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「ミャンマー少数民族武装勢力」 ―テイン・セイン大統領とアウンサン・スーチー女史― [2012年11月30日(Fri)]
記念撮影.JPG
ミャンマーの10組の少数民族が日本財団に集結し
世界で初めて「ミャンマー少数民族武装勢力支援会議」が開催され
和平プロセスについての真剣な討議がおこなわれた



「ミャンマー少数民族武装勢力」
―テイン・セイン大統領とアウンサン・スーチー女史―


ミャンマーの民主化の動向が世界の注目を浴びるようになってから約2年間が経過した。先般のオバマ大統領の約7時間の訪問はそのハイライトであった。

これはテイン・セイン大統領の卓越した指導力によるものである。特に民主化の象徴であるアウンサン・スーチー女史の海外での活動に、国会開催中にもかかわらず大幅な自由を与えていることは見事である。大統領は「肉を切らせて骨を切る」度量の大きい人である。

スーチー女史は、たった二年前まではミャンマー軍政は腐敗しているとして人道援助すら否定していたのである。ところが今や、まるで大統領の広報担当大臣のよう。訪問先のアメリカでも積極的にミャンマーへの投資を呼びかけるまでに変身した。

大統領が如何に度量としたたかな計算があるかは次の事象を見ればよくわかる。

スーチー女史はタイ国訪問やアメリカ訪問で大歓迎を受けた。直後の大統領のタイ訪問やほぼ同時の国連出席は、メディアの扱いで大きく差をつけられることは予想されたことで、大統領としての面子(めんつ)を考えると、大統領の取りまきは強く反対したであろうが、予定通り訪問された。一時的とはいえ、一国の大統領の存在がスーチー女史より影の薄い存在になるのを承知での決断は簡単ではなかったはずだ。

オバマ大統領のヤンゴン滞在はわずか約7時間だったが、スーチー女史宅を訪問。共同記者会見は大きく世界に報道された。本来ならば首都ネピドーを訪問し、テイン・セイン大統領と会談するのが外交儀礼であるが、テイン・セイン大統領はわざわざヤンゴンまで出かけてオバマ大統領と会談した。地位や名誉にこだわらず、大統領としての立場よりミャンマーの民主化を世界に理解してもらおうとするテイン・セイン大統領のひたむきに公に奉仕する姿は、やがてミャンマー国民が誇りに思い、名大統領として大幅な信頼を勝ち得る日がくるに相違ない。

スーチー女史はNLDの党首として、いまだミャンマーの将来についての明確な政策すら発表していない。イスラム教徒のロヒンギャ問題については、フランスでの記者会見で「そのような問題は存在しない」との発言で記者団に失望を与えたことは記憶に新しい。その後、ロヒンギャ問題には固く口を閉ざしている状態が続いている。

一方、テイン・セイン大統領は、国連のバン・キ・ムン事務総長にロヒンギャに市民権を与えるとの書簡を送り、西欧のみならずイスラム諸国家からも高い評価を得た。今や、スーチー女史への改革の夢を託したミャンマー国民は失望に変わりつつあるのではなかろうか。政治家としては、「肉を切らせて骨を切る」テイン・セイン大統領の方が、スーチー女史よりはるかに上手であったといわざるを得ない。スーチー女史は民主化の象徴として歴史に名を留めることで満足するのであろうか。

テイン・セイン大統領にとって最大の難関は2015年の国政選挙に勝利することである。そのためには、なんとしても少数民族武装勢力との停戦、和平が必要条件となってくる。しかし交渉は決して順調ではない。政府と少数民族武装勢力との60年に及ぶ戦いの中で、武装勢力に染みついた極度の被害者意識は、そう簡単には消えないからである。

今年6月、少数民族福祉向上大使となった筆者にとって最大の関心事は、少数民族武装勢力との信頼醸成のための努力である。豪雨の中、たった70キロの道程を悪戦苦闘で11時間以上かけ、そのうちの一つ「新モン州党」の最高責任者を訪問。ジャングルの中で会談し、一昨日帰国した。

今後も少数民族武装勢力との接触を重ね信頼醸成に努め、ブログを通して、機密漏洩にならない範囲でお伝えして参りたい。
(つづく)

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きょうの朝日新聞「ひと」欄にカレン族の医師(女医さん)が24年間もカレン地域で医療活動にあたり、資金難で協力を求めているという記事がありました。日本財団にご期待申し上げます。
Posted by: 吹浦忠正  at 2012年11月30日(Fri) 10:55