「海洋生物の新種発見」―10年間で10万種目標― [2023年10月30日(Mon)]
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「海洋生物の新種発見」 ―10年間で10万種目標― 2023年4月、日本財団とイギリスのNekton財団が共同で開始した海洋調査(Ocean Census)は、World Register of Marine Species(WoRMS)とのパートナーシップを締結した。この提携により、海洋分類学と分類データー管理における専門知識とグローバル・リーダーシップを活用し、海洋生物の発見を加速し、その保護を促進する。 以下は9月10日付Ocean Censusに掲載された記事(原文英語)の一部を抜粋して和訳したものです。 **************** Ocean Censusは、海洋生物の迅速な発見と保存を目指す国際的なコンソーシアウムだ。海洋には非常に多くの種が存在しており、その数は約100万から200万種と推定される。しかし、これらの種のうち文献や研究によって記録されているのはわずか10%から25%程度。さらに、海洋生物の新種を発見するペースは1840年代からほぼ一定で、毎年約1,500種が新たに記録されてきた。個の発見のペースは1970年代以降わずかに増加しただけで、年間約2,000種ほどになっている。 新しい技術の進歩(高解像度の画像処理、DNAシーケンス、機械学習など)により、海洋生物の発見スピードが変わる可能性がある。Ocean Censusは非常に野心的な目標を掲げており、今後10年間で10万種の新しい生物種を発見しようとしている。 WoRMSは海洋生命の発見に重要な役割を果たす。具体的には、新しく記載された海洋生物種の情報を整理し、分類学に関連するデーターを正式に収集・管理する役割を果たす。また、世界中のボランティア分類学専門家からなるグローバルネットワークのサポートがあり、Ocean Censusのさまざまな活動、例えば、新種を収集する探査や標本を文書化・記載するためのワークショップへの参加、海洋生命の発見に関する驚くべき物語の伝達、科学イベントや海洋関連のイベントでOcean Censusの代表を行う。 「生命は40億年にわたり、陸地よりも3倍長い期間、私たちの海で進化してきた。未来の世代に伝えるべき進化的な遺産が海洋生命によって保持されている。そして、この遺産を失う前に、その発見に向けて時間と競争しなければならない。このパートナーシップが海洋生物多様性の保護と発見において画期的な進歩を表しており、両組織の強みを結集することで、地球上の生命に関する知識を変革し、海洋の未来を明るくする手助けができる」と、日本財団の会長であり、Ocean Censusの共同創設者である笹川陽平氏は述べる。 Ocean Censusはチャレンジャー遠征(1872年から1876年、現代海洋科学の誕生)やマリンライフセンサス(2000年から2010年)などの過去のプログラムが基盤となっている。 「これまで海洋生命の多様性を探求するための試みは行われてきたが、Ocean Censusはこれまでの試みの中でも最大規模のものであり、多くのパートナーが重要な時期に協力している。WoRMSとの協力により、海洋生態系の理解を深めるだけでなく、その保護に向けた国際的な行動を推進することができる」とOcean CensusのサイエンスディレクターAlex Rogers氏は述べる。 Ocean Censusは日本の非営利団体である「日本財団」とイギリスに拠点を置く海洋科学と保護研究機関である「Nekton」がパートナーシップを締結し、資金調達と管理、オーシャンセンサスサイエンスネットワーク、生物種の発見、探査活動、一般への啓発活動や政策への関与を行っている。 |






