CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«「ちょっといい話」その191―「渚の交番」とは何ですか?― | Main | 【私の毎日】 8月16日(月)»
leprosy.jp
resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
Google
<< 2022年07月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
プロフィール

笹川 陽平さんの画像
笹川 陽平
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク集
https://blog.canpan.info/sasakawa/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/sasakawa/index2_0.xml

「社会貢献支援財団創立50周年」―挨 拶― [2021年08月16日(Mon)]

「社会貢献支援財団創立50周年」
―挨 拶―

2021年7月26日(月)

ご紹介にあずかりました日本財団会長の笹川陽平です。50周年を迎えた社会貢献支援財団と、今回記念表彰を受けられた5名の方々に、祝福と感謝の誠を捧げたいと思います。また、毎年多くの申請を頂戴するなかで、安倍昭恵会長を中心に厳正に審査し、決定して下さっている内館牧子委員長をはじめとする理事と評議員に皆さまに、改めて感謝申し上げます。

50年前の設立時、父である笹川良一は、社会貢献支援財団の意義を語っていました。戦後、日本に民主主義が定着する中で、ともすると国民による権利の主張が中心となり、国民としての義務を忘れがちな社会になっていくのではないかと危惧していました。一方で、日本には伝統的に美しい心の一つとして、利他の心があります。利他の心とは、人様の為に働くというものです。人間は一人では生きていくことはできません。三度の食事も通勤の電車も、人様の力なく生きていくことはできません。この、利他の心をこれからも継続そして発展させていかなければ日本の将来は危ういという愛国心から、この社会貢献支援財団は誕生しました。笹川良一本人も終生、利他の心で96年の人生を全うしました。歴代の社会貢献支援財団の会長、理事そして評議員と、この考え方は連綿とつながり、本日の50年周年を迎えました。

勿論、年を重ね毎年続けるだけでは十分ではありません。特に、安倍会長が就任されて以来、現地を度々訪問するという現場主義を貫いていらっしゃいます。現場には問題と答えが必ずあります。ご自身の目で現場を見て問題を考え、表彰される。そうした活動の中で、海外で活躍される皆さまに焦点を当てていただいたことは大変嬉しいことです。私自身も世界120ヶ国以上を訪問してきましたが、多くの国において「好きな国は日本だ」と言っていただいています。こうした日本に対する印象は、多くの日本の方が現地に溶け込み、同じ目線で活動されている賜物であると思っています。上からの目線で命令・指導・監督・教育するという姿勢がありがちな諸国の中で、日本人の利他の精神に基づく「現地の人と共に汗を流し喜びを分かち合う」という崇高な活動は世界中で認められています。こうした素晴らしい精神に基づく活動を、社会貢献財団で表彰していただいているのは有難いことです。

ご承知の通り、公助は大変重要なことではありますが、日本国民が権利を主張し公助を求めるだけではこの国は駄目になります。まずは、自助が必要となりますが、勿論自助だけでは生きていけない方々も沢山いらっしゃいます。こうした方々に対しては、国家・行政が面倒を見なければなりませんが、こうした公助が届かない分野もあります。このような分野にこそ、本日表彰された皆さま、そしてこの50年の間に表彰された方々が培ってきた共助の精神が必要となります。助け合いの精神は、我々農耕民族には最も重要な精神であり続けています。一人で自分の田んぼを耕し収穫することはできませんから、村長(むらおさ)が間に入ってどのように支えあっていくか調整をすることで、社会が成立してきました。昨今、自分さえよければよいという個人主義が蔓延している風潮のなかで、そこに歯止めをかける共助の精神を発揮してくれている方もまだまだ沢山いらっしゃいます。最近、私は若い企業の経営者と会う機会が多くありますが、単にお金儲けをするだけでなく、社会に役立つ仕事をしたいという方が多いことに勇気づけられています。

日本人には伝統的に共助の精神、助け合いの精神という美しい心があります。一度しかない人生のなかで、何かの為に、誰かの為にお手伝いしたいという崇高な精神が、社会貢献支援財団が表彰されている方々を中心に広がり、世界でもユニークで美しい心を持ったに日本になって欲しいと願っています。そして日本の精神性は世界の中で模範となる可能性を秘めているとも感じています。

