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「ムハマド・ユヌス博士と対談」―アフターコロナ時代― [2021年12月13日(Mon)]

「ムハマド・ユヌス博士と対談」
―アフターコロナ時代―


 12月2日、ユヌス博士のご指名で、ZOOMで対談を行いました。

時間の関係もあり、対談はうまくかみ合わないこともあったが、参加した多くの若者に何か刺激を与えられたら幸甚です。

以下、ユヌス博士と私の発言を抽出しました。

なを、他に白石克孝・龍谷大学副学長、秋沢淳子・TBS CSR推進部部長、柳瀬博一・東京工業大学教授、河原裕子・アースアイデンティティ会長が参加されました。

ユヌス博士:
本日はお招きいただき御礼申し上げます。龍谷大学の白石副学長からも課題を提示いただき感謝致します。本日は参加いただいている若者にとっても重要な時間になると認識しております。コロナによるパンデミックにおいて、多くの人は2021年である程度コロナが終わると考えていたのではないでしょうか。即ち、2021年には色々な制約から解放されるのではないかと。お店、工場、学校などが前の状態に戻るのではないかと。しかし実際に起こったのは異なるシナリオでした。ついこの間にはオミクロン株という新たな変異種が出て参りました。世界、特にヨーロッパで感染も拡大しております。結果として多くの人々が再び置き去りにされることとなり、また以前のコロナ禍のようになってしまうのでしょうか。変異種の拡大防止のために空港も封鎖されています。パンデミックが長期化することで人々は惨めな気持ちになりがちです。非常に多くの人は衝撃を受け、また仕事を失っています。こうした貧困層の方がどうやって生き延びていけばよいのでしょか。貧困層を下回った人の数はわずかの人ではありません。世界の中で何十億人といえるでしょう。パンデミックにより生活が一変し多くの人が衝撃を受けています。パンデミックの当初、経済が崩壊し、封鎖されたのかを見てきました。全てが止まり機能しなくなりました。この状態が20年であり、21年の一部です。経済が完全に崩壊しました。そして、多くの政府が考え始めました。「どうやってパンデミックを収束させ、経済を再開できるのか。前の世に戻れるのか」と。経済の崩壊といった今の状況を考えると、その前に戻りたいというのが理想となります。即ち、エンジンをかけ再始動させるということです。各国は何十億ドル、場合によっては何兆ドルもの景気支援策をそれぞれ開始しました。これにより経済が拡大し、再スタートできるものと多くの人は思ったことと思います。しかし、ここで疑問があります。何故パンデミック前に戻る必要があるのでしょうか。パンデミック前こそ、大惨事に向かっていたのではないでしょうか。例えるなら、新幹線に皆さんが乗っていて、その新幹線が向かうゴールは見えていました。終点に到着すること、つまりそこで終わってしまうということです。気候変動、温暖化など多くの問題が山積しています。こうした課題は人類に対して良いものではなく、そのままにすれば生存を脅かすものとなります。あの時は、そういった方向性に向かっていたのです。しかし今列車は止まりました。これは悪い知らせではありません。誤った方向、人類の終焉に向かっていたからです。ここで止まったのは良かったのです。列車は一旦止まり、列車から降りられるようになりました。列車が動いている状態では乗客は人質のようなものでしたが、今や自由になりました。一旦列車から降りられれば、今の状態に対して自問自答できるようになります。再び列車を動かすにしても、以前の方向に向かうことはないでしょう。なぜなら、それは自殺行為であると、自問自答している間に多くの人が気付き始めたからです。新しい列車を作りましょう。これまでとは違う方向に行けるのではないでしょうか。新しい方向そして目的に向かって列車を進めることが出来ます。それが私の提唱する3ゼロという活動です。1つ目のゼロは、CO2排出はいけない、つまり温暖化のない世界を目指すというものです。恒久的な形で環境を良い方向に牽引することで我々人類は生き続けることが出来ます。有害なガスを排出することはなりません。2つ目のゼロは、貧困のゼロです。パンデミック以前から、人々の生活は大変困難なものになっていました。貧富の差も拡大していました。豊かさが歪に集中し、ごく一部の人が99%の富を保有していました。こうした人が支配し肥大化もした結果、貧困層の人が得られるものはより小さくなっていました。分配が適切にされていなかったのです。貧困層のところにお金は回らず、大多数の人は奪われ富の偏重が問題でした。つまり、貧富の差が拡大していたのです。これは異様な状況といえます。人間社会の時限爆弾であり、多くの人に色々な感情も巻き起こさせました。時既に遅しになる前に列車は止まりました。今こそデザインし直す最大のチャンスです。富が貧困層の方にやってくるようにすべきではないでしょうか。今は逆方向の世界になっているのです。3つ目のゼロは失業のゼロです。テクノロジーは多くの便益をもたらす一方、多くの人が従事している仕事も奪います。AIは、銀行や学校など多くの職場に進出してきています。このままでは大量の失業につながります。これはとても恐ろしいことです。私たちが作りたい世界は、失業がゼロの世界です。CO2のゼロ、貧困のゼロ、そして失業のゼロ。3つのゼロです。我々は以前の世界に戻ることがない決心をしなければなりません。列車に乗り続けることも、元の場所に戻ることももはやできません。新天地に向かう必要があります。経済、社会、ビジネスなど新しい社会を作り、3つのゼロが実現された世界を作っていきましょう。これが3ゼロクラブです。3ゼロクラブでは、例えば5人の若者が1つのグループに分かれ、今の世界の問題は何かなどを議論しています。若者がパイロットなのです。新しい宇宙船のパイロットは若者であり、飛行計画をつくるのも若者であり、それが3ゼロクラブの考えです。若いみなさんで3ゼロの世界をつくってください。これこそが我々が向かうべき方向です。そしてこうした状況はコロナが作った機会といえるでしょう。コロナがなければもしかしたら誤った方向の誤った終着点に行きついていたかもしれません。今こそ、新しい方向に歩みだす良い機会なのです。新しい道を作りましょう。3ゼロという新しい方向、新しい道が必要です。これは皆さんに託されたタスクであり、新しい方向に歩みを進めてください。私たちが望む世界を作るために頑張って参りましょう。

