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産経新聞【正論】若者よ!投票で政治と向き合え [2024年10月25日(Fri)]

- 若者よ!投票で政治と向き合え -


産経新聞【正論】
2024年10月24日



第50回衆議院議員総選挙の投開票が迫った。国際社会が激しく揺れ動く中、わが国は経済、安全保障から少子化に伴う人口減少まで難題に直面している。

<<低迷する政治の立て直し>>
総選挙は政権選択の意味合いを持ち、国の今後の針路を左右する。とりわけ今回は、低迷する政治を立て直す上でも有権者、中でも次代を担う若者の積極的な投票参加を求めたい。

衆院選の全体投票率は過去4回60%割れが続き、令和3年秋の前回は55.93%。中でも10歳代は43.23%、20歳代36.50%と低く、最も投票率が高かった60歳代(71・38%)と20歳代では2倍近い差があった。

若年層の投票率が他世代より低いのは、スウェーデンなど北欧3国を除き、先進国にほぼ共通する現象のようだ。ただし日本の若者の投票率はその中でも低く、世代間の投票率ギャップも大きい。

少子高齢化で高齢者が多い逆ピラミッド型の人口構成が一段と進んだ結果、投票率が高い高齢層の票が全体に占める割合がさらに高くなっている。政治の世界で「数の力」が持つ意味は大きく、これでは若者の意見が政治に反映されにくい。

近年、政治に対する日本の若者の無関心を懸念する声が目立つ。海外に目を向けると欧米各国や日本と社会環境が似た韓国や台湾でも、移民問題や格差解消、法律改正などをめぐり大規模なデモが頻発している。

海外に行くと、わが国の治安の良さに絡め日本の若者の“おとなしさ”を指摘する声も耳にする。若者が60年安保闘争(昭和35年)や学園紛争で激しい抗議デモを行った時代に比べ隔世の感がある。

以前、本欄でも触れたが、令和元年に日本財団が米国、中国、インド、韓国など9カ国の若者(17〜19歳)各一千人を対象に行った意識調査で、「自分で国や社会を変えられると思う」と答えた日本の若者はわずかに18%。日本に次いで低かった韓国に比べても半分以下で、あまりの数字の低さが大きな波紋を呼んだ。

うち6カ国を対象にした昨年の調査でも、自国の将来について「良くなる」と答えた日本の若者は15%、「悪くなる」がその2倍に上った。

<<なぜ、声を挙げないのか>>
政治にどう向き合おうと、国や社会の将来を左右する政治の影響から逃れることは誰もできない。とりわけ次の時代を背負って立つ若者には重く圧し掛かる。何故、声を挙げ行動しないのか、歯がゆささえ覚える。若者が声を上げない国、元気のない国はやがて衰退する。

今回の選挙は「政治とカネ」が最大の焦点。与野党の攻防、メディアの報道もほぼこの一点に収斂されている。しかし、石破茂首相が所信表明演説で「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と述べたように安全保障環境は厳しさを増している。

国債と借入金などを合計した「国の借金」が国内総生産(GDP)の2倍を超えた財政の再建も“待ったなし”だ。「静かなる有事」と表現される少子化問題には何の解決策も見えていない。

政治とカネの問題を軽く見る気はないが、マスコミ各社には、こうした争点について、各党の政策がどう違い、どこまで実現性があり、どんな問題があるのか、もう少し分かりやすく掘り下げた報道をしてほしかった。

一方で近年、若者の新聞・雑誌離れが顕著といわれる。ならばフェイスブックやインスタグラムなど得意のSNSサービスを使って政治や社会問題を議論し、互いに声を掛け合って投票に参加する積極性があってもいいのではないか。

政治とカネの問題に関して言えば、過去にも繰り返し浮上し、その都度、政治は混乱してきた。何故、いつまでも解決できないのか。若者の政治に対する失望感が投票率の低さを招いているとの指摘もある。しかし、そうした消極的な姿勢では何も解決しない。

立憲民主党代表選、自民党総裁選の直前に全国の17〜19歳1千人を対象に日本財団が行った調査では、ほぼ半数が「政治に対する関心が高まった」、半数超が「投票に行くと思う」と答えた。前回衆院選より少しでも若者の投票率が上積みされるよう期待したい。

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が6月に発表した世界競争力ランキングで1990年代初頭に首位だった日本は、過去最低の38位まで落ちた。筆者も海外を訪れるたびに、日本の影響力・存在感の低下を強く感じる。

<<「危機は変革のチャンス」>>
それでもなお筆者は、この国が秘める大きな可能性、潜在力を信じたく思う。社会はいつの時代も若者が掲げる高い理想をエネルギーに発展してきた。「危機は変革のチャンス」という。そのためにも若い人たちの奮起と新しい時代を切り拓く力に期待したい。

今こそ若い人たちの積極的な発言と行動を求める。力を発揮する場と方法はいくつでもある。積極的な投票参加もその一つである。

(ささかわ ようへい)
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