50周年を機会に、安倍会長を中心に、社会貢献支援財団が一層発展することを心から願っています。これからも、社会貢献支援財団の皆さんの協力、そしてお力添えをいただき、多くの目に見えないところで社会の為に活躍いただいている皆さま方に激励を送っていただきたいと思います。社会貢献支援財団の取組みは年々歳々充実して今日を迎えています。未来の日本を背負う人たちの為に、社会貢献支援財団の更なる活躍と発展を心からお祈り申し上げ、50周年の言葉とさせていただきます。本日は誠におめでとうございました。

************************

「安部昭恵会長との対談」
―社会貢献支援財団50周年―


当財団は1971年に設立され、今年で50周年を迎えます。設立に尽力され、長年、サポートしていただいている日本財団の笹川会長に設立の経緯などをうかがいます

【笹川】
 社会のために何かお役に立ちたいという方々、あるいは目に見えないところでいろいろ努力をしてくださっている方々が日本にはたくさんいらっしゃいます。そういう方々によって、社会が支えられているという部分がたくさんあるわけです。
もともと日本人は利他の精神を持っています。コミュニティーの中で困っている人がいたら助けますし、災害で被災された方々のために進んでお世話をするなど、素晴らしい国民性をずっと持ち続けてきた国です。
目立つところだけでなく、目に見えないところで善行を積んでいる方々を激励したいという思いで財団が設立されました。励ますことによって、そのような方々が増えていきます。そういう方々を激励し、日本の良き伝統である利他の精神を広げようと表彰制度を始めました。その精神は現在の安倍会長に至るまで、ずっと続けていただいています。

安倍会長は2014年から会長に就任されました。社会貢献支援財団への印象や思いはいかがですか

【安倍】
 会長に就任して以来、表彰式で受賞者の方々と交流するほか、実際に活動を拝見したりしております。この間に表彰が年1回から2回になり、より多く受賞者の方々に接する機会を持つことができるようになりました。表彰式で受賞者の方々にお会いしたり活動の様子を見たりすると、どなたも本当に素晴らしい。毎回大きな感動に包まれ、会長でありながら泣きそうになっております。
 表彰を50年続けてきて、さらにこれだけ毎回選ぶのが大変なくらい多くの候補者がいるということを聞き、「日本は何と素晴らしい国なのだろう」と改めて感じました。
 今、会長としてやらなければと思うことは、皆さんの活動をもっと広めていくことですね。というのも、「社会貢献支援財団の会長をしています」と話すと、よく「どんな財団ですか」と聞かれるからです。財団自体というより、財団で表彰されている方たちをもっと知ってほしい。それぞれの皆さんは地域で本当に素晴らしい活動をしているのですが、まだ知られていない部分がたくさんあります。

【笹川】
 安倍会長が就任されてから、一段と社会貢献支援財団の存在が世の中に知られるようになりました。お忙しい中、安倍会長ご自身が受賞者の活動の場に足を運び激励していただいているので、表彰された方々は大いに喜んでいらっしゃいます。
 近年は、特に海外で活躍している日本の方々を表彰していただくようになりました。若い人たちが海外で良い活動をなさっていることがだんだん知られるようになっている。日本人の海外での活躍が足らないとか、若い人たちに対する批判もありますが、自発的にそのような活動をなさっている素晴らしい方々もたくさんいらっしゃるわけで、そのような方々を表彰するようになったことは素晴らしい試みですね。

よく「自助、共助、公助」といわれます。自身で備える自助、行政が行う公助、そして地域で助け合う共助。受賞者の活動の大部分はセーフティネットから漏れた人たちを支援する共助だとおもいますが、その意義をどうお考えですか

【笹川】
 共助の活動への気持ちが、特に若い人たちに芽生えてきているのは素晴らしいことです。この50年間に表彰された多くの方々の日々の努力の成果が、目に見えないところで大きく広がっているのでしょう。
 日本にはかつては共助の精神がありました。コミュニティーがあって、隣にどんな人が住んでいるのか分かっていましたし、お互いに助け合って生きてきました。近代化が進むと、隣に誰が住んでいるのか分かりませんし、助け合いの精神も少し欠けてきてしまっています。活動が若い人に広がっている今、財団でも50年を機に、共助の活動の広がりに尽力されることを願っています。
 それにしても行政の支援から漏れている方々、あるいは行政の支援を受けられない方々に対して、民間の皆さんが手を差し伸べていらっしゃるというのは本当に素晴らしい話で、ありがたいことですね。