笹川会長:
ご紹介いただきました日本財団会長の笹川です。ユヌス博士より、情熱的で示唆に富んだ話をいただきました。まだまだ世界はあなたを必要としていると実感致しました。3つのゼロの話をいただきましたが、アフターコロナをこのようにポジティブに考えられる人は世界では少数です。あなたの常に先見性に富んだ問題提起は、世界の方々に勇気と希望と情熱を与えるのではないでしょうか。アフターコロナ、3つのゼロというビジョンを提起いただきましたが、これについてしっかり討論したいところでありますが、まずは時間を優先的に考え、少しお話しさせていただきます。ユヌス博士がノーベル平和賞の式典で「ソーシャル・ビジネス」という斬新な言葉を述べられたのを記憶しております。アジアにおいて形は変わりますが、日本のJICAや政策投資銀行、日本財団が協力して、アジアの貧しい女性たちで事業を起こしたいという人に対する銀行を通じた無担保融資組織に参加しています。今非常な勢いで広がっています。ユヌス博士の目指すものと少し違うかもしれませんが、アジアの女性たちが手に職を持ち収入を得るための方法として、あなたの唱えるソーシャル・ビジネスの変形となるかもしれませんが、今アジアにおいて広まっているので報告させていただきました。これからの時代は若者が中心になるべきともあなたはお話しされました。その通りだと思います。社会の変革は若者に与えられた特権です。エジプトのスフィンクスの中にも「近頃の若者は・・・」という記述があるのは有名な話ですが、いつの時代も、そして今の日本でも若者に対する年配者からの批判はあります。しかし、歴史を振り返れば常に世の変革は若者がなしとげてきました。また若者の特権として、失敗が許されるのですが、日本では「失敗は成功の母」とも言われていますが、チャレンジできるのも若者の特権といえるでしょう。コロナのため、日本では若者は家の中で生活する時間が増え、ともすると今まで忙しいが為に、考えることすらなかったことを考える時間が与えられました。それは何かと申せば「人生は何か」ということです。「家の中に閉じ籠って終わってしまうのか」・・・多くの若者は「これではいけない」と考えたようです。人間は一人で生まれ、死ぬときも一人です。この短い人生をいかに有意義に過ごすかを若者は考え始めました。個人の利益ではなく、折角享受した教育を通じて得た学問を、多くの困っている人たちに使うことで自分の人生を意義あるものに出来る、と考え始めた若者が出てきています。近年、一流と言われる大学を卒業し、一流と言われる会社に就職した若い優秀な人が入社後3年以内に約3割の人が退職しているといわれています。退職した後、3〜4人のグループで、自身の肌で「何か社会に貢献している」と感じられる仕事を始める若者が急増しています。あなたのソーシャル・ビジネスがSNSを発展もあり、日本でも急速に広がっているのです。毎日の仕事の中で社会の役に立っていると実感できる、こういうことをやはり世界的に広げていくべきではないでしょうか。もう一つ、あなたのお話しの中には、富の集中、資本主義の極大化で、1%の人が99%の富を独占しているという指摘もありました。私は「経済的な貧困」と同時に「1%の富裕層が持っている精神的な貧困」も解決する必要があると考えています。昨年のダボス会議を受け、日本財団はV500という組織を支援しています。