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「廃棄漁網から素敵なカバンへ」―発表会での発言― [2021年08月20日(Fri)]

「廃棄漁網から素敵なカバンへ」
―発表会での発言―


今日はご多忙の中、小泉進次郎環境大臣にも臨席賜っています。

従来海の日は7月20日でした。近年は海の日の日にちが毎年変わってしまい大変困っています。この7月20日というのは明治天皇が東北に行幸され無事に横浜にお戻りになられた日で、1000万人の賛同を得て制定されたもので、日本以外で祝日になっている国はありません。しかしながら、リーマンショックの影響を緩和し経済再生の為に連休を作るべく海の日が変動するようになりました。すでに世の中落ち着いてきているので、再度固定するようにしなければ、来年の海の日がいつか分からないのは困ったものです。日本財団は毎年海の日に1万団体、200万人を超える人が参加する様々な催し物を開催している立場からも、固定化のために私はもう一度汗をかく所存です。

海洋をめぐる問題は既にご承知の通りですが、地球の7割を占める海洋の存在なくして人類の生存はあり得ません。500年そして1000年先の海洋の持続可能な環境を作れなければ、人類の生存はどうなるでしょうか。日本には「母なる海」という言葉があります。すべての生物は海から進化してきました。その「母なる海」が今、静かな悲鳴を上げています。これは、国際的に解決しなければならない問題であり、日本財団は世界の海洋学者や1000を超える研究所とネットワークを組んで海洋の多様な問題の解決の為に努力しています。海底地形図の作成や、プラごみに代表される海洋ゴミ、気候変動、北極海の航路開設など多岐にわたります。北極海航路の開拓については、30年以上前にはじめ、当初は2050年ころに利用できればよいと考えていましたが、こんなに早く利用できるとは思いませんでした。これも気候変動の影響と申せましょう。

海洋環境は急速に悪化している一方、7割を占める海について法律自体も未完成で、これからも様々な問題が惹起する可能性があります。世界には様々な問題がありますが、特に海洋問題の解決に向けて各国が協調していかなければなりません。そして、海洋立国・日本として、まずは日本からきちっとしたごみの問題の解決をしていく必要があります。例えば、プラごみを無くそうという取り組みを、先般も世界一美しい内海を持つ瀬戸内の四県と始めました。瀬戸内海には、毎年4500トンのゴミが流れ込んでいます。一部の報道の中では、瀬戸内海の水が綺麗になりすぎて魚が育たない、海苔の色が茶色になり商品化されないという報道があります。しかし、これは下水道の浄化が進んで塩分濃度が低下したために発生する事象で、これとごみは別個の問題です。ここのところを一緒くたにしてはいけません。毎年4500トンのゴミが流れ込む瀬戸内においては、香川、愛媛、広島、岡山の知事に加え、様々な海の環境問題に個別に取り組んできたNPOが協力して、互いに情報共有するプラットフォームを設置しました。5年間で15億円をかける予定で、既に香川県に事務所を開設しました。きっちりとした目標も設定されているので、この成果を日本の海ごみ問題解決のモデルケースとして世界に情報発信を行いたいものです。

今回は海ごみの中でも、あまり話題にならなかった漁網の話です。漁網は大量に海の中にありまして、ごみの中で相当大きな部分をしめています。これを何とか再生できないかと努力してきました。兵庫県鞄工業組合の由利・理事長をはじめ、関係者が連携し、漁網からファッショナブルな鞄を作っていただきました。どのような鞄かは小泉大臣が後程お見せくださいます。これがうまく機能すると、従来海に漁網を捨ててきたわけですが、リサイクルすれば高付加価値の商品になりお金になるとなれば捨てなくなります。こういう素晴らしい知恵が導き出せたのはごみ対策のモデルになることでしょう。

プラスチックのごみについても、業者と組んで付加価値の高い商品に変える努力をしています。単なるリサイクルではなく付加価値を付けた魅力的な商品の開発です。多くの企業が熱心に協力してくれていますので、もし個別に取り組んでいる企業があれば、日本財団に紹介いただくことで、ネットワークを組んで情報と知恵を出し合いごみ問題解決のモデルケースとして世界に発信していきたいと思います。そうすることで、世界の海洋問題、ごみ問題の解決への糸口が出来ると考えています。

本日は多くの報道関係の皆さま方にお越しいただきました。皆さまの協力を賜り「海洋国・日本は海洋を1000年先の未来に引き継ぐため守っていく」という姿勢を、世界に発信していくことは我々の責任であり義務ではないでしょうか。また、多くの日本の国民、世界の人々に、捨てられた漁網から高付加価値の商品を生み出す技術を開発したこと、そしてその開発には各企業が連携して成果を上げてきたということを、報道いただければこれに勝る喜びはありません。