【安倍】
 困っている方々の支援については、もちろん行政でカバーできるところはカバーしていかなくてはなりません。しかし、行政がすべて把握し、支援するということは現実問題としてなかなか難しいことだと思います。
 そういう中で、行政に不満を言うだけでなく、「自分たちの力で何ができるだろうか」と考えて、積極的に活動していただいている方々には、政治家の妻の立場からも、本当に感謝を申し上げたい気持ちでいっぱいです。みんながそれぞれの立場で、自分ができることをやりながら助け合っていく社会が、本当に良い社会でないかと思います。

【笹川】
 より良い社会になるように、国民が公助だけでなく、お互いが助け合う共助の活動は大切なことですね。今は個々人が孤立して、かつてのようなコミュニティーが、まあ地方には若干残っていますが、大都市には存在しなくてってしまいました。
 我々の年齢になると、各地に老人クラブがありますが、孫の自慢と病気の話と政治に対する不満を言うような集まりであってはいけない。年寄りは年寄りで、できることがいくらでもあるんですよ。ましてや、お年寄りが「うるさいから」という理由で託児所を作るのに反対するなんていうのはとんでもない話です。子供は国の宝で、将来の日本を背負う子供たちを大切にするというのは当たり前です。明治時代に日本に来た外国人はみんな「何で日本はこんなに子供たちを大切にする国なんだ」と驚きの声を上げたと文書も残されています。今はまったく逆の状況になっています。
 皆が皆を助ける、助け助けられる社会を作る。社会貢献支援財団は、そのような社会をつくるための活動の核、起点になると思っています。50年続けてきたのですから、継続は力なりですよ。困っている方々を支援する意味でも、若い人たちに共助の精神を持ってもらう意味でも非常に大切ですね。
 安倍会長はミャンマーで学校を作るなどの活動を通じてさまざまな体験をなさっておられますね。

社会貢献活動の方向にも変化が出てきていますか

【安倍】
 笹川会長が言われたように、本当にコミュニティーがとても重要な時代になってくると思います。昔は企業が終身雇用で、家族のような役割を果たしていたと思いますが、それが崩れてしまっています。そんな中、助け合いの方法も変化していくような気がします。
今は所有からシェアの時代に、と言われています。車なんかもそうですけど、今の若い人たちは車とか所有しないで、みんなでいろいろなものをシェアしていこうっていう風潮です。私などはバブルの年代ですから所有したいほうでしたけれど、今の若い人たちはそのあたりの価値観がすごく変わってきています。だから、若い人なりのシェアの仕方だったり助け合いの仕方だったりをサポートしていくことができたらいいなと思います。

【笹川】
 それは本当に大きな変化ですね。私などはシェアハウスなどと聞いても理解できない部分もあるのですが、よく考えてみれば、若者同士で情報を共有し、足らないものをお互いが補っていくという新しいコミュニティーかも分かりませんね。

社会貢献支援財団の今後について

【安倍】
 何十年も同じ活動を続けていらっしゃる方はもちろん素晴らしいですけれど、若くて積極的に新しい価値観の中で何かを生み出そうとしているような方々も、これから積極的に表彰していけたらいいと思っています。私は表彰式典で受賞者とお会いしたり、実際の活動の場を訪ねたりしていますが、自分自身にとって励みや学びになり、ありがたいと思っています。何より、表彰された方々が表彰状を飾って喜んでくださっているのが、とてもうれしいです。

【笹川】
 皆さん、表彰状だけでなく安倍会長との2ショット写真も飾っていますよ。
 ところで、社会貢献支援財団という名称はちょっと言葉的に硬いのではないですか。必要であれば、安倍会長に新しい時代にマッチした名前を考えていただきたいですね。もう少し若者にフィットする名前のほうがよいのではないでしょうか。

【安倍】
 社会貢献支援財団という名称は歴史があるので、それはそれで残しておきながら、何かもう一つ分かりやすいものがあれば作ってもいいかもしれないなとは思います。