V500の取組みとして、世界の一流企業、例えば、ユニリーバやエコノミスト、アマゾン、マイクロソフトといった企業のCEOを巻き込み「富をこのまま放置してよいのか」と問いかけています。まさにアフターコロナの時代は多様性の時代と言えます。世界には12億人を超える障害者がいます。この障害者には才能も、情熱も能力もありますが、社会から疎外をされ働く場所のみがありません。こうした人を積極的に採用し、多様性のある社会を作っていくために、世界の代表的な500社がこの取り組みに参加しています。世界のトップのCEOの心の貧困も解決しなければなりません。もう一つ、あなたの指摘された経済的貧困の問題はその通りであります。私は、世界120ヶ国以上を訪問し、困っている人をたくさん見てきました。私が6歳の時に日本は戦争に負け、私自身空襲を経験し、空襲により私の住んでいた町で生き残ったのは母と私の二人だけでした。食糧不足になり、野原の草をゆでて塩をつけて食べました。お腹がすけば水を飲んで満たしていたので、走ると水が動く体感が今日まで残っています。教育は貧困から救い出す手段であるといえるでしょう。170年前に、既に日本は教育に力を入れており、読み書きそろばんを教えてきました。170年前に40〜50%の日本国民が読み書きそろばんが出来たと言われています。当時英国は、識字率は10%程度だったそうです。こうした事例からも日本はいかに昔から教育に力を入れてきたかお分かりいただけると思います。そして、読み書きそろばんに加え、子供が何に興味を持っているかを見つけることも教育の大事な役割です。今や学校の教科は沢山ありますが、それが全部できる必要はないと思います。各自の特徴を活かせるよう先生が一人一人の特徴を見つけることが一番大切なのではないでしょうか。私はこれまで、東南アジアで1000校近い学校を作りました。しかし、学校を作るにあたって、民主主義という話は一切しません。まずは学校が欲しいのか村人に否かを聞きます。学校が必要であれば、各村人は学校を作るにあたってどういった協力できるかも尋ねます。そうすると意見が沢山出てくるんですね。そのうちに、責任者が決まり仕事の分担が決まっていきますが、こうした過程そのものが民主主義の原点なのです。ですから、民主主義とは何かと言葉で教える必要はないのです。また、学校が完成した後に、我々は学校建設の労働に応じたお金を、大体7000ドルくらいですが、お渡しし、学校が継続的に運営できるよう、村人が知恵を出し合い運用をしていきます。こうした経験から、「この学校は自分たちが建てた学校だ」という愛着も湧いてきます。批判的な論調となり恐縮ですが、例えば多くの国際機関は地図を見てどこに学校を建てるか決めて建設をし、それでお終いになることが多いのが現実です。しかし我々の学校は先に述べた資金を使ってマイクロクレジットで村人自らが学校を継続させていっています。「民主主義」という単語を使わなくても民主主義が実践されています。こうして学校をつくり、識字率を向上させることが貧困から脱出してもらうことが我々の役割です。あなたのアフターコロナに対するポジティブな考えを更にブラッシュアップいただき、特に若い人たちがアフターコロナに希望を持ち、夢を実現させる情熱を持ってもらう仕組みがあなたの提案された3ゼロクラブともいえます。少し話が飛びましたが、あなたの積極的なアフターコロナの社会への情熱に対して、私の考えと感想をお伝えいたしました。ありがとうございました。

