「ちょっといい話」その134―ハンセン病についての国連報告― [2020年05月25日(Mon)]
「ちょっといい話」その134 ―ハンセン病についての国連報告― 国連ハンセン病差別撤廃特別報告者のアリス・クルス女史が、世界のハンセン病患者・回復者及びその家族の人権状況を真実・正義および人権侵害の再発防止の保証の観点から調査している。 全18ページの報告書として国連に提出されるが、若干手前味噌ではあるが、私に関する記述があるので原文英語を日本語にして下記の通り掲載しました。 「日本に関する国連ハンセン病差別撤廃特別報告者の報告書」 以下関連文章です。(8ページ目) *************** 「日本におけるハンセン病患者・回復者の尊厳を求める闘い、そして2001年の司法制度と政府の双方からの前向きな対応は、人権に基づいたアプローチの世界的な広がりを引き起こした。それ以後、日本は国連総会及び人権理事会で採択されたハンセン病患者・回復者及びその家族に対する差別撤廃に関する一連の決議の提案を主導している。この取組みは日本政府と日本の市民社会団体、すなわち日本財団及び笹川保健財団との共同行動により行われたものであるが、究極的には、ハンセン病患者・回復者を権利所有者として認めるよう求める声が最初に上がったのは草の根からであった。 ハンセン病に関する日本の国際的な取り組みを主導しているのは、日本政府ハンセン病人権啓発大使・WHOハンセン病制圧大使の笹川陽平氏である。笹川氏のリーダーシップの下、日本財団は長きにわたりWHOを支援し、1995年から1999年にかけてWHOによる多剤併用療法(MDT)薬の無料配布の資金を提供している。そうした支援が、2000年に公衆衛生問題としてのハンセン病の世界的制圧(登録有病率が10,000人当たり1症例未満と定義されている)に到達する上で鍵となった。 21世紀初頭から、笹川陽平はハンセン病の社会的決定因子としてのスティグマに注目し始めた。日本財団はこの問題を国連で提起するために日本政府と協力し、2006年から毎年、スティグマと差別を撤廃するための世界的アピールを促進している。笹川保健財団の重要な戦略の1つが、世界中の患者・回復者の草の根組織に対する資金提供や能力開発を通じたエンパワーメントに関するものであり、2019年には最初の世界ハンセン病回復者会議を後援した。」 |