礼節を欠く日本外交 [2011年04月26日(Tue)]
「東日本大震災への救援活動」その56 ―礼節を欠く日本外交― 一般論として、日本人は世界一礼節を重んじる国だと、我々も世界も理解してきた。 東日本大震災においても、厳しい環境に耐え忍ぶ被災者や秩序ある行動は、外国人より驚きと絶賛を受けた。 三宅島噴火の折、1万数千人が整然と島を離れた光景が世界配信のニュースとして流れた。たまたまイスラエルでペレス大統領(現)に面談した折、「どうして日本人はあのように整然と静かに退去出来るのか。日本人以外なら必ず放火や略奪が起きるだろう」と質問され、日本人としては当然の行為であり、返答に少し時間を要したことがあった。 しかし、日本人の評価がこの大震災で一段と高まる半面、「どうして日本の政治家はリーダーシップが取れないのか」と、政治家のレベルの低さも改めて世界中で知られることになってしまった。誠に恥ずかしい限りである。 東日本大震災では、世界中から日本に対する連帯の表明があり、ハイチ、バングラディッシュ、パプアニューギニアのような貧しい国々からも救援金が寄せられた。アメリカは「トモダチ作戦」で、命をかけた大規模な支援を実施してくれた。台湾からはアメリカに次いで大きな救援金と熱い同情をいただいた。 しかし、日本の首相、外務大臣は、そろそろ大規模な支援をしてくれたアメリカや諸外国に感謝とお礼の挨拶に飛び廻わらなければならない時期にも関わらず国会最優先主義で、その予定もないらしい。 それならば永田町には多くの元首相がおられる。首相特使として、手分けして世界を廻って戴きたい。 仕事は二つ。一つは、相手国首脳との面談がなくとも、訪問国の記者団に日本国民としてお礼を申し上げること。二つ目は、その際、福島原発について最新の情報を提供し、世界的な風評被害を止めることである。 かつて、エリツィン・ロシア大統領の逝去に伴う弔問に世界の首脳が参加したのに、日本は誰も参加せず、駐ロシア大使だけが出席したことをブログで非難したことがあった。 日本人が礼節を重んじることは世界中の人々が知っている。しかし、感謝の特使を派遣しないと日本の政治家には礼節がないと、またお笑いの種にされるだろう。衆参国会議院合わせて722名。是非、非公式でも御礼と感謝に行くべきである。日本人の特質でもある礼節を、世界に知らしめるチャンスでもある。各国の新聞で形式的な感謝の表明で終わらせてはならない。 東日本大震災の標語に「日本は一つ」と謳われている。この際、政治家は政治信条、党派を超えて世界を飛び回り、日本人としての礼節を率先して示してほしいものである。 <支援金募金> 8,130,000円 Pacific basin shippinghk lim 6,974,265円 NPO法人 ブレーンヒューマニティー 1,500,000円 (財)ライフ・プランニングセンター 1,000,000円 社会福祉法人 四条畷福祉会 <救援物資> ファイン株式会社:歯ブラシ大人用2,250本、子供用750本 王子紙器製造株式会社:段ボール箱 300箱 |