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「少子化に関する8カ国女性意識調査」―理想の子どもの数はどの国も2人― [2021年04月05日(Mon)]

「少子化に関する8カ国女性意識調査」
―理想の子どもの数はどの国も2人―


世界の人口は現在77億人。国連は2050年には97億人に達し、その後、100億人を突破すると推計している。その一方で先進国の少子化も急速に進んでいる。国の将来を担う若者の減少は国の形だけでなく、年金や医療など社会の在り方も大きく変える。それでは少子化の現状を女性はどう見ているか。そんな思いで日本財団は1月、8カ国を対象に3回目となる女性意識調査を実施し、国による意識の違いなどを探った。

対象国は少子化の最先端を行く韓国、イタリア、日本、福祉先進国であるスウェーデン、デンマーク、事実婚などが進むフランス、移民により引き続き人口増が予想されているアメリカ、長い間一人っ子政策がとられた中国の計8カ国。18歳から69歳まで各500人にそれぞれの母国語で聞いた。

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8カ国の合計特殊出生率(1人の女性が15歳から49歳までに生む子どもの数)を2018年で見ると、最も高いのはフランスの1.88、日本は1.42、最も低い韓国は0.98。いずれも人口が静止状態となる人口置換水準(2.1前後)を下回っている。日本は翌19年に1.36、韓国は20年に世界最低の0.84に下がった。

調査では、少子化の現状に対する認識や自分の国が子どもを生みやすい国かどうか、女性から見た望ましい子どもの数、子どもを持つ場合、結婚はその前提になるか、移民・難民問題をどう考えるかーなどについて多角的に質問した。各国の特徴が浮き彫りにされ、様々な読み取りが可能な調査結果となっている。

そんな中、夫婦(カップル)に望ましい子どもの数では「2人」、どのような少子化対策を求めるかでは「フレックスタイム制やテレワークなど働きやすい環境の整備」を求める声が8カ国ともトップに並んだ。「子どもはいらない」といった回答も8ヵ国平均で8.3%に上っており、一概には言えないが、環境を整備することで出生率の回復は可能というのが筆者の感想だ。

自国の少子化対策に対する評価(5点満点)は中国が3.4点でトップ、8カ国平均は2.7点。下位3国を出生率の低い日本、韓国、イタリアが占め、「あなたの国は子どもを生み育てやすい国だと思うか」の問いでも、やはりこの3国が下位に並んでいる。いずれも安心して出産・育児ができる環境の整備が急務ということであろう。

「子どもを持つ場合、結婚が前提条件となるか」の問いに中国、日本、韓国は68〜56%が「なる」としているのに対し、ヨーロッパ4国は逆に84〜76%が「ならない」と答え、いわゆる婚外子に対する受容度はヨーロッパと東アジアで際立った対照を見せている。

国連人口部が少子高齢化によって生ずる人口減少や生産年齢減少対策として発表している「補充移民」に関しても何点か質問。「少子高齢化対策として有効と思うか」との問いには「とても」、「どちらかといえば」を合わせた「そう思う」の合計(以下・そう思う計)が7ヶ国で半数を割る中、中国だけが71・4%の高い数字を記録している。

「外国人材の移民は国を豊かにする」では、移民大国アメリカが「そう思う」で75.8%とトップ。日本は41.6%と最下位、逆に「まず自国で出生率の増加を図るべきだ」が83.2%で1位となっている。「労働力の不足は定年の引き上げなどでまずカバーすべきだ」に関しては韓国の69.4%を筆頭に中国、日本の順で「そう思う計」が高く、逆に欧米5カ国は最も高いアメリカでも35%、残る4か国は20%台に留まっている。

一人っ子政策がとられた中国を除き、どの国も国民の半数以上は女性であり、日本について言えば平均寿命も女性の方が約6歳長い。女性の意見は今後の社会づくりに一層重みを持つ。調査結果は今後の対策に十分、活かせる内容となっている。是非、多くの人に参照していただきたいと思う。

詳細はこちらを参照ください。



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