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この取り組みは海のプラスチックごみの問題の解決を目指して去年、設立され、製造から販売、リサイクルまでプラスチックに関わる企業およそ30社が参画している一般社団法人「アライアンス・フォー・ザ・ブルー」と日本財団が始めます。

漁網はロープと合わせて国内の海岸に漂着するプラスチックごみのうち重量比で4割を占める一方、団体によりますと埋め立てた方がコストが安いことなどからリサイクルされるものは一部にとどまり放置されて海に流出するケースもあるということです。

今回の取り組みでは、北海道にある会社が近隣の漁協などから集めた使い終わった漁網を東京のリサイクル会社が高品質の「ペレット」に加工し、これを材料にして別の会社が布やボタンをつくります。

20日都内で開かれたイベントでは、この布やボタンを使って兵庫県の工業組合がつくったかばんがお披露目され小泉環境大臣など出席者が出来栄えを確認していました。

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 環境汚染を引き起こす海のプラスチックごみの削減につなげようと、これまで一部しかリサイクルされてこなかった使用済みの漁網を企業連携によってかばんなどに再生しようという取り組みが始まることになりました。

写真@「ちょっといい話」―捨てられた漁網が素敵なバックに―.jpg
捨てられた漁網が素敵なバックに


 来年以降は北海道全域から使用済みの漁網を回収し、道内で廃棄されている量の半分以上にあたる年間1300トン分をリサイクルしたいとしていて、「アライアンス・フォー・ザ・ブルー」の堀口瑞穂代表は「漁網を繊維以外のものにも再生し、活用することを目指したい」と話していました。

「漁具の幽霊」生態系への深刻な影響も

写真A「ちょっといい話」―捨てられた漁網が素敵なバックに―.jpg


 環境省が平成28年度に全国の10地点で海岸に漂着したプラスチックごみを調べたところ「漁網・ロープ」が全体の42%を占め、「その他の漁具」と合わせると45%にのぼります。

 海に流出した漁網などは長期間、海を漂い続けることから「漁具の幽霊」を意味する「ゴーストギア」と呼ばれ、ウミガメなどが体に絡まって身動きが取れなくなったり、呼吸ができなくなったりして死んでしまうおそれがあります。

 環境NGOの「WWF」=世界自然保護基金は、世界の海では7種すべてのウミガメ類と海洋哺乳類のうち66%の種、それに海鳥の50%の種が「ゴーストギア」など、海のプラスチックごみの被害を受けているという研究結果を紹介しています。

 「WWFジャパン」気候エネルギー・海洋水産室の浅井総一郎オフィサーは「『ゴーストギア』が海の生態系に与える悪影響は非常に大きいにもかかわらず、まだ重大な問題だととらえられていない。海への流出を防ぐとともに、使い終わった漁具を資源として再利用するなど適切に処理することが必要だ」と話していました。

 プラスチックごみはいったん海に流出すると回収するのは難しく、クジラやウミガメなどが誤って飲み込んでしまい死んでしまうおそれが指摘されています。

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 また、長期間、海に漂うと波の力や紫外線の影響などで細かく砕けて大きさが5ミリ以下の「マイクロプラスチック」になります。

 「マイクロプラスチック」は有害物質が付着しやすいうえ、魚や貝などの体内に入ってしまう事例も確認されていて生態系への深刻な影響が懸念されています。

 5年前に開かれた世界経済フォーラムの年次総会で、イギリスの財団は世界全体で年間に少なくともおよそ800万トンのプラスチックごみが海に流出していると報告しました。

 そして、何も対策を取らなければ2050年には海の中のプラスチックの重さが魚の重さを超えるという試算も合わせて出されました。

 海のプラスチックごみを減らすにはプラスチックの生産・使用量を減らすとともにいかにリサイクルを進められるかがカギを握ります。

企業連携で漁網を再生へ

 漁網は重くかさばるため運搬コストがかかることや、さまざまな素材のものがあり、分別が難しいことなどが課題となってリサイクルが進んでいないとされています。

 例えば漁業が盛んな北海道では、去年3月までの1年間にはおよそ1980トンの漁網がごみとして出されましたが、道によりますとこのうちリサイクルされたのは16%ほどだったということです。

 こうした中でも、北海道厚岸町の会社は近隣の漁業者から使い終わったプラスチック製の漁網を回収し「ペレット」と呼ばれる粒状の素材に加工して販売してきました。

 しかし、漁で使っているうちに付着してしまう細かい物質を完全に取り除くのが技術的に難しく、ペレットの強度や品質にどうしてもばらつきが出てしまうため販売先が限られていたといいます。

