「83歳のスタイリスト?」―初めてスタイル雑誌に― [2022年01月27日(Thu)]
「83歳のスタイリスト?」 ―初めてスタイル雑誌に― 昨年、私がミャンマー問題でテレビ朝日に出演したところ、日経新聞情報サイトの松本和佳記者がピンクのシャツと赤い靴下に注目され、生れて初めてスタイル雑誌の取材を受けた。 以下、2021年12月24日、25日の日経電子版NIKKEI STYLE Men's Fashionより。 世界と交流、装いの心構えとは 日本財団の笹川会長 2022/1/4 NIKKEI STYLE 「高価な時計にもぜいたくなものを着ることにも興味はありません。こだわりがあるとすれば、相手に不快感を与えない装い、かなあ」と話す日本財団会長の笹川陽平さん(東京都港区の日本財団ビルで) ![]() ピンクのシャツとまったく同じ形のシャツが20着ほどある。 神父さんの服装から着想した、笹川さんのオリジナルデザインだ。 ![]() 靴下は赤かピンクと決めている。 シャツと同じく、笹川さんのトレードマークだ。 靴は30年はいているもの。 ![]() 仕事の装いではだらしなく見えないよういつも意識する。 「男も女も襟元が大事。ここがきちんとしていること」 シャツの襟も完璧だ。 ![]() 背筋を伸ばし、きびきびと歩く。 毎日40分間のストレッチ、100回の腕立て伏せを欠かさない。 オフィスのある7階まではエレベーターを使わず、階段を上り下りする。 国際交流に欠かせない装いは「民族衣装とユニクロ」 1/6(木) 6:06配信 公益財団法人・日本財団(東京・港)会長の笹川陽平さんは、ハンセン病制圧の取り組みや国際協力事業などで、多いときは1年の3分の1近くを海外で過ごす。これまでに訪れた国・地域は120を超える。新しい土地に足を踏み入れる時は、まず、文化や伝統が色濃く反映された民族衣装をまとい、地元の人々の間に溶け込む。それが笹川さんならではの交流術だ。民族衣装には土地の気候風土に合った機能が備わっている。その衣装の下には、日本の機能性衣料、ユニクロを着用するのがお約束だ。 ■尊敬の気持ちを表す民族衣装 ――笹川さんはライフワークとして40年ほど世界各地でハンセン病制圧活動を続け、アマゾンやアフリカの奥地にまで足を運び、患者に向き合ってこられました。文化や宗教が異なる地域では装いにも気づかいが必要なのではありませんか。「僕が大切にしているのは、着る物でその国への尊敬の気持ちを示すことです。人々と親しくなるうえで、最大の効果を発揮するのが民族衣装。言葉じゃないんです。いつも新しい土地に行くと、その国・地域の服を現地で買って、着替えてから人に会います。その後もしょっちゅう訪れることになる地域の民族衣装は日本に持ち帰りますが、そうではないものは現地の人にあげてしまいます」――土地の衣装には風俗が反映されていますよね。「面白いですよ。たとえばこの頭と顔を覆う白い布。ニジェール共和国に行ったときのものですが、一部族であるトゥアレグ族の伝統的な衣装です。この布は5メートルくらいあるもので、巻くのがとっても難しいんですよ。毎朝、ホテルのスタッフにお願いして巻いてもらっていたのですが、人によって巻き方が違うんですね。まるで正義の味方、鞍馬天狗ですよね」 ■普段の服はユニクロ 出張にも便利 ――遠い国からやってきた笹川さんが、アフリカの衣装をまとって心を通わせてくれる。現地の方は喜ぶでしょう。「民族衣装で現れると、わっ! とみなさん驚きますね。大統領や首相に会うことも多いのですが、名刺を出すよりも1発で仲良くなれます。村で子どもたちが歌や踊りを披露してくれて、同じ衣装を着ている僕が、踊りの輪に飛び入り参加したり。こちらのブルーのしま柄のガウンはギニアで、薄いブルーはアフリカ中部のチャド。インドはこれまで55回ほど行っていますが、このオレンジの上着は(インド首相の)モディカラー。僕がよく着るピンクと同じモディさんのテーマカラーなんです」――新型コロナ感染拡大前は海外での滞在が1年の3分の1くらいという年もあったそうで、かなりハードな出張ですね。着るものはどんな準備をされますか。「実は普段の僕の服はほとんどがユニクロなんです。ジーンズもカジュアルなシャツも下着もユニクロばかりで、しかもほぼすべて妻がネット通販で買ったもの。僕は着るものにはこだわりがなく、大事にしているポイントといえば機能的であるかどうか。その点でもユニクロはほんとうにすごいと思っていて、出張にも便利です。海外出張の日程は長い時では18日にもなることがありますが、ホテルで洗濯に出したりしないから、ユニクロの下着、シャツ、靴下、すべて18日分を用意して持っていきます。大荷物になりますけど」 2020年夏には東京都渋谷区に17カ所の斬新な公共トイレを設置するプロジェクトを実施、多様性を受け入れる社会の実現をアピールした。「社会貢献したいという若い人が増えているのはうれしいこと」と話す。 写真はニジェール、ギニア、インド…お国ぶりを表す民族衣装 ![]() その土地の衣装を着て、現地の人に溶け込むのがモットー。 ニジェール共和国では5メートルもある白い布を頭や顔に巻き付ける。 「毎朝ホテルのスタッフに手伝ってもらいました」 ![]() ブルー地にしま模様の生地で直線的に構成したギニアの民族衣装は 日本の着物にも似ている。 ![]() この服は、インドのナレンドラ・モディ首相が愛用するオレンジ色。 「僕のピンクと同じですよね」 ![]() 各国・地域の民族衣装にはその土地の文化が反映されている。 「服は現地の人たちと仲良くなれる最高の手段。みな驚いて、喜んでくれます」 アフリカ中部のチャドで。 日経電子版NIKKEI STYLE Men's Fashion 12月24日(上)https://style.nikkei.com/article/DGXZQOLM210C10R21C21A2000000?channel=ASH03000&n_cid=LMNST011 12月25日(下)https://style.nikkei.com/article/DGXZQOLM210DF0R21C21A2000000?channel=ASH03000&n_cid=LMNST011 |