「北朝鮮・テポドン」発射 [2006年07月05日(Wed)]
「北朝鮮・テポドン」発射 7月5日(水)、早朝起床したら、北朝鮮のミサイル発射で、テレビは各局とも大騒ぎであった。 なぜこれだけ、日米を中心に国際社会が懸念していることを北朝鮮は強行したのかの疑問については、強行策によって、米朝交渉を開始させる思惑があると、コメントする人が多かった。 かつて、北朝鮮の有力者は私に「米国は優しい親父さんであり、北朝鮮は出来の悪い息子である。親父はなんだかんだと息子に文句は言うが、最後は息子の無理難題を聞き入れてくれる。息子もそういう親父が好きでたまらない」と米朝関係を説明した。 確かに現・ブッシュ政権以前は上記の説明の通りで、毎年50万トンの石油や食糧の援助等もせしめてきた。 ただ、ブッシュ政権になって、悪の枢軸と呼ばれ、米・朝二国間交渉は一切しないという米国の固い決意が、北朝鮮にいまだ理解されていない。 息子が駄々をこねると親父は最後には言うことを聞き入れ、交渉に応じてくれると思ってミサイル発射までエスカレートしたということだろう。 米国は今や優しい親父ではないことを、勘当された息子は悟るべきである。 ところで北朝鮮のミサイル技術の問題である。 1998年8月31日、テポドン1号が発射されるまで、日本の防衛専門家は、北朝鮮にはそんな優れたミサイル技術があるとは知らず、あまり問題にしていなかった。 北朝鮮の有力者は再三再四、ミサイル技術が優れていることを私に説明した。しかし、北朝鮮が独自でミサイルの開発が出来るわけがない。 かといって、旧ソ連・ブレジネフ首相は北朝鮮のミサイル技術導入についての協力要請には冷淡であった。 前記、北朝鮮の有力者は私に嘘を言ったことのない人だけに、この情報の真偽について判断しかねていた。 たしか1991年だったと思う。旧ソ連を訪問した折、旧知のロシア産業同盟総裁のヴォルスキー氏に「なぜソ連はアンドロポフ首相時代に、北朝鮮にミサイル技術を供与したのか?」と訊ねた。 彼は真顔で「なんで笹川さんはそんなことを知っているのか」。問答はそれだけであったが、北朝鮮有力者の発言が事実であることが確認できた。 ちなみに。ヴォルスキー氏は、アンドロポフ首相の補佐官であった。 |