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「ちょっといい話」その172―養子あっせん団体廃業問題でシンポ― [2021年05月18日(Tue)]

「ちょっといい話」その172
―養子あっせん団体廃業問題でシンポ―


子供の実の親と「連絡とれない」

 民間の養子縁組あっせん団体である一般社団法人「ベビーライフ」が昨年7月、事業を停止した後、代表者と連絡が取れなくなった。さらに同団体が養子縁組した子供たちの多くの養親(養子を迎えた親)が外国籍であったことなどが大きく報道されている。この問題を受けて、特別養子縁組の支援・啓発に取り組む日本財団は2日、緊急のシンポジウムを同財団ビル(東京都港区)で開いた。ベビーライフで縁組した養親当事者などが参加し、今の心境やこれからの願いについて語った。

 2年間の不妊治療を経て、2018年に生後5日の男の子を迎えたヤマダマキさん(仮名)は、これまで連絡を取っていた子供の実の母親と連絡を取ることができなくなったと嘆く。「ベビーライフを通じてお母さんに写真や動画を定期的に送り、成長報告をしていた」とヤマダさんは振り返る。

 しかし、ベビーライフが廃業したことで、実の親との連絡が途絶えてしまったという。「私たちとお母さんとの絆をつなぐ架け橋だったと実感している。直接連絡を取り合う方法もあるだろうが、この先ずっと信頼関係を築いていくためにも間に入る団体が必要だ」と涙ながらに訴えた。

 また、4歳と2歳の2人の養子を迎えたというサイトウチカさん(仮名)は、ベビーライフの養父母約60人に行ったアンケート結果を報告。同団体がなくなったことで不安に思っていることとして、最も多かった回答は「実親との関わりについて」(33%)だった。

 しかし、それに次いで「報道や、それに関連した人身売買等のコメントを将来子供が見たときの心的影響」(20%)、3番目に「報道による養子縁組への批判やイメージダウン」(18%)と続くことから、報道によるショックが大きかったと強調する。「人身売買という言葉を使う報道やコメントに、大人の私たちも傷ついた。成長途中の子供たちが自分のこととして、(報道を)目にすることになると想像していただきたい」と精神的苦痛への配慮を求めた。

 このほかシンポジウムでは、同団体の持つ子供の出生時の記録が東京都に一部しか引き継がれず、養子当事者が出自を知ることができなくなることへの懸念も指摘された。養子当事者のルーツ探しなどを行っている日本国際社会事業団(文京区)の石川美絵子常務理事は「相談者のニーズとして、産みの親に会いたいというのが一番多い。出自をたどって生い立ちが整理され、本人の中で統合されていくことが大切」と強調した。

 日本財団では今後、養子縁組の記録管理を一元管理したり、民間団体の監督を行う公的な中央機関の必要性を提言することを検討しているという。(石川孝秀)

※2021年4月6日付「世界日報」です。

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