【笹川】
 先ほど若い人たちに共助の活動が芽生えていると申し上げましたが、今の表彰制度のほかに、未来を背負う若い人たちを表彰することも考えていただきたいと思っています。青年の表彰とでもいいますか。今も海外で活動している若い方々を表彰していただいていますが、彼らは誰にも知られずにやっているので、表彰されることによってSNSで情報を拡散でき、資金集めに大変役立っているようです。
 若い方々に限らず、皆さん、本当に良い仕事をやっていただいてる。その活動をもっと多くの人に知っていただきたいですね。困っている方や悩んでいる方に手を差し伸べる方々が地域の中にいらっしゃるということは素晴らしいことです。役所もやりますが、いろいろルールが複雑のようですし、すべてに行き届いた支援というのは難しいと思います。そういう意味では、心と心が接するように支援の活動をしている受賞者の方々というのはユニークな存在なのではないでしょうか。
 僕らが子供の時は、「悪いことをして見えないと思ってもお天道様がちゃんと見てるぞ」と親から叱られたものです。その人の行いは誰かが見ている、ということですね。良い活動をしている皆さんは、決して誰かに見て欲しいと思ってやっているわけではありませんが、やはり表彰されることは、結果的に誰かが見ていてくれた、評価してくれたということで、すごく励みになっていると思います。

【安倍】
 受賞者の皆さんは本当にすばらしい活動をされていらっしゃると思いますので、続けていきたいと思います。大変なことをされていて、私なんかから見ると、ご苦労も多いだろうな、と思ってしまうのですが、皆さん、使命というか、生き生きと楽しんでやっているのが素晴らしいと思います。
 しかし、皆さんには元気でいていただかないといけません。すごく頑張り過ぎて、自分の寝食を忘れて没頭されている方がたくさんいらっしゃいます。表彰の副賞は皆さんの楽しみのためにお使いください、ということを代々の選考委員長がおっしゃっていますが、私もそう思います。でも、やっぱりほとんどの方が活動に使われているみたいですね。

【笹川】
 あれは選考委員長だった曽野綾子さんが最初におっしゃったんですよね。ご苦労なさっているので、たまにはこれで少しの贅沢をしてください、と。代々受け継がれていることですけれど、皆さん活動に使っていらっしゃいますか。

【安倍】
 そういう方が多いと思います。改めて、ご自身も楽しんでいただくために使っていただきたいと思います。

【笹川】
 元気じゃないと困りますもんね。

【安倍】
 一方で、ボランティアをしたくてもどうやっていいか分からない、子育ても終わって時間に余裕ができて、何か人のためにしたいけど、どうしていいか分からないという人が結構いると思いますので、そういう人たちと活動とのマッチングができたらいいとも考えています。

【笹川】
 それは素晴らしいことですね。

受賞者間のネットワーク作りも必要かもしれません

【笹川】
 いいですね。活動をしている方々同士でも、普段、共に苦労をしている間柄だと愚痴をこぼせない。お互いに愚痴を言い合えるということはすごく大事で、決してマイナスのことではないんです。ご苦労を発散するのは重要です。
 私は一昨年、27回も海外に出向いているんですけど、今は新型コロナウィルスの影響でゼロです。その分のほとんどをウェビナー(ウェブによるオンラインセミナー)でやっています。コロナ下で経験したことの中で、これは大変便利ですよ。ぜひ社会貢献支援財団が中心になってウェビナーで皆さんに参加していただいて、「私は九州の何々でこんなことやっているんですけど」と説明したり、北海道の人が「私は北海道だけど、あなたと同じようなことをやっているので、これからちょっと情報交換しましょうか」と交流したりすることは、皆さんの励みになることでしょう。
 この方法だと「一生懸命やっているけどもうダメだ。そろそろやめようと思っているんだけど、あなたは同じ年齢なのにずいぶん頑張っているね、秘訣は何か」「もう年をとってしまって活動をやめようと思うんだけど後継者になってくれる人いるかな」なんて話もできる。そういうプラットフォームを財団が中心になって作るといいかも分かりませんね。受賞者という共通項がある方々が全国にいらっしゃるんだから、続けていくと、それぞれの地域の核になる人が出てくるのではないでしょうか。
 良い活動を広げていきたいものですね。限られた人達だけが良いことをするんじゃなくて、それがどんどん広がって、濃淡はあるにしても、国民みんながそういう気持ちになっていくというのはすごく素敵なことですね。

【安倍】
 そうですね。自分ではできなくても、できることがちょっとでもあればお手伝いに気軽に行けるような、何かそういう仕組みが財団の中でできればいいと思います。受賞者間のネットワーク化も取り組むべき課題です。
 いろいろなアイデアをいただいたので、考えていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

対談ありがとうございました.

コメントする
コメント