(司会者の「アフターコロナの新世界創造に教育はどのよう関わってくるのか」という質問に対して)

ユヌス博士:
笹川会長の体験に基づく素晴らしい話に感謝します。笹川会長は様々な現地を何遍も訪問され問題解決の為に尽力されてこられました。グラミン銀行でマイクロクレジットを実践した時に、教育も課題でした。なぜならマイクロクレジットの対象は地方の女性であり、実に97%の借主は女性でした。しかし、ほとんどの女性は名前すら書けませんでした。しかしそれは彼女らのせいではありません。教育の機会を得られなかっただけなのです。当初マイクロクレジットを行う際、書類を記入する必要はない、即ち署名を不要としました。最初は書くことよりも、尊厳・自信を醸成することが大切と考えたからです。そして、次第に名前を書けるよう教育を行い、自身の名前を書くことを通じてアイデンティティや誇りを実感できるようにしました。当時バングラデシュでは、ニックネームが教えられたので自分の公式の名は知らない女性がほとんどでした。また、結婚すると夫の名前になりますし、次第に「〇〇さんの奥さん」「〇〇さんのお母さん」と呼ばれていきます。ですから、まずは誰なのかを自覚してもらい、尊厳をもってもらうことが出発点でした。これがきっかけとなり、長い道のりではありましたが、今では彼女たちの子供の世代が、学校に行けるようにと手続きをし始めました。家族に学校に行った人もいなかったので、学校を怖がらないように気を付ける必要がありました。良い成績を取れば家族、村で祝うということもしました。これが我々の手法です。今回のコロナでは、失業の問題もありました。現在の教育制度そして教育が大事であることは勿論その通りです。しかし現行制度は、どうやって知識を伝授するかに焦点が当てられており、私は間違った方向だと思います。まずは教育が正しい教育であるべきです。全ての人間は起業家として生まれています。しかし実際は、雇用を求める人、つまり卒業=就職する人材を育成しています。雇用の為の準備が教育ではありません。人生を与え、人生に備えるべきが教育です。起業家として生まれていることを伝えてほしいと思います。これは人間の中に備えられているものです。起業家を作ることが大事で、人間は元来雇用探究者ではありません。雇用探究者になることは奴隷とも言えます。人間は無限の創造性を秘めています。新世界の創造に必要なのは、雇用ではなく起業家なのではないでしょうか。

(司会者の「起業家として得た富をどのように活用していくべきか」という質問に対し)

笹川会長:
世の中には不幸にして障害を持った人、貧しくて生活が困難な人が現実には沢山います。一つには国や行政が手を差し伸べる公助が重要ですが、もう一つは共助も大切です。コミュニティの中で困った人がいれば助け合っていくという助け合いの精神です。人間一人では生きていけません。電車に乗るのであれば電車を動かす人が必要ですし、食事をするにしても作物を作りまた調理する人もいなければなりません。まずは一人では生きていけないと自覚しなければなりません。しかし、国や行政だけに頼るのではなく、我々自身が困っている人を助けるという共助、助け合いの精神を発揮することが肝要です。極端な資本主義が進行し、巨万の富を一部が持っているのが現代の課題です。何の為にお金を持つのでしょうか。死ぬ時にお金をあの世に持っていけるのでしょうか。そんなことはできません。全部残して死んでいくのです。自分の人生をより良く生きたと思いたいのなら、困っている人に手を差し伸べたることも大切ではないでしょうか。私自身、金持ちをうらやましいと思ったことはありません。「良く生きた」と納得して死んでいくことが理想であり、「お金をもっと社会のために使えばよかった」となるのは心の貧困といえます。V500を通じて人生とは何であり、大金持ちでもあの世にお金は持っていけないわけですから、困っている世の為人の為に使ってこそ心の豊かさを実感できるのではないでしょうか。

