「レーニン、スターリン」 [2010年03月26日(Fri)]
スターリン生誕の地・グルジアのゴリにある像 「レーニン、スターリン」 ―苗字と名前― いつだったか、人の姓名について、日本は世界の中でも圧倒的に苗字も名前も多い国であると書いたことがあった。苗字は20万近くあり、名前は更に多いだろう。 韓国の苗字は確か数百。中国でも数千か、多くて一万ぐらいのものだろう。名前については、西洋でも宗教から引用する場合が多いので限られている。 親は、最愛の子供のためにどのような名前にするか懸命に考える。中には字画などに凝る人、姓名判断の専門家に依頼する人などさまざまである。また、時代の中で流行った名前をつけることも多い。 ハンセン病制圧活動で今回訪問したインドのタミル・ナドウ州のカルナーニディ首相は、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンの崇拝者で、長男にスターリンの名前をつけた。長男は、現在副首相として首相の父親を支えている。 この州では共産主義の原理に引き込まれ、レーニン、スターリン、モスクワ、ロシアという名前をつける人が多くいた。チェンナイの有名学校に入学を希望した時、学校側はスターリンの名前に嫌悪感を示し、入学するには名前を変えるよう要求された。 その時父は「名前を変えるより学校を変えろ」とあっさり言ったとの逸話も残っている。立派に成長し、父の後継者として首相になることは衆目の一致するところらしい。 スターリンの名前が出たところで、レーニンについての話もある。 あの有名な大宅壮一氏は、自分の長男にレーニンと名付けようとした。確か0人(レーニン)として役所に届けたと思うが、あるいは零人であったかも知れない。役所は当然のごとく拒否した。 困った大宅氏「それならば将棋の『歩』にしよう。ひょっとすると裏返って『金』になるかもしれない」といって、歩(あゆむ)と名付けたそうだ。好青年であったが、大学時代ラグビーで首を骨折して夭折したという。大宅映子女史にお目にかかる機会があれば確かめてみたいと思っている。 親の思いでつけられた名前に当惑する子供もいるようである。 かつて、悪魔と名付けて物議を醸した若夫婦もいた。 知人はゴルフ好きで、孫にタイガーウッズに因んで大牙(たいが)と名付けた。 孫が成人になった時、性依存症のゴルファーの名をどう思うだろうか。 電話で説明しにくい名前も考えものである。 名前は、単純で親しみやすい名前が良いと考えるのは、私だけだろうか・・・。 (次回3月29日は、「聖路加国際病院と日野原重明先生」です) |