日本財団創立記念日・永年勤続表彰 [2010年10月10日(Sun)]
日本財団創立記念日・永年勤続表彰 挨拶(要旨) 2010年10月1日 日本財団ビル2階 本日、永年勤続表彰を受けられた皆さん、本当におめでとうございます。今日の日本財団は皆さんの努力で存在しているわけで、15年、25年前の当時とは違った組織になってきています。また、皆さんの努力で社会的な評価も大いに高まり、社会からの期待は飛躍的に増大しています。 しかし、これまでの努力に対する評価をいただいている一方、これからの努力が問われているのも事実です。私たちは五感を鋭く磨き、国家あるいは行政の目の届かない分野に対し、時宜を得た仕事を組み立てていくことが望まれています。 数多くの公益法人やNPOがある中で“日本財団はさすがに違う”と言われる模範的な組織でなければなりません。そのためには、皆さん一人ひとりが誇りを持つとともに、現下の情勢のように“政治が悪い、行政が悪い”と他人を批判するのではなく、率先して行動することであり、そこに大きな意義があるのです。 若い職員の発案で高校や大学に出かけ、出前授業を行うようになりました。このような小さいかもしれないが行動することに大きな意義があるのです。百の議論も大切ですが、一つの実行が新たな可能性を生むということです。 組織が歴史を重ねると慎重さに目が向きはじめます。その結果、前例にこだわるあまり、行動に移せない場面も出てきます。しかし、日本財団はそのような組織ではありません。ときには走りながら考えるというくらいの勇気と冒険心を皆さんには持っていただきたいと思います。日本財団の伝統は善意の失敗を問わないことにあります。とくに若者には柔軟な思考と行動力が求められ、さらなる能力の開発をお願いします。 精神的な若さというのは年齢で計れるものではありません。若くても精神的に年老いたような人もいますし、年配者でも若さを堅持している人もいます。若い人たちには精神的な若さをも兼ね備えていただき、24時間365日、創造的な仕事を考えていただきたいと思います。 私たちは何を求められ、何をしなければいけないのかということを常に頭の片隅に置いておかなければなりません。朝9時に来て夕方まで何となく仕事をするというだけでは、社会が期待する仕事を果たしたとは言えません。激変する社会情勢、世界取り巻く環境について深く考えながら、私たちに与えられた使命は何か、それを実行できているかを確認しながら日々の仕事に努めていただきたいと思います。 物事を広く深く考える習慣を身に付け、日本財団の職員は“若くても違う。人間味豊かで愛情ある優しい対応をしてくれる。それでいてしっかりとした何事にも動じない意志を持って仕事をしている”という、尊敬に値する一人ひとりになっていただきたいと願っています。その総和が日本財団の評価につながりますし、社会的な使命を果たす意味からも重要になってくるのです。 今日は創立記念日ですが、皆さんは恐らく創設当時を知らないでしょう。当時を知らなくても結構です。私たちは未来に向って活動する組織として、私の話を拳拳服膺して前進していただきたいと思います。 |