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「物乞いに施し逮捕」―インドの話― [2025年04月11日(Fri)]

「物乞いに施し逮捕」
―インドの話―


かつて、ダライ・ラマ猊下と会談した折「私は生涯の仕事として、インドのハンセン病患者、回復者の『物乞い』をゼロにしたいと活動しております」と申し上げたところ、猊下は「そんなこと出来るわけがない」とおっしゃったので、「出来るか出来ないかではなく、活動する必要があります」と反論したところ「それはそうだ。私の出版の印税を差し上げる」とおっしゃり、実際に頂戴した。以来、これは私の自慢話の一つになっており「世界中多くの人が教会や寺院に献金をするが、宗教者から市井の人が多額の寄付を頂くのは珍しい」と時々使わせていただいている。

ところで、インドでは各州法によって物乞いを禁止する法律がありますが、あまり適用された例は知りません。ただ、オディシャ州ではかつて、ハンセン病患者は選挙に立候補できないという古い差別法が残っていたことがあり、ハンセン病患者が立候補の上当選しましたが、裁判となり、最高裁まで戦った結果「法律は法律である」と敗訴しました。そこで私も参加して法律改正されましたが、インドではこれらのハンセン病に対する差別法が各州それぞれ合計しますと約130件ほどあり、この差別法撤廃に苦慮しているところです。

話がそれましたが、この度マディヤ・プラデーシュ州のインドール市では今年1月から物乞いをする人に金銭や物品を与えることが禁止された。違反者には厳しく臨み、立件する方針。路上生活者の社会復帰を後押しするためとしているが、住民からは「やり過ぎ」との声も上がっていると時事通信は報じている。2011年のインドの国勢調査では物乞いや路上生活者は全土で約41万人との報告があるが、私感ではあるがこの数倍は少なくとも存在するように思われる。

1月30日にインドのオディシャ州を訪れ、ハンセン病回復者の各州リーダーとの会議での話題の一つがこの問題であった。私はこれまで各州をまわり、州首相にハンセン病回復者の特別年金の大幅増額や設置をお願いする活動は多くの州で実施して成功しましたが、現在インド政府は外国からの、これら現地のグループやNPOへの送金を禁止しています。私が設置したインド約800ヶ所のコロニーの全国組織であるAPALへの援助の方法を緊急に解決しなければ各州リーダーの活動は停滞せざるを得ません。私の良く知るリーダーの一人は人知れず物乞いに出ており、そのお金で州内のコロニー(ハンセン病回復者が劣悪な環境で集団で生活している場所)を巡回して、グループの団結と環境改善に努力している。物乞いへの施しの禁止で彼の活動も停止せざるを得なくなるわけです。勿論、ハンセン病回復者の物乞いをゼロにする私の活動の中で彼に物乞いをさせていることは私の責任であり、私は自責の念にかられる今日この頃です。
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