「感染症対策」 ―次のパンデミックに備えて― [2026年09月09日(Wed)]
|
2019年に発生した新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は、世界的なパンデミックとなった。特に日本にはこのワクチンを自ら開発・製造する能力もなく、社会全体が大混乱に陥ったことは、まさに衝撃的な出来事でした。
日本財団は、二度とこのような悲劇を繰り返さないため、慎重に検討した結果、国立大学の中でも日本の医学の近代化に貢献した緒方洪庵の適塾(卒業生には福沢諭吉をはじめ、多くのすぐれた人材を輩出)を源流とし、比較的官僚色の薄い大阪大学を選定し、「日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクト」を10年間実施することを決定しました。 本プロジェクトは、COVID-19で明らかになった社会課題に対して、長期的な視野にたち、今後も起こり得る感染症危機において人々の「いのち」を守り、社会・経済活動を維持するための感染症研究基盤を強化するもので、10年間で250億円を提供する予定です。 2025年には、世界的建築家・安藤忠雄氏の設計による、以下のような外観の研究棟「宇宙船地球号」が完成しました。 最新鋭の実験機器を備え、海外を含め多くの有力な研究者が既に活動を開始しています。以下は、各部門の部門長並びに構成人数です。 �@ 感染症・生体防御研究部門:竹田潔教授 96名 �A 人材育成部門:森井英一教授 22人 �B 科学情報・公共政策部門:中野貴志教授 107人 �C その他 計算機室、共同実験室、企画室、事務官:28人 既に短期間で英文による研究論文が144本も発表されていることは、素人の私にはその内容を評価することはできませんが、活発な研究活動が行われているものと拝察しております。 蛇足ながら、安藤忠雄先生による「宇宙船地球号」という命名は、先生ご自身はご存じないかもしれませんが、日本財団初代会長・笹川良一の「世界は一家、人類皆兄弟。人類はそろって地球という船に乗っているのだ」との言葉と奇しくも一致するものです。 ところで、現在コンゴ民主共和国では、エボラ出血熱という感染症が急速に拡大しており、7月30日時点で感染者3,605人、死者1,587人、致死率は30〜50%に達しています。現在のところ特効薬はなく、対症療法のみです。WHO(世界保健機関)は5月17日に緊急事態を宣言した。隣国のウガンダの首都カンパラにも感染が拡大しており、世界的に権威のあるアメリカの疾病対策センター(CDC)も6月27日に緊急対応レベルを最高レベルに引き上げました。 この地域は私もハンセン病制圧活動で二度にわたり訪れましたが、紛争が長く続いており、治安も悪く、エボラ対策も困難を極めていると推察されます。決して日本も対岸の火事と思わないことが肝要ではないでしょうか。 |






