「マルタ騎士団」―領土のない国家― [2023年11月01日(Wed)]
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「マルタ騎士団」 ―領土のない国家― 「マルタ騎士団」といっても名前すら聞いたことがない方が多いかも知れない。しかし立派な国家で、正式名は「エルサレム、ロードス及びマルタにおける聖ヨハネ主権軍事病院騎士修道会」と少々長い。歴史は古く、11世紀にエルサレムで巡礼者に宿泊と医療を奉仕するために建設された病院が起源で、十字軍運動で戦争にも参加。1000年の歴史のある国家は地中海に浮かぶマルタ島が本拠地であったが、最後はナポレオンに亡ぼされて領土がなくなり、現在はイタリアのローマに本部がある。 2016年、ローマ法王庁と1回目の国際ハンセン病会議を開催するにあたり、法王庁より「マルタ騎士団」を参加させるよう要請を受け、少し奇異な感じがしたが、調べてみると「マルタ騎士団」は十字軍遠征当時、現地エルサレムで病院を運営し、ハンセン病患者の治療も行っていたことが分かった。そのため2023年に開催した2回目のハンセン病国際会議にも、当然ながら「マルタ騎士団」も参加された。ローマ法王庁とマルタ騎士団は歴史的にも一体不離の関係のようだ。 ところで、笹川平和財団には「マルタ騎士団」のナウル共和国及びミクロネシア特命全権大使のファブリツィオ・ボッツアート博士が海洋問題の専門家として勤務している。私のローマ法王との謁見・通訳もしてくれた情熱家である。彼は500名しかいないマルタ騎士団のパスポート保持者の一人で、珍しいパスポートも見せてくれた。 マルタ騎士団は何と、112ヶ国と欧州連合とも外交関係を有しており、また国連においても常任オブザーバーの地位を保持している。ファブリツィオ博士の国を想う熱烈な情熱に感化され、私も複数の国とマルタ騎士団の外交関係樹立に向けて静かな民間外交を展開しているところである。 |






