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「休眠預金問題の核心」―銀行協会の嘘を暴く― [2014年02月03日(Mon)]

「休眠預金問題の核心」
―銀行協会の嘘を暴く―


10年以上取引のない休眠預金問題について、再三発言してきた。自民党内でもようやく議論が進み、今通常国会での法案成立に向け努力されているようで歓迎したい。

しかし、新聞報道だけで判断すると、われわれ休眠預金に関心を持つ者からの事情聴取結果や超党派の議員連盟の意向とは別に、休眠担当の自民党議員と銀行協会の間で大筋の事前了解がなされているようにさえ見える。

1月21日付の日経新聞朝刊は、この問題を「休眠預金を公的事業に」、「与党が議員立法へ」、「銀行も容認姿勢へ」の見出しで8段扱いで掲載。「与党側は過去の口座に遡って適用しない方針で基本合意」、「預金者からの申し出があればいつでも返還する点も確認した」、「制度を受け入れやすくするための措置がそろってきたとの判断から、銀行業界は容認姿勢に転じた」とした上、「与党の素案によると、金融機関の休眠預金を移す方法としては金融機関に一定の手数料を払った上で国の預保保険機構に移管する案が有力だ」と報じている。

筆者は休眠口座に関し、銀行が雑収入として処理してきた過去分の扱いや人口1億2700万人の日本において何故、12億(信用組合やJAバンクも含む)もの口座があるのか、かねて、その問題点を指摘してきた。

日経記事を見る限り、銀行業界の説明はなく、しかも「金融機関が一定の手数料を取った上で、国が作る受け皿機関に協力する」というのは、納得し難く、横柄な感じすら受ける。国民の財産を預かる銀行業界には、透明性のある説明とともに誠意ある対応が求められるからだ。

2012年、内閣総理大臣に提出された質問主意書とその答弁書などを参考に、休眠口座に関する筆者の疑問や意見を改めて列記し、ご批判を仰ぎたいと思う。

1:仮名口座について
2003年までは仮名口座は自由であった。金融機関は口座獲得運動に奔走し、営業マンは時に印鑑、名前まで用意して「5,000円、10,000円で結構です」と老人客らに頭を下げ口座数を増やした。この結果、全体で12億口座という膨大な口座ができたが、多くは仮名預金であり、仮名であるが故に本人確認ができず引き出しができない状況にある。金融機関はその経過と現状について説明する責任がある。

1:雑収入処理について
10年を経過した休眠預金の雑収入処理に関し、銀行協会は当初、税務当局の指導があった旨の説明をしたが、内閣総理大臣からの答弁書では「全銀協が取扱基準を定めた」とされている。何時、誰の、どのような判断で始まったのか、あらためて明らかにされなければならない。

1:過去の雑収入について
手元の資料によると、過去3年間に雑収入として処理された金額は
平成20年3月期 484億円
平成21年3月期 501億円
平成22年3月期 556億円
となっている。これだけでも、わずか3年間で1,541億円に上っている。報道によれば過去分は不問というが、それでは過去分は全体でどのような額になっているのか、この点こそ、まず明らかにされる必要がある。

1:銀行業界の姿勢について
銀行協会は、10年経過後も本人確認ができれば預金者保護の観点から引き出しに応じる、としている。しかし、仮名口座は本人確認ができず引き出し不可能。仮に本人名義であった場合でも、既に死亡している場合は相続人を証明する手続きが煩雑を極め引き出しが難しいといった事情もある。
金融ビックバンで、多くの金融機関は国家から公的資金の援助を受け、長く税金も納付してこなかった。現在健全な経営状態に回復したのであれば、休眠預金処理に積極的に協力するとともに、休眠預金による過去の雑収入もすべて返却するのが企業の責任ではないか。

1:口座の維持管理費について
銀行協会は休眠預金口座の管理には多額の維持費が必要と説明しているが、金額は明示されていない。自らの拡張政策で多くの仮名口座が作られた経過も踏まえれば、維持費も自ら負うのが本来の在り方である。まして昨今のコンピューターシステムなら簡単にできるはずである。場合によっては日本財団で無料で引き受けることも可能である。

アベノミクスは、今や、世界的な話題になっており、確実に成果が上がり始めている。しかし、末端の中小企業やソーシャル・ビジネスの分野では資金不足に悩む企業も多い。休眠口座問題の解決に努力されている政治家の皆さんには、筆者の愚見も考慮され、多くの国民に納得がいく法律をつくっていただきたい。

蛇足ながら、安倍内閣の人気が高いのに地方選挙の敗退が続くのは、このような身近な問題の解決に、国民の声が十分、反映されていない点にひとつの原因があるような気がする。国民は休眠預金の処理を、政党政治の大スポンサーである金融機関と政治の関係をはかるリトマス試験紙として注目している。

休眠預金についてのブログは下記の通りです。

2012年2月10日2月15日3月14日3月16日4月11日4月13日
2013年10月21日
12月27日

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【「休眠預金問題の核心」―銀行協会の嘘を暴く―】

「休眠預金を社会貢献に使おう」海外では当たり前の発想ですが、なぜか日本では実現していません。詳しくは、この問題に取り組む日本財団 笹川会長のブログ記事とリンク先の記事をご高覧ください。先日のファンドレイジング日本2014でも、尊敬する若き社会起業家 駒崎弘樹さんが「休眠預金活用」のための法制化を訴えていました。

https://www.facebook.com/nobukume/posts/10152191821934648
Posted by: 久米 信行  at 2014年02月03日(Mon) 22:48