 今回の取り組みではその課題を企業連携=アライアンスによって解決しようとしています。

 取り組みに参加している東京のリサイクル会社は特殊な洗浄方法を開発したうえで、一般的なものより目の細かいフィルターを使い、それほど時間をかけずに漁網から付着物を取り除く技術を確立。高品質のペレットに加工することに成功しました。

 そして、団体の紹介でリサイクル素材の利用に関心を持っていた大阪の繊維関連企業などとつながり、今回のかばんづくりが実現しました。

 来年には、札幌市のリサイクル企業もこの取り組みに参画することになっていて、北海道全域での漁網の回収、そしてリサイクルに取り組むことになっています。

 東京のリサイクル会社「リファインバース」の玉城吾郎高機能樹脂事業部長は「使い終わったものをすぐに回収できる体制を構築できれば海に漂う漁網や漁具を減らせると思います。どんどん事業を広げて、いつか日本の漁網をすべてリサイクルできるように取り組んでいきたい」と話していました。

※2021年7月21日「NHKおはようにっぽん」から拝借しました。

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コメント
青く広大で美しく見える海。しかし海の中では人の営みによって起きている現実がある。
このお取り組みが、現実に向き合い、海をより良くするアクションの好例として見える化されたことに強く共感しております。
Posted by: ルートート代表 神谷富士雄  at 2021年08月23日(Mon) 12:10

笹川会長、ブログで取り上げてくださり、誠にありがとう御座います。
おかげさまで、さらに多くの方々に取り組みを知って頂けます。

発表会以降、様々な方よりお問い合わせを頂戴しました。日本の企業さんからは協働企業として参加したい旨や、海外の企業さんや日本の高校生の方からは、技術や仕組みに関する具体的な質問まで頂きました。その反響の多さや中身から、海ごみ解決への取り組みに対して、社会的ニーズが高いことを改めて実感しました。

お問い合わせをくださった方々や、発表会の様子を各報道でご覧になった方からは、一つの企業だけでなく様々な企業同士の協働で取り組むことの重要性を強く理解したとの感想を多く頂きました。

このような声や新しいご縁や出会いを何よりもの励みとして、さらに多くの企業さんと、さらに多くの取り組みを行い、海ごみになる可能性のある様々なモノを資源循環できるような仕組みを創って参ります。
Posted by: アライアンスフォーザブルー 堀口  at 2021年08月20日(Fri) 20:52

DNP鈴木です。様々技術ある方々の手で、末永く使える鞄に生まれ変わるとは。単なる廃棄物のリサイクルとは異なり、本質を突いた素晴らしい取り組みだと思っております。強みを活かした連携に感銘です。
Posted by: 鈴木由香  at 2021年08月20日(Fri) 17:06

リファインバース玉城です。
この度は日本財団様、アライアンスフォーザブルー様およびその協働企業の皆様のおかげで、我々が頑張って集めてリサイクルした漁網からこんなに素敵な鞄を作ることができ本当に感激いたしました。
今回のような、漁網をリサイクルした材料から高付加価値の素敵な製品を作るという事例をどんどん増やして、海ごみ問題解決に着実に近づいて行けるよう努力したいと思います。
Posted by: 玉城 吾郎  at 2021年08月20日(Fri) 16:04

リファインバース代表の越智です。
この取組みに参加させて頂きわずか1年で豊岡鞄さんから素晴らしいバッグが誕生したことを嬉しく思います。
当社として漁網の回収エリアを全国に広げ、より多くの漁網をリサイクルすることで綺麗な海にして行きたいと思います。
小職の生まれ故郷でもある瀬戸内での取組みについても微力ながら何か貢献出来ないか考えて行きます!
Posted by: 越智 晶  at 2021年08月20日(Fri) 16:00

WWFジャパンさんの資料で、釣り糸は海の中で分解されるまでに600年かかるというのを拝見しました。漁網も推測するにそれに近しいと思います。漁網が海に行かないようにしなければ、何百年も海の生物を苦しめ、海岸沿いで生活を営む人たちを苦しめることになるということだと思います。
この漁網リサイクルの仕組みの成功は、廃漁網の回収から製品化までのサプライチェーンを太くすることだと思います。私も微力ですが、何かできないか模索しているところです。
Posted by: 渡辺真紀  at 2021年08月20日(Fri) 13:23

ゴミを無くす、今までに無かった発想だと感じました。使い古しの漁網から「素敵なカバンへ」、正にリサイクル+プラス、その技術を開発し事業化してしまう行動力に拍手・喝采で――ス❣
Posted by: 蒲池龍之助  at 2021年08月20日(Fri) 11:12