「ちょっといい話」その220―廃棄漁網から新製品― [2024年08月26日(Mon)]
「ちょっといい話」その220 ―廃棄漁網から新製品― 2021年8月20日、日本財団は「一般法人アライアンス・フォー・ザ・ブルー」と共に廃棄漁網の有効活用を模索した結果、兵庫県靴工業組合では素敵なバックを製造してくれたことを、当時の小泉進次郎環境大臣の出席を得て記者発表した。 それから3年後の本年8月8日付の北海道新聞「くらし経済」で、下記の記事が掲載された。 *************** 海洋プラスチックごみが世界中で課題となっている。種類別では漁網やロープの割合が多く、削減に向けた企業の取り組みが広がっている。廃棄網を活用して旅行用品などにアップサイクルした製品が続々登場。再び漁網にする試みもある。 日本財団の支援を受け海洋ごみ削減を目指す組織「アライアンス フォー ザ ブルー」(東京)は、現在約30社を超える企業と連携し、廃棄漁網を活用した製品作りを展開している。 生地や製品メーカーなどをつなぎ、業界横断で推進することで全体のコストを下げ、ビジネスとして継続しやすくした。製品の売り上げの一部は、海洋環境の保全に役立てられる。野村浩一代表理事は「次世代に海の恵みを残したい」と語る。 ランドセルなど連携製品は200以上にのぼる。例えば、健康器具を手がけるドリームファクトリー(大阪市)は、2023年、ドクターエアブランドで廃棄漁網の再生生地などを取り入れた製品ライン「ブルーライフ」を立ち上げた。「地球を健康にしたいという思いがある」(広報) 旅行関連の製品を展開するブランド「Aww(アウ)」も今年7月、不要になった漁網を25%配合した生地を使った商品を発売した。 東レ、日東製網、マルハニチロのグループ会社である大洋エーアンドエフ(AF)の3社は、廃棄漁網を使って再び漁網にリサイクルする「漁網to漁網」に力を入れている。 回収した廃棄漁網の一部を原料に使用したナイロン原糸を東レが開発した。日東製網が漁網を製造し、大洋AFが運航する漁船で試験的に導入。23年12月には販売を始め、利用の拡大を目指す。 廃棄漁網は、海中のくずや藻の付着などで再利用は難しいとされていた。東レによると、課題だった強度や耐久性などを独自の技術で解決し、再生ナイロンをつくることに成功したという。 |