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「韓国政治の現状」―大統領選挙始まる― [2025年05月19日(Mon)]

「韓国政治の現状」
―大統領選挙始まる―


日本のメディアは、最近の販売部数の減少やテレビの視聴率の低迷を背景に、海外支局の閉鎖が相次ぎ、「外電砂漠」ともいわれる状況にある。グローバリゼーションの今日、世界あっての日本であるにもかかわらず、海外ニュースは少なく、ニュース解説も無きに等しい。

日本の安全保障に関わる隣国・韓国の大統領選挙についてもしかりである。5月15日付の日刊紙『世界日報』に、韓国政治について、韓国紙セゲイルボの「裁判所と検察に振り回される韓国政治」と題する解説記事が掲載された。奇妙な韓国の「民主主義」を知る手がかりとして読者の参考になるのではと、以下に記事を掲載します。

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裁判所と検察に振り回される韓国政治


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<<2月25日、尹錫悦大統領の弾劾に反対する19万人の嘆願書を渡すため韓国憲法裁判所前で記者会見をする「大統領国民保護人団」のメンバー>>(同団提供)


今回の21代大統領選挙は歴代どの大統領選よりも論議の連続で雑音が絶えない。国会第1党の有力候補はつい最近まで被選挙権が剥奪されるかもしれないという危機に直面していた。第2党は紆余(うよ)曲折の末、候補登録日になって大統領候補を公式に確定した。

このような大混乱の原因の一つに“政治の司法化”がある。これは昨日今日のことではないが、ますます程度がひどくなっている。

政治の司法化とは、政治で解決しなければならない諸問題を司法府に委ねてしまう現象をいう。大韓民国はいつからか法廷で政治的対立を解決しようとする誤った慣行に陥った。大統領と首相、閣僚など高位公職者の弾劾審判のような重大な政治的事案を憲法裁判所が最終判断する事例が増えたことが代表的だ。

共に民主党の李在明候補の政治的運命も結局は判事が左右した。李氏の公職選挙法違反容疑に対し、1審は有罪を認め懲役1年執行猶予2年を宣告したが、2審はすべて無罪に覆した。李氏は司法府判決によって地獄と天国を往来した。その後、大法院(最高裁)は李氏の無罪を宣告した原審を有罪趣旨で破棄し、ソウル高裁へ差し戻した。

李氏は再び絶体絶命の危機に陥ったが、直後に反転が起こった。民主党の“司法府脅し”の効果があったのだろうか、ソウル高裁が15日予定の公判期日を大統領選後の来月18日に延期し、李氏も起死回生した。

ドタバタと言われた国民の力の候補一本化の過程でも、政党が事態を自ら解決できず裁判所を訪ねて自分たちの運命を委ねた。金文洙候補は党指導部が自身の候補資格を剥奪しようとすると、裁判所に候補者取り消し仮処分を申請した。

最近の政治の主舞台は裁判所だと言っても過言ではない。政治家たちが自ら招いたことだ。政治的衝突が起こるたびに法廷を訪ねるなら、民主主義は歪曲(わいきょく)されて司法万能時代を呼ぶだろう。

“政治の司法化”は今国会になって目立ってひどくなっている。尹錫悦政権の2年半で民主党が発議した弾劾案は実に31件に達する。1987年の民主化以後、38年間で発議された弾劾件数の18件と比べると、最近、どれだけ弾劾案が乱発されたのかがよく分かる。

政治の司法化は必然的に司法の政治化を生む。司法が政治化されれば社会的対立の解消という司法府の本来の機能は失われ、かえって極端な嫌悪と分裂だけを増幅させる。国民10人中4人が憲法裁を不信しているという世論調査の結果がこれを傍証している。

政治の司法化、司法の政治化を防ごうとするなら、政界が対話と妥協を通じて社会的対立を解決する本来の役割を取り戻すことが至急だ。与野党は対話して妥協し、告訴・告発をしてはならない。国政が裁判所と検察に振り回されれば国はそれだけ混乱する。

(パク・チャンオク論説室長、5月13日付)

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また、いつもながら「岩崎 哲」氏のポイント解説も小生の独断で掲載します。

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【ポイント解説】妥協がないにもほどがある
尹錫悦前大統領の突然の戒厳発令の背景には、対話や妥協のない韓国国会の攻撃的対決状態があった。野党が多数に任せて予算案までストップさせてはまともな国政運営はできない。加えて、閣僚や検事を次々に弾劾にかけるやり方は国会ジャック、政治の破壊であった。

弾劾された側はその間職務が停止し、高額な裁判費用を私費で負担しなければならない。裁判を忌避しようとすれば野党に妥協せざるを得ないが、これは政治での妥協でなく「撤収」「降伏」に等しかった。

「政治の司法化」で言えば、次の大統領選を巡っても、裁判沙汰が繰り広げられる可能性がある。「不正選挙」「票が盗まれた」などと結果に承服しない側が司法に訴えることもあり得るからだ。これを回避するためには圧倒的票差でどちらかが勝つ必要があるが、選挙戦は接戦が予想されている。

なぜ韓国の政治はこれほどまでに先鋭的な対決状態になるのだろうか。非常に権力の強い大統領制に理由を求めたり、軍事独裁政権の名残を指摘する声もある。だが、根底には理念対立と分断が横たわっている。

現在の野党は大学時代に共産主義の影響を受けたり、実際に活動してきた世代が中心となっている。無謬(むびょう)論に立ちがちな彼らの運動論からすれば、相手との妥協はあり得ない。一方、保守派も権威主義的傾向を持ち、トップの力が強いため、妥協を積み上げ合意を形成する意思決定は不得手な方だ。

不思議なのはそうした彼らが「妥協」もできずに「民主主義」を誇ることだ。(岩崎 哲)
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