「サザエさんと日本財団」―コラボ記者会見― [2022年03月25日(Fri)]
「サザエさんと日本財団」 ―コラボ記者会見― 長谷川町子美術館の川口淳二館長より、日本財団が全国に展開している「海と日本プロジェクト」に協力したいと、有難いお話を頂いた。 「海と日本プロジェクト」は、毎年3500以上の海に関するイベントを開催し、参加者は年間250万人を超える大きな運動になって来た。川口館長はこの活動に注目され、協力を申し出て下さったわけである。 アニメ「サザエさん」は放送年数53年目を迎へ、最も長く放映されているテレビアニメ番組としてギネス世界記録の認定も受けている。テレビ界ではまれにみる家族ぐるみで楽しめる番組であることは、読者の皆様も納得して下さるでしょう。 以下は多少重複するところはありますが、私の記者会見挨拶です。(3月22日) お天気の悪い中皆様にはご出席を賜り感謝申し上げます。日本財団は海洋について、世界的な大きなネットワークを組んでおります。海が健康的な状態で保全されなければ、人類の生存に関わる大きな問題となります。これは、500年そして1000年という長期的な視点で考えなければなりません。また、我々の多くは陸の問題だけに目を向けがちではありますが、地球の7割を占める海の問題についても同様に関心を持たなければなりません。気候変動、海の温暖化、海の酸性化そしてプラスティックごみの人体への影響など、様々な課題が山積しております。日本財団は、国際的に影響力のある有力な学者を集めて健全な海の保全に向けて努力をしております。 日本国内に目をむれば、海洋立国日本という立派な基本政策があります。我々高齢者は子供の時から海に親しんで大きくなってきましたが、昨今は子供たちの海離れが進んでおります。新型コロナウイルスが問題になる前から、海水浴場の数や海水浴客は減少しているのです。我々の調査では、海が嫌いな子供が4割、海に行ったことがない10代の子供も4割いるという驚くべき結果が出ております。こうした状況を打破しようと、海と日本プロジェクトを進めています。メディアの皆さんの協力もあり3500を超える事業を展開し、毎年250万人以上の方に参加いただき、例えば海の清掃を中心に様々な活動に従事頂いています。 このまま国民、特に若い世代の海離れが進行すれば、海を身近に感じている層が減少し、海洋人材がいなくなってしまうことも懸念されます。四方を海に囲まれた海洋国家・日本の由々しき事態ともいえるのではないでしょうか。まずは多くの方に海を好きになってもらいたい。その上で、海では今、どのような問題が起きているか、興味・関心を持ってもらう必要があるのです。 こうした我々の取組みについて、長谷川町子美術館の川口館長が見ていて下さり、サザエさんと海と日本プロジェクトのコラボレーションをしようと発案下さいました。私はこの話を伺ったとき、大変驚きました。サザエさんは53年も続くギネスにも載っている長寿番組でありますし、また、日本の総理大臣の名前を知らない人も沢山いる中、サザエさんを知っている人は97%に上るという国民的番組でもあります。私もファンの一人であります。サザエさんの話は、暖かなアットホームの雰囲気があり、またストーリーも面白く、大人から子供まで見られる良質な国民番組と言えます。 サザエさんの生みの親である長谷川町子先生は福岡の百道海岸でサザエさんの創作活動をされたと伺っています。ご存じの通り、キャラクターの名前にサザエ、マスオ、ワカメ、など海に関係する名前をつけていらっしゃり、長谷川先生の「日本人がもっと海に親しんで欲しい」という御意思を知っていた川口館長が今回声をかけて下さりました。そして、フジテレビの遠藤副会長を中心にコラボレーションを進め、番組を作ってくださることになりました。 四方を海に囲まれた日本は、海なしに生きていけません。多くの子どもに海に親しんでもらい、また、海にごみを捨てたりしないよう、海についてサザエさんという国民的番組を通じて知って欲しいと思います。そして、子どもたちが健康な身体を海岸で鍛えるなど、未来を背負う健康的な日本の子どもたちの育成に貢献していきたいとも考えています。ありがとうございました。 |