ユヌス博士:
貧困者の貧困からの脱出を考える時に貧困者に焦点を当ててはいけません。貧困は制度によって生まれてしまったからです。制度が作られてしまっているからです。お金を得れば得るほど有利になり、そういう意味では大きな競争となる一方、金持ちはどんどん金持ちになっていきます。人生の出発点をみても多くの人は立ち往生してします。豊かになれば制度でさらに豊かさが拡大される仕組みになっています。こうした金融制度は金持ちの為に作られたため、お金のない人はその制度から恩恵を得られません。だからマイクロクレジットはお金のない人に貸すようにしました。貧困者は信用がないと言われ銀行からは借りられないことがほとんどでしたが、それは貧困者のせいなのでしょうか。銀行が人を信用していないといからであり、それを変えなければいけません。全てを逆の観点から見てみましょう。制度の再構築をするだけで、だれもが起業家になれます。その能力を使って人生を切り開くことができます。起業家ならどうやっても生きていけます。金融は酸素と言い換えられ、酸素を提供できなければ人間は生きていけません。酸素つまり金融と人を結び付けられれば、各自能力を発揮し活躍することができます。ではそのために富裕層は何をすべきでしょうか。こういった超富裕層の人はアイデアを持っています。それは基金を作るというアイデアです。既に186人の超富裕層がそうした協力をする署名をしてくれています。Giving Pledgeといいます。この中にはビル・ゲイツ氏も含まれています。そうした人と話す時にはこんなことを言います。「お金を出してくるのはよいことだが、それでもまだ半分はお持ちではないか。何故その半分とはいえ莫大なお金を持ち続けたいのか」と。また、チャリティーに提供するのであれば、ソーシャル・ビジネス・ファンドを作ったらどうか、と提案もします。なぜなら、より多くの富がソーシャル・ビジネス・ファンドから生み出されるからです。ソーシャル・ビジネスは人間の為の問題を解決することを目的としており、利益を求めるものではありません。今やチャリティーだけでは解決できない問題も多くありますが、ソーシャル・ビジネスはビジネスですからお金を回していきます。チャリティーは1回お金を使って終わりですが、ソーシャル・ビジネスであればお金が循環しまた使えるようになります。チャリティーに限界はありますが、ソーシャル・ビジネスは無限です。ですから、チャリティーに出すのではなく、ソーシャル・ビジネス銀行を作ったらどうかと提案します。近年、利益の最大化という目的の為我々は間違った方に進んできました。利益を考えるのではなく、問題解決の為に行動することで貧困層にお金が届くのではないでしょうか。大規模なソーシャル・ビジネスを通じて貧困、教育などの問題にも介入ができます。

(司会者の「教育の場で起業のメンタルが育ってないのでは」という質問に対し)

笹川会長:
日本財団は月に1回18歳の意識調査をしています。日本の未来を背負う18歳の若者がどんな考えを持っているかを知るべく、毎月1万人の世論調査を実施しています。今の若い人は非常に健全です。少子高齢化で、70歳以上の人は国や地方行政に頼る中で、若い人は自分の力で生きていこうという考えが多いという結果が出ています。そして、自分たちの仕事が社会の役に立っていると直接的に感じられる仕事をしたいという人も増えています。近年中学生を対象に聞き取りをしたところ、一番なりたい仕事は大工でした。理由は、自分が作った家に、幸せな家庭がある姿を見るのが一番うれしいから、とのことでした。生きていくための方法を学びたいという若者が出てきたことを心強く思っています。

(司会者の「最後に未来の学生たちにメッセージを」という質問に対して)

ユヌス博士:
若い人たちにシンプルなメッセージがります。それは「皆さんは幸運な世代だ」です。皆さんは人類の歴史で最も幸せな世代なのです。多くの技術が使えパワフルに活躍できる時代に生きています。技術を使える力、この力を活用して下さい。その為にはどんどん質問をして下さい。それをしなければ私はもったいないと考えます。若者は世界を全く変えることが出来ます。その力があるのです。それを理解して、力を使うための準備をしてほしいと思います。皆さんはスーパーな人類ですから。その力で世界を変えてください。

笹川会長:
若い人には一度きりの人生を夢と希望と情熱をもって生きていって欲しいと思います。失敗を恐れてはいけません。チャレンジできるのが若者の特権です。世の中を変えてきたのは若者でありますから、若者の質問に答えサポートしていくのが我々の役目で、主役は若者なのではないでしょうか。

2021年12月2日収録

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