渡辺健介です。お世話になります」と、頭を下げた。 息子の説明によると、彼のアパートを訪ねたところ、布団なしで床に寝ているので、一組、布団をやりたいので連れてきたとのこと。 健介君、恥ずかしそうに「順平君が取りに来いと言ってくれたので、厚かましいと思ったのですが、好意に甘えることにしました。よろしくお願いします。」 その後の息子の話は感動的であった。 健介君は、アメリカの名門イエール大学を卒業後、世界的なコンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。 会社の奨学制度を利用して、難関のハーバードのビジネス・スクールを卒業、マッキンゼーで勤務していたが、その時学んだ『問題解決能力』を子供達に教えることが自分の使命と考え、退職したとのことである。 あと6カ月間マキンゼーに勤務すれば、ハーバード留学の奨学金の返還は必要ないそうだが、お世話になった会社への奨学金の返済と子供達に教える場所の借り入れで、貯金はなくなり、100円ハンバーガーをかじりながら板の間に寝ている生活であるという。 彼の経歴だと、外資に勤務すれば最低でも年収数千万円は確実である。 しかし金には目もくれず、将来を担う日本の子供達に、自分が学び経験したことを通じて『問題解決能力』を身につけさせたいという。 「考え抜き、行動する癖を身につければ、日常生活で直面するさまざまな問題を解決できるようになる。どんなに大きく複雑に見える問題でも、いくつかの小さな問題に分解すれば解ける。そして自ら考え、決断し、行動する楽しさを知り、人生を切り開くために必要な癖が身につく」という。 ![]() 発売3週間で10万部売れた『世界一やさしい 問題解決の授業』 若干31歳の若者の考えである。 一人前のことを言う若者が、いざとなると人を頼りに『自分で考える』ことができない。無気力になったり、最悪の場合は尊い命を自ら犠牲にすることもある。 ひ弱な若者に自信と勇気を与え、自ら困難に立ち向っていく『問題解決の授業』が普及することを願っている。 布団を背負って帰っていった渡辺健介君の背中に、崇高な志と夢の実現への確固たる信念を感じた。 なお、渡辺君の著書『世界一やさしい 問題解決の授業』(ダイヤモンド社、1250円)は、3週間で10万部を突破した。一読を薦めたい。 渡辺君のサイトはこちら |